山ちゃんの食べもの考

 

 

その219
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)

『食は生命なり』 【75】
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その42
新谷弘実著 『病気にならない生き方』  若返り編 8
《心の若さとみずみずしい体を手に入れる法》
 
第3章 エンザイムパワーを高める方法 3
 
●「地球が病気にならない生き方」をしよう
 
私たちの体を構成する細胞一つ一つの健康が、体全体の影響を受けているように、私たち人間の健康は、環境の影響を受けています。
空気や水、そして土壌といった環境の汚染は、そのまま私たちの体内の汚染につながっているのです。
 
空気汚染には空気清浄機、水の汚染には浄水器と、私たちは自らの健康を環境汚染から守るためにさまざまな工夫をしていますが、それらはすべて対症療法に過ぎません。
言ってみれば、できたシワにヒアルロン酸を注入するのと同じです。
根本的な原因にアプローチしないかぎり、問題は決して根本的には解決しません。
 
ですから私は、人間が本当の健康を手に入れるためには、人間の生活する環境からクリーンアップすることが必要だと考えています。
 
環境汚染を考える上で、真っ先に取り組むべき問題は「土壌汚染」です。
土は、私たちが毎日食べる植物性の食べものをはぐくむ大切な場所です。
土壌の汚染は食べものの汚染に直結します。
 
それに、大地が生み出すのは、作物だけではありません。
天から降ってきた水を浄化し、適度なミネラルを与えてふたたび生み出してくれるのも大地です。
つまり土壌は天然の浄水器でもあるのです。
 
大気を浄化してくれるのも、広い意味では大地です。
大気を浄化する木々は大地によって育まれ、大気の汚れを洗い流す雨も大地を循環することで浄化されているからです。
 
すべては大地を循環することで、浄化されているのです。
 
地球上の生物も、本来はすべて土壌を媒体とした循環システムの中にあります。
大地が育む植物を動物が食べ、その動物が出した排泄物が大地に戻り、大地によって分解され、肥料となって植物の成長を助ける。
今、人間はこうした循環のサイクルから外れてしまいましたが、本来は私たちも大地に帰るべき存在なのです。
 
生物の循環、水の循環、大気の循環、すべてに大地が関与しています。
そして、こうした循環を可能にしているのが、土壌の中に生きる土壌細菌たちの存在なのです。
 
私たちの体の中に微生物がたくさん住んでいるように、土壌の中にも微生物がたくさんすんでいます。
そして彼らが働くことによって、地球の循環システムは成り立っているのです。
 
地球は微生物の星だといっても過言ではないほど、ありとあらゆる場所に微生物が生息しています。
 
上は上空1万メートル以上から下は地下数千メートル、海底では深さ1万メートルを超えるくらいまで、一般的な動植物では生存できないような苛酷な環境にも微生物はたくさん生息しています。
さらに、すべての動植物の中にも、微生物は寄生・共生という形で存在しています。
 
つまり、私たちは微生物の海の中で生きているようなものです。
 
微生物の中で生きている私たちは、その影響を強く受けています。
実際、腸内細菌のバランスが少し崩れただけでも、下痢や便秘をしてしまいます。
最悪の場合は、微生物のバランスの変化は、さまざまな病気にまで進行してしまいます。
 
じつは地球も人間の体と同じなのです。
 
地球上に存在している微生物のバランスが崩れれば、地球の循環システムは狂い、地球自体が病気になってしまいます。
環境汚染は、大地に生きる微生物の汚染でもあるのです。
 
文明が進み、医学はたしかに進歩しているのですが、それとは反比例するように、難病・奇病といわれる病気に苦しむ人が増えてきています。
1973年の調査では、難病・奇病に苦しむ患者の数は、約1万人といわれていました。
それが2003年の調査では、なんと50倍の50万人にも増えているのです。
 
こうした背景には、電子波やストレスなど、さまざまな現代ならではの要因もあると思いますが、この急激な難病・奇病の増加には、環境汚染、微生物汚染が深く関与しているのではないかと私は危惧しております。
 
地球の土壌を汚し、微生物のバランスを壊し、地球を病気に追いやっているのは、私たち人間です。
 
農業では農薬や化学肥料を大地に撒き、また工場では化学物質を含む汚水を垂れ流し、処分できないものは大地に埋め立てて、ありとあらゆる汚染物質を大地に押し付けてきたことを、私たちは深く反省しなければなりません。
 
人間は自然から多くのことを学んできましたが、まだまだ知らない自然の摂理はたくさんあるはずです。
自分たちの科学ですべてが解明できると思うのは、とんでもないおごりです。
 
もっと自然の摂理に畏敬の念を持ち、微生物に対する感謝と思いやりの心を持つべきではないでしょうか。
 
「地球が病気にならない生き方」をすること。
それこそが、本当に「人間が病気にならない生き方」に通じているのだと思います。
 
 
●微生物との共存がエンザイムパワーを向上させる
 
微生物は、生命のサイクルが短いので、環境変化や外的な刺激によって、非常にすばやくその性質を変化させます。
 
病原菌の例ですが、抗生物質に対する耐性をもった菌「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」も、黄色ブドウ球菌が何度も抗生剤に接したことで、抗生剤に対抗できるよう自らの性質を変化させた結果生まれたものです。
いうなれば、人間が抗生剤を与えることで作り出してしまったモンスター菌なのです。
 
環境に悪影響を及ぼすもの、毒性のあるものを、人間がどんどん土壌に押し付けていけば、土壌細菌はそれに対抗しようとして自らの性質を変えていくことでしょう。
そうして生まれた菌が人体のどのような影響を与えるかは、まだ未知数です。
もしかしたら、MRSA以上のモンスター菌を作り出してしまう危険性だってあるのです。
 
現在、難病・奇病が増え続けている原因の一つに、こうした菌の変化が影響しているのかもしれません。
 
そうした危険性を少しでも低くするためにも、私たちはできるだけ自然の摂理に合った方法で汚染物質の処理、毒物の分解をするよう、考え方を切り替えていくことが必要だと思います。
 
では、自然はどのようにして毒物を分解しているのでしょう。
 
それも私たちの体と同じです。
エンザイムで毒性のないものにまで分解していくのです。
土壌でその役目を担っているのは、さまざまな土壌細菌たちです。
しかも、そうした解毒は、たいていの場合、単独の微生物が行うのではなく、複数の微生物が連携することで大きなパワーを生み出して、行っていると考えられます。
 
こうした複合微生物が生み出すエンザイムのパワーに注目し、最近では自然界の微生物を上手に使った、人体にも自然界にも無害な製品がいろいろ開発されてきています。
 
それは、化学薬品を使わず、何百種類という有用菌を培養して作り出した複合微生物の生み出すパワーを活用するものです。
このパワーは応用範囲が広く、土壌改良に役立つだけでなく、生活の中のさまざまな汚れを分解することにも役立ちます。
 
現在、家庭や工場から出た汚水は、下水を通り、処理場で微生物によって処理され、消毒用の塩素が加えられ自然界へと戻されるのですが、このとき、汚水に界面活性剤などの化学薬品が多く含まれていると、処理に使う微生物を殺してしまったり、その働きを弱めたりしてしまって、うまく処理ができなくなってしまうことがあります。
 
その点、複合微生物を使った製品は、微生物を殺すことなく、むしろ処理場の微生物たちとも連携して、解毒・浄化作用を高めていくことができるといわれています。
 
人間は、自分たちにとって有用か否かで、物の価値を決める傾向があります。
たとえば、私たちの腸内細菌も「善玉菌」と「悪玉菌」に区別し、悪玉菌は悪者扱いされます。
 
しかし、実際には悪玉菌も人体にとっては必要不可欠な菌なのです。
腸内のバランスを保つ上で、悪玉菌が増えすぎるとよくないということだけで、なくなっては困る有用菌のはずです。
 
自然界にいる虫も、人間にとって有益でないものは害虫と呼ばれ、植物も、食べられないもの、無益なものは雑草と呼ばれます。
人間がそうした自分本位な考え方をしているかぎり、自然を友とし、微生物と共存することはむずかしいでしょう。
 
私たちの健康維持のために、多くの微生物が関与しています。
その菌たちも、もとをただせば自然界にあったものが、食べものや呼吸によって体内に取り込まれ、住みついたものです。
 
多くの種類の菌が私たちの体の中に共生していることがわかっていますが、どのような菌がどのようなエンザイムを出し、私たちの健康に貢献してくれているのかは、まだほとんどわかっていません。
 
日本人は世界的に見ても驚くほどきれい好きな国民です。
きれい好きなのはよいのですが、度を越した除菌・滅菌は、かえって自らに必要な菌まで死滅させてしまう恐れがあるので、除菌・滅菌のしすぎはじつはとても危険なのです。
 
自然界の菌をむやみに殺すことは、自分たちの健康を損なうことにつながります。
微生物たちのもつパワーを大いに活用し、私たちの体の中の微生物も、充分なパワーを出すことができる環境を作っていくことが、環境破壊が叫ばれる今こそ、大切なのではないでしょうか。
 
 
●ピアニストは、なぜみんな長生きなのか?
 
「医者の不養生」という言葉がありますが、どうも私の周りを見回しても、ドクターには早くから病気を患ったり、定年後のことばかり考えて、早く老け込んでしまったりする人が少なくないようです。
 
医者は肉体的にも精神的にもとてもハードな仕事なので、エンザイムの消耗が他の職業に人より激しいせいかもしれません。
 
そんな医者とは対照的に、長生きの人が多い職業もあります。
その代表が音楽家です。
世界的な指揮者やピアニスト、ヴァイオリニストなどは、世界中を演奏会で飛び回っているにもかかわらず、高齢でも元気で若々しい方がたくさんいます。
 
なぜ音楽家に長生きの人が多いのでしょうか。
 
この問いに、「指先を使っているから」と答える人がいます。
たしかに指先の運動は脳を刺激するので、脳内エンザイムの活性化に役立ちます。しかしそれだけの要因で長生きになっているとは思えません。
 
指先の運動だけで長生きできるのであれば、音楽家でなくてもタイピストや細かい作業をしている人たちも長生きになるはずだからです。
医者だって、外科医は繊細な指先の技術が要求される仕事なので、長生きになるはずです。
 
なぜ音楽化が長生きなのでしょう。
これには、心の問題が大きく関わっていると、私は考えています。
私も趣味でフルートや他の楽器を演奏しているのでわかるのですが、音楽を楽しむのはとてもよいストレス発散法といえます。
楽器を奏でるだけでも充分楽しいのですが、練習して上手に演奏できるようになると、なんともいえない幸福感に包まれます。
 
私は仕事が忙しいので、どうしても夜遅くになってから出ないとフルートの練習時間が取れません。
体も疲れているし、眠くもなっているのですが、フルートを吹き始めると、ゆったりとした気分になり、深い幸せを感じます。
 
そして1時間ほど練習して、幸せな気持ちのまま眠りにつくと、エンザイムパワーが高まっているためでしょう。
睡眠時間が短くても、すっきり元気に目覚めることができるのです。
逆に、疲れたからと、フルートの練習もせず、今日は大変だったと思いながら休むと、翌日の目覚めもあまりよくありません。
 
現代医学では、体と心を別のものとして考える傾向がありますが、両者は決して分けて考えられるものではありません。
いくら体にいいことを実践していても、心がネガティブであれば、エンザイムパワーを充分に引き出すことはできません。
 
大切なのは心から楽しむことです。
これは音楽に限らず、食事も運動もすべて同じです。
 
よく体に良いものを食べたとき、「からだが喜んでいる気がする」という人がいますが、それは正しい感覚です。
あなた自身がおいしいと思って楽しめば、体の中の微生物も細胞もすべて一緒になって喜び、エンザイムパワーを高めてくれます。
 
運動も心から楽しい、気持ちがいいと思える範囲で続けると、体に与えるよい影響は、何倍にも増えます。
 
つまりエンザイムパワーを高める最もよい方法は、体に良いことを、心から楽しみながらすることなのです。
 
体に良いことの基本は「7つの健康法」にすべて集約されているので、ぜひ心から楽しみながら実践していただきたいと思います。
それがエンザイムパワーを高め、若々しさをいつまでも保つ、最も効果的な方法です。
 
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
mail :m.ikeda@ninus.ocn.ne.jp

池田 優

 

 

◎ ご意見、ご教示はこちらまで    掲示板も御座います。是非ご利用下さい。→ 掲示板

最新号へ戻る