山ちゃんの食べもの考

 

 

その221
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【78】
 
『食は生命なり』と「新谷弘実」 その44
 
新谷弘実著 『病気にならない生き方』  若返り編の10
《心の若さとみずみずしい体を手に入れる法》
 
 
第4章 心が若返れば、体も若返る  2
 
●心はとてつもなく大きな力をもっている
 
体の持久力やスタミナのことを一般に体力といいますが、体力の源となるのはじつはエンザイムパワーではないかと、私は考えています。
エンザイムパワーが衰えると体力も衰え、エンザイムパワーが回復すれば体力も回復するという関係です。
 
そして人間が生きていくうえで体力がとても大切なものであるように、心にも「心力」というものがあるのではないか。
そんな風に思えてならないのです。
 
心はとてつもなく大きな力を持っています。
 
私が医者になれたのも、私が医者になりたいと思ったからです。
私が本を書いたのは、本を書いて多くの人に大切なことを伝えたいと私の心が思ったからです。
 
第1章で、若々しく見える人は、若々しくありたいと望んでいる人だという話をしましたが、これも「心力」の一つの現れです。
「心力」は、体の状態に関係なく、瞬間的に出すことができます。
自分の気持ちを明確にして目標を定めれば、誰でもその瞬間に発揮できるパワーだということです。
 
私の言う「心力」は「気力」とは少し違います。
気力というのは、もっと体に根ざした、どちらかというと「生命エネルギー」に近いものです。
それは人間だけでなく、動物にも植物にも備わっているものです。
 
そして、体力や気力は、自分ひとりでも養うことができます。
一人で黙々とトレーニングを行えば体力はつきます。
瞑想や精神統一、自分にとっての目標を掲げることで、気力は掻き立てることはできます。
 
しかし、「心力」はじつは一人では養うことはできません。
「心力」は心を開き、自分の中の愛情を周囲の人たちに注ぐことで大きくなる「愛のパワー」だからです。
「心力」が大きな力を持っているのは、「愛」に根ざしているからなのです。
 
先ほどの「若々しくありたい」と言うのも、じつは自分のためのものではありません。
その証拠に、無人島で、一人で暮らす人間は見た目など気にしないでしょう。
 
私の場合であれば、健康医学・予防医学の医師として、患者さんたちから信頼を得るためにも若々しくあることが必要なのです。
現役の女優さんや大統領が若々しさを大切にするのも、自分達が多くの人から「若々しくあること」を期待されていることを知っているからです。
 
誰かのために願うこと、人と理解し合おうとすること、愛と思いやりがあって初めて、「心力」は発動します。
 
「おばあちゃん、いつまでも元気でいてね」という孫のひとこと、「お前を信じているよ」という父親の言葉、「あなたを愛しています」という恋人の告白によって、「心力」がかきたてられ、疲れがウソのように払拭された経験は、誰もがしていることと思います。
 
恋をした女の子が、みるみるきれいになっていくのも、「心力」のおかげです。
若い女性と結婚した初老の男性が、見違えるほど若々しくなるのも、妻のために若々しくありたいと強く欲するからです。
 
絶望視されていた病気の人が、奇跡的な回復を見せることがありますが、それには必ずといっていいほど、その人の「心力」をかきたてる、周囲からの愛、または周囲への愛が存在しています。
 
おそらく、愛の力によって、エンザイムが活性化し、その人の体が秘めていた治癒力、回復力が極限まで引き出されるのでしょう。
そこで見せる治癒力・回復力は、医師の目から見ても、体力や医学の力より、何倍も強いのです。
 
皆さんには、「この人のために」という愛を注げる人が何人いるでしょうか。
多ければ多いほど、「心力」は強く発動します。
 
もしも、愛を注げる人が少ない、またはいないという人がいたら、それはあなたが周囲の人々に心を開いていないことを意味します。
自分から人に心を開き、ほほえみかけ、愛のある言葉を伝えるようにしてください。
 
 
 
●リタイアをポジティブに捉えない人は若返る
 
私は72歳のいまでも、友人をもてなすときや家族をいたわるときに、よくキッチンに立ちます。
 
私が始めて台所に立ったのは、小学校に入学したときのことでした。
体の弱い母が毎朝早く起きて、私達姉弟のお弁当を作ってくれているのを見て、少しでも母を助けたいと、朝のごはん炊きをするようになったのです。
 
いまではお米をといで、目盛りに合わせて水を張り、スイッチをポンと押すだけでごはんが炊き上がりますが、当時といえば、電気釜はおろか、ガス釜もありません。
薪(まき)を集めて、竈(かまど)で炊くのです。
もちろん火加減はつきっきりで見なければなりません。
 
小学1年生が、初めて竈で炊くのですから、最初の内はもちろん失敗もありました。
でも、失敗しても、母親はけっして怒りませんでした。
そして、焦げたときには炭を使ってにおいを取る方法を、水加減が少なくかたくなってしまったときには杯1杯のお酒を使ってふっくらと蒸し直す方法を教えてくれました。
 
私が食に強い関心を持つようになったのも、料理に楽しさ、食事の大切さを母が教えてくれたおかげだと感謝しています。
 
この毎朝のご飯炊きは、私が小学5年生になるまで、1日も欠かさず続きました。
母もとても喜んでくれ、私は自分の思いやりが報われることの幸せを強く感じました。
母を助けたいという想いが、最後には自分の幸せとなって返ってきたのです。
自分のまわりの人に愛を注ぐと、相手を癒すだけでなく、自分まで癒されるのです。
 
そんな母は、幼い私に毎日のように「野口英世のような立派なお医者さんになってね」といい続けていました。
私がいまも「より多くの人の健康のために」と、仕事に集中できているのは、あのときの母の言葉に応えたいという思いが、強いモチベーションとなっているからです。
 
人生を豊かにするためには目標設定が大切だといわれています。
私の場合でいえば「どんな病気でも治せるような立派なドクターになる」というのが子供のころからの夢でした。
しかし、医者になるという目標を達成してから今日まで、本当の意味で自分を支えつづけてきてこれたのは「母の期待にこたえたい」という、愛に根ざしたモチベーションです。
 
モチベーションにもいろいろなランクがあります。
あなたは何がモチベーションになっていますか?
お金、地位、責任感、時には怒りをモチベーションとする人もいます。
でも、もっとも強いモチベーションとなるのは、私は、永遠に尽きることのない「愛」や「思いやり」の心に根ざしたものだと思っています。
 
たとえば、大統領が任期を終えたあと、急に老け込んでしまうのは、目標達成とともにモチベーションが失われてしまうからです。
大統領になるまでは、まずはその地位に就きたいという思い、そして就いてからはしっかりと責任を果たしたいという思いがモチベーションとなり、その人の人生を支えます。
 
しかし、それだと、任期を負え、責任を果たし終えたと思ったとたんに、モチベーションも一緒に失われてしまいます。
多くのサラリーマンが、定年を迎えたときに老け込むのも理由は同じです。
 
でも、大統領を支えていたのが、「より多くの人の幸せに貢献したい」という愛であれば、たとえ職を辞した後でも、自分のできる範囲で新たな活動を意欲的に行うことでしょう。
「史上最強の元大統領」とマスコミに言われ、ノーベル平和賞を受賞したジミー・カーター氏などは、そのよい見本といえるのではないでしょうか。
 
ですから、リタイアする場合、それをネガティブにとらえられるのではなく、家族のため、自分のため、誰かのために新しいことが始められる時機が来たと、「愛」と「思いやり」の心を持ってポジティブにとらえるようにしましょう。
そうすれば、老け込むことなく、むしろ若返ることさえできるのです。
 
 
 
●「愛のあるセックス」は最高の若返り法
 
日本人はセックスをタブー視する傾向が強いのですが、もっとセックスをエンジョイすべきだと、私は思っています。
なぜなら、セックスは、「究極の思いやりの行為」だからです。
 
アメリカではセックスは「メイク・ラブ(make love)」、つまり「愛をつくる」と称します。
これはとても美しい表現です。
この表現から、彼らがセックスを自分の人生において、とても大切なものとして位置づけていることがうかがえます。
 
一方日本語には、残念なことですが、性交渉を美しく表現する言葉がありません。
それどころか、多くの若者は「エッチ」という実に残念な表現をします。
このエッチの語源には諸説がありますが、最も有力なのは「変体(Hentai)」の頭文字を取ったものだというもの。
愛をつくるのと変体とでは、あまりにも認識が違いすぎます。
 
日本では、子供ができると「愛の結晶」というのに、そこに至る行為を、なぜ健全で愛に満ちたものとしてとらえようとしないのか、私にはとても不思議です。
 
最近日本では、夫婦間のセックスレスが問題になっていますが、その原因の一つに、こうしたセックスに対するネガティブな意識が関係しているのではないでしょうか。
 
アメリカではセックスに関する話題が、ネガティブなものととらえられることは、ほとんどありません。
もちろんTPOはありますが、ゴールデンタイムに放送されているテレビの人気トークショーで、セックスの話題が真剣に取り上げられることもよくあります。
気心の知れた友人同士で性の悩みをシェアしたりすることもあります。
 
健全で愛に満ちたセックスは、その人の人生を豊かにします。
人間として生まれた価値の一つは、「幸福を味わう」ことだと私は思います。
セックスは、その幸福感をもたらしてくれるとても重要なもののひとつです。
 
セックスは決して恥ずべきものではありません。
また、子供をもうけるためだけに行うものでもありません。
男性と女性が、愛する人のために究極の思いやりを持って行うのがセックスの本当の姿です。
 
ですから、年齢も関係ありません。
これは日本人には驚くべき数字かもしれませんが、アメリカのハーバード・ヘルス・レターの調査によると、女性は60代で81%、70代で65%、男性では60代で91%、70代で79%のセックスをしているという結果が出ています。
そして、セックスしていると答えた人の90%以上が、健康状態はとてもいいと答えているのです。
 
セックスは健康とは無関係ではありません。
セックスがホルモンのバランスを整えたり、血流をよくしたりすることは容易に想像できますが、アメリカの女性作家で栄養学者でもあるノーラ・ハイデン氏は、その著書の中で、セックスライフの充実は、女性の老化現象を防ぎ、若さを保つのに役立つとまで述べています。
 
男性について同様の効果が述べられていないのが、私には少し不満なところですが、これは射精によるエンザイムの消耗が関係しているのでしょう。
中国の房中術に「接して漏らさず」という教えがありますが、これはセックスしても射精はしないようにするということです。
若く、エンザイムがありあまっている年代の人は、あまり気にすることはありませんが、中高年以上の男性にとっては、これはとてもよい教えです。
 
むやみに射精することさえ控えれば、男性にとっても、セックスはとても有効な若返り法だといえると思います。
 
誤解されるといけないのですが、私は何もむやみに誰とでもいいからセックスをしなさいと、行為そのものを奨励しているわけではありません。
愛し合いカップル、愛し合う夫婦が、互いに愛情を示しあい、心を開き、人生を健康で豊かなものにしていくために、愛のあるセックスが有効だということを、知っていただきたかったのです。
 
 
 
●「更年期障害」という診断は当てにならない
 
閉経期前後の女性には、めまい、急な動悸、冷や汗、血圧の激しい変動、耳鳴り、腹痛、下痢、微熱といったさまざまな不快な症状が出ることがよくあります。
しかし、病院に行くと、その多くは「更年期障害ですね」のひと言で片づけられてしまいます。
 
更年期障害の原因は、一般的には、閉経後に起きるエストロゲンというホルモンの分泌量が変化するためだといわれています。
たしかに、閉経後にそうしたホルモンバランスに変化が生じることは事実ですが、さまざまな症状が現れる原因は、それだけではないと私は思います。
 
大体、どんな症状が出ても、すべて一様に「更年期障害」のひと言で片づけるのはあまりにもいい加減な診断ではないでしょうか。
私は、それぞれに原因があるから、さまざまな症状が出るのだと思います。
 
更年期障害は、出る人と出ない人がある上、発症する人でも、その症状の程度には大きな差があります。
ホルモンバランスの影響だけが原因なら、これほどのばらつきは見られないのではないでしょうか。
 
この閉経期のころというのは、生理に限らず、体の中のさまざまなものが変化する時期です。
例えば抗酸化酵素として名高いSODの生産量が減少し始めるのもこの時期です。
 
そういう意味でも、この時機はそれまでの不摂生によるダメージが、症状として現われやすい時期だといえます。
 
現在、生活習慣病と呼ばれている病気の多くは、以前は「成人に発症するから」という理由で成人病と呼ばれていました。
それがだんだん若年層でも発症する人が増え、原因を追究していった結果、悪い生活習慣によるものだということが判明し、生活習慣病という名称に改められたのです。
 
私は、更年期障害もこれと同じように、単に更年期だから発症するのではなく、不摂生な生活が原因で発祥している可能性が高いのではないかと考えています。
 
事実、以前は女性にしか発症しないといわれていた更年期障害が、最近では男性にも見られるようになっています。
また、若い女性にも、急激なダイエットの後遺症などで更年期障害と同じ症状が表れることも報告されています。
 
ですから、更年期障害という診断ほど当てにならないものはないのです。
問題を起こしているのは、年齢ではありません。
その人のそれまでの食生活・水の飲み方・排泄の質・生活習慣の良し悪しの結果が表れているだけなのです。
 
これから更年期を迎えられる方も、現在更年期障害で苦しんでいるという方も、今からこの本で勧めている健康法を実践して生活改善を行ってください。
 
体の中にミラクル・エンザイムと水分が十分にあれば、ホルモンの変化もスムーズに進行していきます。
本当に健康な人は、更年期障害になることなどないと、私は確信しています。
 
 
 
●病気になりやすい性格、なりにくい性格
 
私は、患者さんと直接お話しをする問診の時間を、できるだけ長く取るように心がけています。
食歴の調査も、たいていの場合、自分で聞き取ります。
 
大勢の患者さんが待っているのに、冗談を交えながら長々と話をしている私に、「先生、食歴の調査なら、私がやりますから」とナースにいわれたこともあります。
でも、私はたんにデータをとっているだけではないので、これも診療に必要なことだからといって、自分でやりつづけています。
 
なぜ私がこういうことをしているのかというと、いろいろな話をすることで、相手の性格や体質がわかるからです。
 
例えが、コロノスコープの検査を行う場合、患者さんの精神的、肉体的負担を軽減するため、私のクリニックではプレメディケーション(前投薬)を行っています。
これは麻酔とは違うのですが、体をリラックスさせ、軽い眠りを誘います。
 
検査が終わった後、検査結果をお話しながら「プレメディケーションはいかがでしたか?」と必ず聞きます。
そのとき「ええ、とっても気持ちよかったです。こんなラクで気持ちがいいなら、また受けたいですね」と答える方がいるのですが、じつはこういう方は要注意なのです。
なぜなら、プレメディケーションを気持ちいと感じる人は、薬物やアルコール依存になりやすい人だからです。
 
ですから、そういう方は、つぎのプレメディケーションでは使う薬の量を減らしたり、なにか病気になったときでも、薬の処方には細心の注意を払うようにしています。
 
薬物依存になりやすい方は、アルコール依存にもなりやすいので、食歴を聞くときにも注意して聞き出すことが必要です。
頭ごなしに「アルコールは絶対にダメです。すぐにやめてください」などというと、量を少なくごまかして申告する人もいるからです。
彼らも心の仲では、体に良くないということがわかっているので、相手の態度や反応を見て答えを変えてしまうのです。
 
正確なデータを知るためにも、相手の性格や体質を知ることはとても大切なのです。
 
こうして、いろいろな性格の方にたくさん会っているうちに、性格と病気には大きな関係があることがわかってきました。
 
私の経験に基づく印象で葉、明るくポジティブな人は深刻な病気にかかることは割と少なく、ネガティブで細かいことにこだわるタイプの人は、病気になりやすいようです。
 
ここでは参考までに、イギリスのアイゼンク博士が発表した、性格と秒煮に関するデータをご照会しましょう。
 
【タイプA】 攻撃型
負けず嫌いでがんばり屋。
勉強や仕事に熱心で、いつも時間に追われている感じがあり、ゆっくりくつろいだ時間をもてないタイプ。
対人関係においては自己主張が強く、強い競争心をもちやすい。
無理をしてでも努力をする傾向が強く、ストレスをため込みやすいために心臓病や高血圧、脳卒中などで死亡する確率が高いといわれている。
 
【タイプB】 バランス型
中庸を保つことができるのが特徴。
時間に対しての切迫感をあまり覚えることがなく、欲望や野心にそれほど執着することもない。
24時間すべてがすべてが仕事という生活は好まず、よい意味でのんきな性格。
 
【タイプC】 ガン型
自分の感情を抑えがちで忍耐強い。
悲しみや不安を感じても表情に表すことが少なく、自分の中に抱え込んでしまうタイプ。
周囲との調和を優先する「いい人」にこのタイプが多い。
感情を抑えるとストレスがたまりやすくなるため、うつ状態に陥りやすく、結果として免疫力を低下させ、ガンになる確立が高い。
私もアイゼンク博士のこの分類法におおむね賛成です。
さて、あなたはどのタイプだったのでしょう。
 
 
 
●いまからでも決して遅くはない
 
たまに、「あれほど健康に気を使っていたのに、なぜあんな病気になってしまったのだろう」といわれてしまう人がいます。
 
ふだんから健康のための運動を心がけ、食べものは有機栽培の野菜、水は浄水器を通し、サプリメントを何種類も飲んで、ひたすら病気にならないようにしていた「健康オタク」のような人が、ガンになったような場合です。
 
私の患者さんの中にも、一生懸命取り組むあまり、「そこまで神経質にならなくても大丈夫ですよ」とアドバイスしてしまう人がいます。
こうした人が病気になってしまうのは、生活習慣や食生活における不摂生が原因ではありません。
彼らが病気になってしまった原因は「心の不摂生」です。
 
心に問題を抱えている人は、いくら体をメンテナンスしても、本当の意味での健康にはなれません。
心配、不安、悲しみ、ねたみや怒りといったマイナス感情は、エンザイムパワーを低下させてしまうからです。
 
人が健康になるためには、「幸せ」を感じることが必要なのです。
アンチエイジングも同じです。
体のケアも大切ですが、心のケアはそれ以上に大切です。
ですから私は、嫌なこと、やりたくないことは一切しません。
それは仕事でもプライベートでも同じです。
 
「先生はドクターだからそんなことは言えるが、サラリーマンの自分は、時には嫌なことでもしなければならないことがあるんです」
こんなふうにおっしゃる患者さんもいますが、本当にそうでしょうか?
 
きちんと出すべき結果を出していれば、評価してもらい、好きなことができるようになるはずです。
きちんと評価してくれない、やりたくないことを強制されるというのであれば、転職も一つの方法です。
 
私だって最初からいまのような立場にあったわけではありません。
大学病院での下積みも経験しています。
それでも嫌なことはしませんでした。
その代わり、自分の満足のために、自分の幸せのためには、人から何も言われなくても、人一倍野努力をしました。
 
それはまだ私が、医大を目指して勉強していた18歳のときのことです。
何気なく聴いていたラジオ番組で、相撲の横綱が「横綱になるには右投げも左投げもできなくてはなりません」と語っていたのです。
 
すでに外科医になると決めていた私は、その話を聞いて「よい外科医になるためには右手でも左手でもメスやハサミが使えなければならない」と思い立ち、それから毎晩、紙に書いた線のうえを正確に切ったり、塗ったり、注射したりする練習を、左右両方の手が完璧にできるようになるまでしました。
 
このとき身につけた技術は、後にレジデント(研修医)として働いたアメリカの病院で、周囲の外科医から「ミラクルハンド」と賞賛されることになりました。
 
また、私は今でも毎晩のように英単語のテープを聞きながらベッドに入ります。
これはふだん使わないような難しい単語を忘れないようにという目的もあるのですが、何十年も続けることができているのは、このテープの発音がとてもきれいで、聞いているのが楽しいからなのです。
 
フルートの練習をするのも、ゴルフに行くのも、新しい医学のレポートを読み、日々研究するのも、すべては楽しいからです。
 
ですから、健康維持も、アンチエイジングも、それ自体を目的にするのは、おすすめしません。
人生を豊かにし、健康な体で愛する人と人生を楽しむ手段として、健康法やアンチエイジングはあるのです。
 
同じ肉を食べるのでも、「本当は胃腸によくないんだよね」と罪悪感を持ちながら食べるのと、心から「ああ、おいしい。幸せ」と思って食べるのとでは、体に対するダメージが全く違います。
 
愛に根ざした「心力」のパワーは絶大です。
たとえいまあなたが病気だったとしても、すでにさまざまな老化現象が現れていたとしても、「心力」を呼び覚まし、体にいいことを続ければ、必ずよい変化が表れます。
 
しかし感情や心をつねに高い位置で維持することが、実際、簡単ではないのも事実です。
ちょっとしたひとこと、些細な出来事で、私たちの感情は落ち込んでしまいます。
でも、体にとって大切なのが、長い目で見たときのバランスのよい食事であるように、心も時には落ち込んでも大丈夫です。
 
一番よいときの自分の心、ハッピーなときの心を記憶しておき、つらいことがあった日は、「たまにはこういう日もあるさ。でも明日はきっといい日になる。自分は幸せだ。自分は大丈夫」と自分で自分の心をハッピーな方向に向けていけばよいのです。
 
今からでもけっして遅くはありません。
あなたのエンザイムパワーが最も高まるのは、愛し、感謝し、喜び、楽しんでいるときだということを心に刻み、幸せで楽しい人生を愛する人と味わう努力をしていただきたいと思います。
 
そして、心の若さとみずみずしい体を取り戻し、これからの人生においてますますご活躍されることを心から願っています。
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
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池田 優

 

 

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