山ちゃんの食べもの考

 

 

その228
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【85】
 
南清貴著   講談社インターナショナル刊
『究極の食』  より その7
 
 
第2章 食べることで身体を壊す現代人
より その2
 
● 加工食品ーー食品添加物
 
我々の日常の食の問題の大半は加工食品にあります。
どんなにきちんとした食事をしていても、加工食品を食べてしまうとバランスはすぐに崩れてしまいます。
 
お付き合いでビーフジャーキーを少し食べました、ウインナーソーセージを3本食べました、それぐらいはよいとしてもコンビに弁当やカップラーメンみたいなもの、菓子パンの類を毎食のように食べるのは見直すべき食生活です。
 
我々はやはり、通常の食事のなかから本来は身体に入れてはいけないものを相当量取り込んでいるという事実を見過ごしてはならないと思うのです。
 
日本人は、食品添加物を1日に1人平均11g摂取しているといわれています。
1年に換算すると1人4kg、驚くべき数字です。
 
最近は、死体がなかなか腐らないという話を聞きますが、それだけ防腐剤が身体の中に溜め込まれているということではないでしょうか。
本当に根深い問題だと思います。
 
近頃、コンビニの弁当でもおにぎりでも、「保存料、着色料無添加」と表示されたものが結構増えました。
喜ばしいことのように思いますが、これは保存料と着色料が無添加というだけで、裏を見ますと必ずペーハー(pH)調整剤というものが入っています。
ペーハー調整剤とは、酸性・アルカリ性を調整することで食品の日持ちをよくしたり、味を調えたりするものです。
 
ペーハーは7が中性で、それより数字が低くなると、酸性度が高くなる。
食品はペーハー4から5ぐらいに調整しておくのが一番腐りにくいのです。
ですから製造業者にとっては、ペーハー調整剤は非常に便利な添加物です。
ご飯もおかずも何もかもペーハー調整してあります。
酸性化してあるということです。
それを継続的に食べるとどのようなことが起きるのでしょう。
身体が酸性に調整され養いだろうか、という問題を喚起したいのです。
 
ペーハー調整剤というのはいわゆる加工食品といわれるものにはほとんど入っていますし、コンビニの食品にはかなり大量に使われている。
すべてそれは私達消費者のために使われているのではありません。
保存料もそうですが、売り手側の利便性のために、作ったものができるだけ長い時間売れるように使われているだけです。
 
物質名では、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸というようなもので、どれも工業的に作られた薬品です。
中でもリン酸は、リン酸塩同様、物質そのものが骨の形成に悪影響を与えることがわかっています(リン酸塩は、決着剤として安手の蒲鉾や竹輪のような練り物製品、ハム、ウインナーといった肉加工品に相当大量に含まれています)。
 
ペーハー調整剤は冷凍食品にも製品を安定させるために大量に入っていますし、意外とすごいのは、ジャム類。
もちろん、ペーハー調整剤を使わずにきちんと作られている加工・冷凍食品もありますので、そこは混同しなように、表示で確認することが大切です。
 
もう一つ、日常的に使われているもので危険なものを挙げておきます。
コーヒーフレッシュと呼ばれる、コーヒーに入れるミルク様のものです。
知っている人も多いと思いますけれども、非常に安価な植物性油脂と水と乳化剤が主たる成分です。
 
乳化剤は、別名界面活性剤ともいい、要するに油の分子を細かくして乳化してしまう化学薬品。
これにペーハー調整剤が入っているのです。
 
ペーハー調整剤以外にも、遠ざけた方がよいものはたくさんあります。
防腐剤、殺菌剤などは腸内菌叢をバラバラにしてしまう物質です。
腸には無数といってもいいほどの菌が群がっていますが、群がっていてくれることで健康を保つことができるのです。
 
腸内菌叢から作り出される酵素で食品の分解が行われ、エネルギーの源になるというサイクルが繰り返し休みなく行われている。
腸内細菌をバラバラにするということは、その働きを妨害することです。
 
農薬も、正しく少量使われていれば問題ないという説もありますけれども、とらないにこしたことはありません。
本当に正しく使われているのかどうかわかりませんし、輸入食品では、日本で使用が禁止されている農薬が検出されることもしょっちゅうです。
ということは何を薬として使っているかわかりません。
 
また、魚や動物に大量に使われている抗生物質も問題です。
抗生物質は、風邪を引いたときなどに処方される薬ですが、できるだけ飲まないほうがいいというのが私の主張です。
飲むと下痢をしたり、その後に重度の便秘になるというようなことがまま起きます。
それは、抗生物質が腸内菌叢をバラバラに断ち切ってしまうからなのです。
 
ハム、ソーセージによく使われる亜硝酸ナトリウムも恐ろしい薬品です。
色をきれいにするための発色剤ですが、肉、魚のたんぱく質と結びついて胃酸と混じると、ニトロソアミンという強力な発ガン物質を作り出すことが科学的に証明されています。
 
色鮮やかなハム、ソーセージを食べることは、すなわち胃の中で強力な発がん物質を作ることになるのです。
 
2007年8月現在の情報ですが、わが国で認められている食品添加物は、約1500品目あります。
全体では、指定添加物、一般飲食物添加物、あるいは天然香料などと様々に分類されていて、それぞれ単体で安全性が確認されているということで認められています。
 
それはつまり、A社で使った添加物と、B社で使った添加物が身体の中で合わさったときに、消化液の作用でどのような化学反応を起こすかということは、確かめられていないというようことです。
身体の中では何が起きているかわからないのです。
 
基本的に、食品添加物は消費者のためではなくメーカーのためにあるものです。
毒性試験であるとか、生物学的試験の試験のデータがデータがきちんと提出されているから使用を認められているのですが、でも、その、そのデータというのは、実は、許可申請する側の企業が出しています。
 
申請する企業がマイナスのデータを出すでしょうか。
私達には自分を守る権利もありますから、そういうデータが本当に正確な、真実を示すデータなのか、少しは疑ってかからないといけないのではないでしょうか。
 
ましてや、今ではその添加物自体も、国産から中国山に変わりつつあります。
中国製の食品添加物は純度が低く、品質が悪いという評価が食品メーカーの間ではささやかれていますが、ビタミンCとして使われるアスコルビン酸を例にとると、2000年には997トンの輸入量だったのが、2006年には5163トンと、わずか6年の間に5倍以上に増えています。
 
国産では平均すると一キロ1400円ぐらいするものが、中国製では同じ一キロで1000円前後、送料を入れても中国産の方がぐんと安いですから、こちらの需要が高まるわけです。
 
これがサプリメントとして、またペットボトルの栄養ドリンクなどの酸化防止剤として広く使われています。
ほかにも、乳化剤や、増粘多糖類など、中国産食品添加物は圧倒的な量で増えています。
 
こういったことは、安くなければ買わない、色がきれいでないと買わない、というような消費者側の問題も非常に大きいのです。
選択基準として、自分達の身体のことよりも、売られているものの価格や色みなどのほうが優先される。
それで生活している以上、生産者側はやはり売れるものを作ります。
 
結果として、化学薬品、食品添加物がここまで使われ続けているということを、一消費者としてそれぞれが自覚を持つべきだと思うのです。
正しい食品、自分にふさわしい食品を選んで勝って食べるとは、どういうことなのか。
 
冷蔵庫を開いてみて、マーガリンとショートニングがあったら廃棄処分、コーヒーフレッシュのようなものがあったら廃棄処分、色鮮やかなハム、ソーセージが合ったらこれまた廃棄処分と、冷蔵庫の中をいったん整理するぐらいの覚悟が必要なのです。
 
 
 
● 加工食品――過酸化脂質
 
加工食品の危険性としてもう一つ触れておきたいのは、過酸化脂質のことです。
加工された食品は油で処理されているものが非常に多く、市販の弁当等も、おかずは揚げ物が多いです。
揚げ物を食べるということは、トランス型脂肪酸の問題に加え、過酸化脂質を摂り込む危険性の問題もあるのです。
 
過酸化脂質は広義の活性酸素で、体内で大変な毒性を発揮しますので、できるだけ早く無害化するために、私たちの身体は酸化を食い止める抗酸化物質を総動員して働き始めます。
 
しかし本来、抗酸化物質というのは、より活性の強い狭義の活性酸素(フリーラジカル)の害を除去するため、あるいは、炎症が起きたときに速やかに食い止める、といった方向に働かなければならないものです。
 
過酸化脂質を取り込むと、それを無毒化するための作業のほうが優先されてしまいますので、抗酸化物質がなすべき本来の働きができなくなってしまい、結果的に健康のレベルがダウンしてしまう。
それが続くと疾病の状態になるのです。
 
高温で揚げた食品はたんぱく質が変性していることが多いので、その害を受ける可能性もあります。
 
通常、揚げ物は180度前後で揚げますが、160度以下で揚げたものと、170から180度で揚げたものとでは変性の度合いが大きく違います。
 
カラット上げたものの方がよく売れますから、170度、180度どころではなく、もっと高温で揚げられている可能性もあります。
知らず知らず、私達の身体には大量の過酸化脂質とともに、熱変性を起こしてしまったたんぱく質が入ってきているのかもしれません。
 
高温による変性の問題はたんぱく質だけではありません。
例えばじゃがいもが含んでいるでんぷんを高温の油で揚げると、アクリルアミドという発ガン性の疑いを強く持たれている有害物質が発生してしまいます。
 
ポテトチップスとか、フライドポテトとか、そういうものから、我々はアクリルアミドを取り込んでいるのです、
揚げ物には私達の健康を脅かす物質が多く含まれているということも認識してもらいたいと思います。
 
コラム(3) オーブンとアクリルアミド

ジャガイモを高温で揚げるとアクリルアミドが発生するなら、オーブン料理はどうなのだろう、と疑問を持つ人もあるかもしれません。

オーブンでは、200〜250度といった温度で調理しますから確かに高温です。
ただ、それは設定温度であって、庫内は空気や食品から蒸発する水分で満ちているため、高温の油が直接食材に触れるのとは意味合いが少し違います。

ベークドポテトの場合にはアルミ箔などにくるんで蒸し焼きのようにしますし、ジャガイモのグラタンなら、ジャガイモの周りにホワイトソースや生クリームなどが絡まっています。
多少はアクリルアミドも発生するかもしれませんが、揚げ物の比ではありません。

特にポテトチップスの場合は、ジャガイモを薄くスライスしますので、高温の油とじかに接しない部分がないためにアクリルアミドの発生度が高く危険なのです。

オーブン料理で発生する程度の有害物質でどうにかなるような人間の身体ではありませんから、安心してオーブンは使ってください。
 
 
 
● 手近な食にひそむ危険ーーコンビニ食品
 
コンビに食品には、外国から調達した低コストの品質の悪い食材に、保存料、着色料など添加物を大量に使用した加工食品が多いのですが、その危険性に対して、世間ではあまりにも無頓着なのではないかと危惧しています。
 
ご飯を炊く水にも保存料、防腐剤などの薬液が使われていますし、消毒液が散布されたりもしています。
 
現代人は野菜の摂取量が足りないのではないかという情報が行き交かっていて、どうやらそれに思い当たる人も多いらしく、コンビニ、スーパー等ではサラダが売れているそうです。
しかし、コンビニのサラダを食べても野菜不足は補えません。
 
コンビニのサラダはカットされた野菜が次亜塩素酸ソーダという殺菌剤につけられています。
業界では略して「次亜」と呼びますが、要するに漂白剤です。
 
次亜塩素酸ソーダは強力な酸化作用があり、細菌の細胞を透過して菌体成分を酸化破壊するのですが、同時に人間のDNAに損傷を与える可能性も否定できません。
消化器内の有用な腸内細菌も破壊してしまいます。
 
また、臭気が強く、それを消すために何度も野菜を水で洗浄することになります。
そもそも野菜の栄養素というのはほとんどが水溶性のものですから、薬液につけて、そのあと何度も水洗いすれば、パックされた時にはほとんど栄養分は流れてなくなっています。
 
それだけならまだしも、洗浄でヘナヘナになった野菜をシャキッとさせるために別の薬剤も使われていますので、その危険性まで併せて考えれば野菜不足だといってコンビニのサラダを食べると、野菜不足は補えないで、毒物だけ摂取するというバカバカしいことになるのです。
 
なおかつ、いわゆるそのカット野菜も輸入品が多く、カットして洗浄された上で日本に入ってくる。
そこでは日本で禁止されているような薬剤が使われている可能性もあります。
カット野菜は加工品ですのでチェックなしなのです。
加工品は書類だけの審査で済みますし、その書類も一回提出すると有効期間があってその間はノーチェックです。
 
ためしに新鮮な野菜を洗ってカットし、冷蔵庫においてみてください。
レタスなどはすぐに酸化して赤くなります。
コンビニやスーパーに並んでいる生野菜は全然劣化しません。
何を使っているのかということです。
 
色鮮やかな漬物などには合成着色料が使われています。
合成着色料とは、タール色素と呼ばれるものですけれども、これが最悪なのです。
消費者が鮮やかな色を好むので使われるのですが、タール色素はメチルニトロソ尿素という大変な有害物質を体内で作ってしまいます。
 
メチルニトロソ尿素は、脳の前頭葉に影響を及ぼすことがわかっています。
前頭葉はご存知のように脳の中でも感情とか情緒とか、人間らしさ、みたいなことを制御している部分です。
ここは化学薬品に犯されやすい部位であるようで、そこに直接作用を及ぼして、人間らしい行動を取るための判断を狂わせてしまう可能性があるといわれているのです。
 
石油から取り出したものですから、コールタールと大雑把な意味では同様の分子構造を持っており、発ガン性もあります。
 
コンビにだけが悪いのではなく、タール色素や保存料やらを大量に使った製品はいたるところで売られています。
ただ、子供達が何も知らずにコンビニで買い食いしているのを見ると、とても複雑な思いにとらわれます。
 
親達は、子どもに勉強させようと思って高いお金を払い、塾に通わせる。
塾に通えばお腹もすくだろうとお小遣いを与えるのでしょうが、そのお小遣いで、子供達は脳を壊す物質をコンビニで一生懸命とっているのですから。
 
私も便利に、まさしくコンビニエンスな使い方をしていますので、決してコンビニを敵視しているのではないのですけれども、安いものを買い求める消費者の側に、安さの裏で何が起こっているかを気付いて欲しいと思っているのです。
 
加工食品を日常的に食べている今の子供、青年の世代がこのまま壮年期を迎え、老年期を迎えたときに、病気であろうが、なかろうが、今のお年寄りと同じレベルの長寿を誇っているかどうか、甚だ疑問です。
 
「知る」ことが、食のあり方を見直す一つのきっかけになってくれれば、と切に期待をしています。
 
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

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池田 優

 

 

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