山ちゃんの食べもの考

 

 

その232
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)

『食は生命なり』 【89】
 
南清貴著   講談社インターナショナル刊
『究極の食』  より その11
 
 
第4章
 オプティマル・ヒューマン・ダイエット  1
 
 
● ダイエットとウエイトロス
 
フランスの思想家でもあるジャン=ジャック・ルソーは教育論『エミール』の中で「自己を守る知恵を身につけることは、何をどのように食べればよいかを知ること」という意味のことを述べています。
昨今、「食育」というようなことがよく叫ばれていますが、二百数十年も前に既にルソーはこれが教育の原点だと指摘していました。
 
大人が子どもに授けなくてはならない生きるための知恵といえば、算数でも国語でもなく、実は「食べること」なのです。
教育者たるもの、食べるということにもっと明確な意識を持って欲しいですし、まずは大人が、子どもに受け継いでもらうべき「正しい食の知恵」を身につける必要があるのです。
 
自分に害がある排除すべき食べものの知識を得たら、オーガニックの野菜など、まず質にこだわって食材を選ぶ。
その上で何をどのように食べればよいかを知ることが、人間が生きていくために必須の知恵です。
 
この章では、賢明な食生活のための具体的な実践方法としてオプティマル・ヒューマン・ダイエットを紹介します。
取り入れるか、取り入れないかはともかくとして、関心を持っていただきたいと考えています。
 
私が提唱する食事法オプティマル・ヒューマン・ダイエットとは、「人間に最も適した食事のシステム」というような意味です。
ダイエットは、「健康的な食事の方法論」くらいに捉えてください。
最新の栄養学に基づいて、伝統的な食事を現代の生活にアレンジし、できるだけ実践しやすいようにまとめたつもりです。
 
日本ではダイエットというとやせるための方法と定着づけられているようなのですが、それは間違いですのでこの機会に正しておきたいと思います。
体重を減らす方法とはウエイトロスというべきで、その方策はいくつもあります。
 
よく、リンゴダイエットとか寒天ダイエット、ひどいのになるとチョコレートダイエットなどがやせる方法として話題になりますが、こういう単一の食品によるダイエットというのは正しい意味でのダイエットではなく、ウエイトロスの一方策として認識していただきたいのです。
 
たしかに、単一の食品だけ食べていると体重が減ることはあります。
しかしそれは健康的な食事の結果として体重が減ったのではなくて、「栄養失調」という、身体が不健康な状態に陥ったがために減ったので、決して望ましい状態ではないのです。というより危険極まりない
 
ずいぶん昔ですけれども、女性誌に「世にも美しいダイエット」として宮本美智子さんが唱えたダイエット法が紹介されて一世を風靡したことがありました。
私はまだキヨズキッチンをオープンする前でしたが、タイトルがすばらしいと思ったものの、これを厳密に続けるととんでもないことが起こる、と懸念しました。
 
小麦以外の穀類や豆類、イモ類を徹底して排除し、油は紅花油とバターの2本立てでとるといったような偏ったダイエット法なのです。
本当に不幸なことですが、宮本さんご自身が突然亡くなられた。
関連性を検証することはできませんけれども、安易にウエイトロスをするのはともかく危険なことなのです。
 
正しいダイエットを続けていくと、結果的に痩せる人も出てきます、が、必ず痩せるのかというと、そうではありません。
痩せる必要がない人は正しいダイエットをしていても痩せません。
人間の身体はそういうふうに出来ているからです。
 
その人その人に理想的な体重、体型、体質というものが必ずあるもので、整体ではそれを、5種類のタイプに分けて考えています。
5個ある腰椎に対応して、腰椎の一番を多用する人はこういうタイプ、2番はこんなタイプなどと類型分けしているのです。
その類型によって、特有の身体付けというのがあるのです。
 
平均体重とか、平均身長とか、それはあくまでも平均なのであって、平均が正しいとはいえません。
つい十数年前と今とでは平均体重も変わってしまったくらいですから、平均の中に納まっていれば大丈夫ということではないのです。
その人のはその人なりの健康な身体のありようがあって、一人ひとりみな違います。
やせ気味のほうが美しく見える人もいれば、太りぎみのほうが愛らしく見える人もいるのですから、誰もが必ずやせる必要がない、ということをまずは理解していただきたいと思います。
 
 
 
● オプティマル・ヒューマン・ダイエットの要諦
 
オプティマル・ヒューマン・ダイエットのポイントは、約50種類あるといわれている必須栄養素と、5000種類以上あるといわれている植物栄養素を併せて摂ることにあります。
これが原点中の原点です。
どちらも欠けないように、両輪をきちんと回していくのが食事の役割ということです。
 
必須栄養素と植物栄養素を何種類も併せてとるのは難しいのではないかと思われるかもしれませんが、まともな食事をしさえすれば両方とも自然に取れるようになっています。
 
ただ、何の目安もないと、どのようにして食べたらよいかがわかりにくいですから、私は食材を、穀類、豆類、葉菜・果菜、根菜、動物性たんぱく質の5つのカテゴリーに分けました。
 
食材を5つのカテゴリーの中に全部当てはめるというのは本来的には無理がありますが、あえてわかりやすくするために5つに分けたのです。
 
一番無理があるのは、野菜でしょうか。
野菜は葉菜・果菜を一群にしてあり、もう一群を根菜類としてあります。
厳密に言うと、例えばブロッコリー、カリフラワーなどの花菜という分類もあるのです。
そこまで細かく分類するとかえってわかりにくくなりますので、アブラナ科の植物であるブロッコリー、カリフラワーは、葉菜・果菜に入れてしまいました。
 
まず1つ目は主食となる穀類です。
穀類は、米、麦はもちろん、アマランスもここに入れています。
アマランサスは厳密にいうとヒユ科の植物でケイトウの一種です。
偽穀物という分野入りますから穀物とは言いきれないのですが、あえて穀類に入れました。
それからヒエ、アワ、キビといった、雑穀といわれるものもここに入ります。
 
2つ目のグループは、良質のたんぱく質の宝庫、豆類です。
大豆とムングマメ(緑豆)では成分的にかなりの違いがありますが、とにかくマメ科の植物は全部ここに入れてあります。
ただしマメ科の植物が発芽したもの、モヤシになったものは、私の分類では葉菜に入ります。
芽を出して豆の体長の半分以上になった時には、豆としての栄養素よりも、芽の部分、つまり野菜になった部分の栄養素のほうが勝ることになるからです。
 
3つ目が葉菜・果菜のグループです。
豊富なビタミン、ミネラル類が身体の調子を整える働きをしてくれます。
小松菜、ほうれん草、春菊、白菜などの葉菜。
キュウリ、トマト、ピーマンなどの果菜。
花菜もこの分類に入れました。
 
4つ目はミネラル、食物繊維が豊富な根菜類です。
大根、ゴボウ、レンコンなど。
にんじんは、セロリやパセリと同じセリ科の植物ですが、葉菜・果菜のグループではなく根菜に入れました。
地表から下に伸びようとするもののエネルギーの質と、天に向かって伸びようとするもののエネルギーの質は大きく違いますので、意味のある分類の仕方だと思います。
 
5つめのカテゴリーは動物性たんぱく質です。
獣肉と魚肉では厳密には違うのですが、一つの群の中にまとめました。
 
どうしてもこの5つに当てはまらなかったもので重要なものが他に2つあります。
その1つは海藻、もう1つは調味料です。
どちらも栄養素としてはかなり重要なものをたくさん含んでいるのですけれども、だからといって一つのカテゴリーとしてた立てにくい。
そこで、調味料の中にオイルも含めて、「5つの食材群+海藻+調味料(オイル)」を、理想的な食のスタイルとしています。
 
日本には海藻をたくさん食べる習慣がありますので、伝統的な食事の方法を現代にも活かして、ヒジキとかワカメとか昆布とか、海藻をたくさん食べられるメニューを実践してもらいたいものです。
 
昆布など、味噌汁のだしをとった後、引き上げる必要はありません。
予め2センチ角ぐらいに切っておけば、そのまま味噌汁の具として食べられます。
家庭料理ではそれで十分。
海藻は酵素の宝庫ですから、たくさん食べると我々の身体は活性化されますし、食物繊維も多く含まれていますので、過酸化脂質のようなものを無意識に摂り込んでしまっても、食物繊維が働いて速やかに体外に排泄してくれます。
 
調味料は意外に軽視されがちなのですが、よくよく質を吟味する必要がある重要な要素です。
私は化学的に合成されたものは調味料と呼んでいません。
ある程度の時間をかけて熟成されたもののみ調味料と呼ぶに値し、それは料理酒から酢、醤油、みりん、味噌、塩、すべての調味料に関して当てはまります。
 
促成で造った醤油や味噌など非常に安く売られていますけれども、特に、大豆の油をとった後の搾りかすで造ったものは、たんぱく質を塩酸で分解して工業生産したアミノ酸に添加物を加えたまがい物。
調味料としての役目を果たしませんので、きちんと見分けていただきたいと思っています。
 
味噌、醤油、酢もそうですけれど、重要なのは、発酵の技術を使っている点です。
発酵食品の中では微生物が生きており、それが腸の中に入って腸内環境を整え、酵素が働きやすい素地を作ってくれます。
くどいようですが、細胞膜の質は、細胞の生命力、言い換えれば身体全体の生命力に影響するのですから、その材料である油の質にもこだわってください。
 
というわけで、オプティマル・ヒューマン・ダイエットの根幹は、5つの食材群をきちんとかけることなく食事に取り込むことです。
これを「5色のルール」として5つに色分けし、栄養バランスを簡単に確認しやすいようにしました。
 
特記したいのは、穀類と豆類の食べ併せです。
第1章でも説明したとおり、2対一の割合で穀類と豆類を摂ることが、最も合理的なアミノ酸の取り方であり、最も効率よくエネルギーを生み出す理想的な黄金の食べ併せです。
他の必須栄養素が多く含まれるところも忘れてはならない恩恵です。
そして、この食べ合わせの効果を最大にするには、何度も繰り返しているように、穀類は精製度が低いものであることが必要です。
 
ただ毎食玄米というのは負担が大きいかもしれませんので、私は3分搗きの米を推奨しています。
玄米をちょっと搗いて固い殻の部分を少し削ぎ落とした状態。
三分搗きなら白米と同じように普通の炊飯器で長けますし、削ぎ落とした分、食物繊維の量は玄米より若干少なめですが、ミネラルとかビタミン、アミノ酸は玄米と同等ですので、栄養価はそん色ない。
 
私はそこにアマランスを混ぜ込んで炊いています。
アマランスは、米だけでは取りきれない微量元素、ミネラル分を非常にたくさん含んでいるのです。
特にマグネシウム、鉄分、カリウム、といった、我々の身体が強く求めているミネラル分を含んでいますので、米の中に一割程度混ぜ込んで炊くと栄養素の組成がとてもよくなります。
そこに豆を食べ合わせるというのがベスト中のベストだと思っています。
 
もちろん、2つの野菜群(葉菜・果菜と根菜)がまんべんなくきちんと摂られているか、という部分も忘れてはならない大事な柱の一つです。
どちらが欠落してもだめなのです。
現代の食卓で不足しがちな根菜には、ミネラル分、食物繊維が豊富ですし、根菜にしか含まれていない栄養素もたくさんあります。
葉菜・果菜と根菜をまんべんなく食べていると健康のレベルは確実に上がっていきます。
 
量のことでは、動物たんぱく質はごく少量でよいことに注意していただきたいです。
食品の勧告量(これだけ摂りなさいという量)が米国ではかなり明確に示されていますが、動物性たんぱく質の勧告量は年々減ってきています。
今では1日50グラム以下しか必要ではないといわれているくらいです。
私達が思っているよりもはるかに少ないのではないでしょうか。
 
普通に何も考えずに食事をすると、圧倒的に摂り過ぎてしまいます。
補足的に、どうしてもそこからしか摂れない栄養素を摂り込むために食べるものですので、大量に摂る必要はありません。
 
食べ過ぎてしまうと、体内に燃えカスのようなもの(窒素を含んだ化合物)が残ってしまい、これが血液を汚すために病的な状態に陥ってしまうケースが多い。
動物性たんぱく質は取り過ぎないのが鉄則です。
 
このように強調しますと、「菜食主義なのですか」と聞かれることがあります。
その都度、明確に「そうではありません」と答えていますが、少量であっても、動物性たんぱく質は絶対に必要です。
 
考えがあって厳格な菜食主義を実践する人については、一つのライフスタイルとして尊重しますけれども、菜食主義を続けるなら不足する栄養素が出てくるという事実を知った上で実践していただきたいとは思っています。
 
必須アミノ酸9種類を、植物性の食事だけでうまく配分して摂っていくのもなかなか難しいことですが、とても重要なビタミンB12という必須栄養素が、植物性の食品にはほとんど含まれていないのです。
これは動物性のものから取るしかない。
ビタミンB12一つが欠けるだけで、チームで働くビタミンB群は活性化ができません。
 
また、厳密な菜食主義を長い期間続けていると、体内に動脈硬化や心臓病の原因物質といわれているホモシステインが増えてしまいます。
長期間菜食主義を続けた人たちの血中のホモシステインの濃度を測ったら高かったという事実があったために、近年危険性が叫ばれています。
 
相当の個体差がありますから菜食主義を貫いたからといって必ず病的な状態になるわけではありませんが、弊害もありますので、それを承知の上で取り組んでいただきたいと思っています。
 
 
 
● 酵素の重要性
 
果物は、食事の範疇として私が捉えていないので、どのカテゴリーにも入っていませんけれども、とても重要な食品だということは付け加えておきます。
それも生で食べていただきたい。
食べるものの中で、生の食品の比率もある程度は必要です。
酵素を身体に取り込まなければならないからです。
 
エンザイムとも呼ばれる酵素は、摂氏48度程度で壊れてしまいますから、加熱した食品だけを食べていると必然的に酵素不足に陥ってしまいます。
科学的なデータが取れないので感覚値でしかないのですが、私は食べるもの全体のうち20%、5分の1は生もので構成されるべきだと思っています。
そのうちの半分は果物として、食事では10%ぐらいの生の食品が取れていればいいのではないでしょうか。
 
いずれ、理想の生ものの割合も検証してくれる人が出てくるかもしれません。
注意していただきたいのは、市販されているフルーツジュースのほとんどは加熱されていますので、生ではないということです。
面倒だと思われればそれまでですけれども、ジュースなら新鮮な果物を絞って飲んでいただきたい。
 
それから野菜をすりおろすと意外と楽に生ものが摂れます。
納豆に大根おろしを加えたり、山芋を摩り下ろしてご飯にかけたり、生のものを積極的に取る工夫はいろいろ出来ると思います。
 
肉や魚も、本当は、加熱するより生で食べたほうがその食品が持っている酵素の助けがあるので消化しやすいということが言えます(肉には別に菌の問題があるので加熱しますが)。
 
りんごの中にはリンゴ自体を分解する酵素が含まれていますし、アボガドなら、植物性の脂肪を分解する酵素がたくさん含まれていますので、生のまま食べると消化がスムーズに行われます。
したがって、消化酵素を作り出す働きをする膵臓などの負担を軽くしてくれる。
 
それから、生の野菜をとっていると、活性酸素を除去してくれる抗酸化物質が十分に摂り込めます。
こういうことが、身体がガン化するのを防いでくれたり、病的な状態に陥らないよう守ってくれているわけです。
 
酵素というのは、足りなくなったからといって信号が発せられるわけではありませんので、それが原因で病気になっても、医者に酵素不足を指摘されることはほとんどありません。
わからないことなのです。
でも、病気の隠された要因であることが意外に多い。
 
生の食品は身体を冷やすので意識的に避けている、という人もあるでしょう。
確かに冷やしますが、通常のサラダ程度で冷える身体だったら、そんな身体のほうがおかしい。
少量の生野菜でも身体が冷えるというようなことが続くのであれば、食事全体を見直して、他の食べものが悪いと考えるべきかもしれません。
 
雑食性で人間と食べるものが近いネズミを使った実験では、生物をまったく与えないグループで脳が小さくなるという結果が得られています。
すぐに人間に当てはまるとは言えませんけれども、脳の発達を遅らせたり、減退させたりする可能性もあるということです。
 
生物を食べないと膵臓に大きな負担がかかるので、ネズミの膵臓が肥大するという結果も出ています。
ある程度生のものをとる食生活のほうが健全だということです。
「やきそばパンとカップラーメン」といった加工食品ばかりの食事では、酵素はゼロ。
そういう状態が長く続くと、脳や膵臓に影響が出るかもしれないことを気に留めておいてください。
 
 
 
● 食べるタイミング
 
正しい食事には、必要な栄養素をまんべんなく摂るだけではなく、摂るタイミングもとても重要です。
 
充実した空腹の時間を持つことが大切なことはすでに説明しましたが、例えば、朝起きてすぐに栄養価の高い食事を摂るのも身体にはあまりよいことではありません。
本当に食べたいと思って食べているならよいのですが、「朝食を食べなければいけない」と煽られて無理して摂っているという場合は、食べないほうが賢明です。
 
抜くことによるダメージはありません。
身体は朝から食事を摂るようには作られていないからです。
これには賛否両論もあるでしょうが、ともかく私の考えを述べておきます。
 
身体の一日にはリズムがあって、午前中、正午ぐらいまでは排泄のために働いています。
その時間に、炭水化物はもとより、動物性たんぱく質、いわんや添加物などの化学物質を摂り入れてはいけないのです。
「ゆで卵とトーストと焼きベーコン」などはどうしようもなく劣悪な朝食です。
ときおり、おいしいパンを焼いたから、と食べるのは悪いことではありませんが、毎日というのは好ましくない。
 
毎朝とっていいのは、果物と、かろうじて野菜ジュース。
ただし、質の悪い果物はだめです。
農薬がたくさん使われていたり、強い防カビ剤、防腐剤をかけられたような果物は、その限りではありません。
ですが、健全に育てられた果物であれば、最高の朝食になります。
 
量は、どれだけ食べてもいいのですけれども、生の果物はそんなには食べられないものです。
おおよそワンサービング、というのは両手に載るぐらいがおいしく食べられる量だと思います。
リンゴだったら一個程度、りんごとバナナだったら半分ずつとか、そんな程度で十分。
 
朝、果物を食べておくと、昼までのエネルギーは十分その果物で補うことが出来ます。
果物が持っている糖分(果糖)は、身体の中で他の糖とは違う機序で動き出します。
砂糖だとかその他の糖類は、分解が行われて、ブトウ糖になってから血液の中に摂り込まれるのですけれども、果糖の場合には、そのままダイレクトに肝臓に行って代謝が始まるという特殊な経路を辿るのです。
他の糖類とは別のエネルギー系統が動き出しますので、これは長持ちします。
 
朝は果物だけという生活を続けると、排泄がスムーズになって、身体が非常に軽くなります。脳の働きもよくなる。
そもそも、きちんとした食事をしていると、朝は食べたくないはずなのです。
朝食べたいというのは、食生活がどこか間違っていると考えたほうがよいかもしれません。
 
昼は炭水化物、夜はたんぱく質を中心に食べるのがよい。
夜は、寝ている間に身体の修復が行われるので、たんぱく質が重要になるのです。
加えて、昼も夜もたっぷりの野菜を摂ること、これが原則です。
この原則を守ることが出来れば、食べることで身体を壊すことはほとんどありません。
 
付け加えておきますと、動物性たんぱく質と炭水化物は、なるべくなら一緒に食べないほうがいいのです。
というのは、炭水化物を消化分解する消化液と、動物性たんぱく質を消化分解する消化液とは違うものだからです。
 
我々の消化器官は、性質の違うものを同時に消化するのが本来は苦手です。
それは酸性度とアルカリ度の問題で、合わさると中性になってしまうため、どちらも未消化のまま腸に流れ込んでしまうというようなことが起きるのです。
 
「ではお寿司はだめなのか」という疑問をもたれるかもしれません。
たまに少し食べたからといってどうなるものでもありませんが、満腹になるまで食べてしまうと、食べ合わせの問題に加えて過食にもなりますので、体調を悪くする原因になります。
 
もう一つ注意したいのは、牛肉と豚肉は一緒に食べてはいけないということです。
魚と鶏肉もいけません。
なぜなら、それぞれのたんぱく質の組成がまったく違うものだからです。
考えてみれば当然でしょう。
牛は牛、豚は豚なのですから、違うたんぱく質なのです。
それを併せて食べてしまうと、体内では反乱が起きてしまいます。
 
とは言っても、毎日そんな細かいことまで注意するのは不可能に近いですから、あまり神経質になる必要はありません。
ただ、誰でも起こる低調期に、食事を摂るタイミングのルール、動物性たんぱく質と炭水化物を一緒に食べないというルールを守ると体調が早く戻ります。
試験前とか、重要なプレゼンテーションがある直前にも、このことを意識してみると身体の反応が違ってきます。
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

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池田 優

 

 

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