山ちゃんの食べもの考

 

 

その233
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【90】
 
南清貴著   講談社インターナショナル刊
『究極の食』  より その12
 
 
第4章
 オプティマル・ヒューマン・ダイエット  2
 
 
● 常識はくつがえせ
 
私達が今常識だと信じていることも、時代が変われば非常識になってしまうこともありますし、同時代でも地域や場所が変われば、非常識になり得ることは沢山あります。
ですから、そういうものに縛られたり、振り回されたりして、本来の自分を見失うことがないようにしてもらいたいと強く思っています。
 
これは食べ物のことだけではありません。
つい60年前の日本においては、国民が国のために命を懸けるのは常識でしたし、現在でも、日本では当たり前の一夫一婦制が常識として通用しない国はいくらもあります。
 
その常識に従うことが自分にとって便利なことで、暮らしを豊かにしてくれるのだったら活用すればいい。しかし、よくよく考えて、
振り回されていると感じるのだったら、密かにその常識を捨てましょう。
ただし、人様に迷惑をかけたり、傷つけたりしてもいいということではありません。
それはもう人間としての資格がないことになりますから。
 
常識もさることながら、誤った知識が、さも学術的であるかのごとく情報として伝えられます。
それぞれが、それぞれの思惑を持って知識・情報を流している時代ですから、情報元にそれをやめさせることは出来ません。
あるいは、知識・情報を意図的に流さないということもあるかもしれません。
 
例えば、摂取する動物性たんぱく質の量がこんなに少なくていいということが広く伝わると、食品業界が困った状況に陥るのではないでしょうか。
食肉業者、またその食肉を加工している業者、焼肉チェーン、ハンバーグチェーン、この分野に携わる人たちにとっては、流れないほうがいい情報かもしれません。
ですから、受け止める側が意識的にセレクトしていかなければ、情報に踊らされっぱなしになり、重要なことを知らずにいて健康を害する危険も生まれます。
 
では、何を基準にセレクトすればよいのか。
それはまず情報の発信源を確かめることです。
そこが信頼できるところなら、その情報を自分の知識として受け止めてもいいのではないかと思っています。
 
また、どんな情報が意図的に流されていないのか、自分から探る努力も必要になってくるのではないでしょうか。
いつまでも受身ではいけないのです。
 
食に関する分野だけでも、困った常識はいくつもあります。
我々が子どもの頃は、太ってさえいれば健康優良児でした。
今そんなことをいう人は一人もいません。
が、つい50年ぐらい前はそれが常識だったのです。
健康優良児を表彰する記録写真もたくさん残っていますが、子ども達はみな太っています。
 
そんな中で、極端に細い子どもだった私がフトルミンという薬を飲まされていたことは「はじめに」で触れました。
見事に肥満児になったのは”親の愛”のなせる業でしたが、父や母は、太っている子が丈夫なのだという常識に振り回されたのだと思うのです。
常識に振り回されて、それが正しいと妄信してしまうのは危険でもあることの一例です。
 
人間には、それぞれに成長の時期があって、その時々で身体が一番いい状態を保とうとする働きがすでにあるということは知っておいていただきたい。
生きているというのはそういうことなのです。
 
整体指導者としてみているお子さんに、5歳になったばかりの保育園児がいるのですが、この子は極端に背が低い。
母親はずっと整体を学んできていますので、小柄な子どもは中身がぎゅっと詰まっていて丈夫なことなど、何もかもほとんど存知なのです。
 
だけど、やはり保育園で自分の子どもがみんなと比べて10センチも低かったりすると、本当に大丈夫なのか不安になることがあります。と質問がメールで飛んでくる。
大丈夫なのです。
 
遺伝子の働きのスイッチがオンになる時があって、その時は伸びますし、伸びないからといって困ることもない。
常識にとらわれて、平均体重、平均身長ばかり気にすることはやめていただきたい。
 
それは子どもの話だけではないのです。
大人も何かと常識にとらわれてしまっています。
いまやパソコンができるのは常識、とよく言われますが、そんな常識なんてありやしません。
そういうことで我々はいつの間にか自由を奪われてしまっているのです。
 
自分が作ったのでもないつまらない制限・制約に縛り付けられてしまって身動きが取れなく締まっている。
そのバカバカしさに気付いていただければ、と私は願っています。
 
食に関して、これまで常識とされてきた非常識をいくつか挙げてみたいと思います。
 
ついこの間までは、「牛乳さえ飲んでいれば完全食品だから安心」というようなことが言われていましたが、今ではそうではありません。
牛乳にはマグネシウムが圧倒的にかけているのです。
ゼロではないものの、非常に少ない。
 
実は、カルシウムが体内に取り込まれて活性化するためにはマグネシウムとビタミンDがセットで絶対に必要なのです。
これがないとカルシウムは細胞レベルではきちんと取り込まれない。
牛乳にカルシウムが多く含まれるのは事実ですが、牛乳を飲むとカルシウムが補給されるというのは嘘なのです。
 
年月を経てだんだん細かいレベルまで分析が進み、常識が間違っていた、ということになってきています。
 
しかも牛乳はすでに酸化してしまった飲料ですので、危険度が高い。
成分無調整というのも不明確、不明瞭で、ともかく牛乳はいろんな処理がされて流通しています。
 
というのも、搾った牛乳そのままでは日保ちしませんから、正しい牛乳の飲み方というのはお母さん牛のおっぱいから直接吸うことで、空気に触れればどんなものでも酸化するのですから日にちが経てば基本的に酸化しています。
 
だからと言ってそれで突然体調が悪くなることはないですけれども、多く摂ることはあまり賛成できません。
おいしいミルクティーが飲みたいとか、カフェオレが飲みたいとか、3日にいっぺん、1週間にいっぺん、楽しんで飲むのだったらいいと思います。
 
しかし牛乳神話を信じて、牛乳さえ飲んでいれば完全栄養食品だから大丈夫だとか、健康のために1日何cc飲まなければならないというような迷信に踊らされるのはやめましょう。
 
「米を食べると太る」というような変な常識もありました。
何でも食べ過ぎれば太りますが、米が太る原因だなんてありえないことです。
日本人はどれほど長い期間米を食してきたことでしょうか。
過去にも、そんな日本人が太っていたという記録はありませんので、これは常識の嘘です。
 
「カロリー計算」の嘘もあります。
痩せたい人が非常に多いということが素地としてあるのですけれども、今は摂取カロリーを少なくして、消費カロリーを多くすれば痩せると思われていますので、痩せたい人はまず摂取カロリーを減らそうとします。
これは常識かもしれませんけれども、正しくはありません。
 
カロリーを減らせばやせるのか。
まったく違うことがおきます。
私達の身体は生きている、ということを忘れてはダメなのです。
 
生きていくのに必要なカロリー、ただ寝ているだけでも消費するカロリーのことを基礎代謝というのですけれども、一般的に、これが日本人男性の場合にはおおよそ1日1500キロカロリー、女性の場合は1200キロカロリーぐらいといわれています。
これもあくまで平均なのですので、人によって値がいます。
 
ところが、基礎代謝を下回った量のカロリーしか摂取されない場合、われわれの身体は、それを飢餓状態だと本能的に判断してしまうのです。
必要なカロリーがとられないと細胞レベルでそう判断してしまう。
すると勝手に身体が別の働きをするのです。
 
飢餓状態でも大丈夫なように、炭水化物、糖を脂肪に変えて蓄え始めるのです。
ですから、少ないカロリー量でも、その少ない中からまず蓄えようとする働きが先に起こってしまう。
したがって基礎代謝自体も減りますし、皮下脂肪が増えます。
結果的にはカロリーを減らすと太るということが起きるのです。
バカな話ですけれども、仕方がないといえば仕方がない。
 
それは人類史を紐解いてみるとよくわかります。
一万年前くらいの人類の平均寿命は15歳ぐらいだったようです。
その時代には生活習慣病はありませんから、死因はまず飢え、次に感染症です。
 
幼児期に死亡するケースが圧倒的に多かったために平均寿命としては15歳ぐらいになってしまう。要するに人間はそれほど厳しい自然環境の中で生きていたということのです。
 
江戸時代でも平均寿命は30歳くらいと推測されていますし、昭和に入ってからも「人生50年」といわれていたのですから、食料に関して不安なく生きていられる今の状況というのは、約10万年、20万年というスパンの人類史から見るとほんのわずかな、ここ数十年のことでしかないのです。
 
ところが、新しい環境に遺伝子レベルで適応できるようになるためには、何万年もの年月が必要だとされています。
遺伝子は今でも飢餓に備えているのです。
それは今でもすぐには変えようがない。
 
日本人は特に、ヨーロッパ人の2、3倍のレベルで太りやすい遺伝子を持っているといわれています。
言い換えるとき雅に強い。
肥満遺伝子と呼ばれるその遺伝子の働きのおかげで、飢餓になったとしても、日本人は欧米人よりも生き延びる力があるはずですが、逆に太りやすい体質もあるのです。
 
ともかく、摂取カロリーを少なくすれば痩せるという常識は間違いですし、必要なものを摂らないで痩せようとするのは身体を壊すこと以外の何物でもないのです。
 
基礎代謝以下にはしない範囲で、摂取カロリーを消費カロリーと同じくらいかそれ以下にすれば、飢餓状態にも陥らずにやせられるのではないか、という考え方があります。
これは正しいのですが、その数値を算出してみても意味がないという点において現実的ではありません。
 
メニューにカロリーが表示されていても、それは、その食品が体内に入る前に物質として持っている熱量に過ぎません。
それが体内に入って分解された後の使われ方は未知数なのです。
 
同じ食品でも、食べた人やその人のその時のコンディションによって、消化・吸収のされ方も、使われ方も、まったく違ってきますので、その食品が何キロカロリーであるかを知る意味はあまりないのです。
 
おおよその目安にはなるかもしれませんが、目安の数字を厳密に積み重ねても、その人の正確な必要摂取カロリーは出ません。
摂取カロリー、消費カロリーを機械的に計算で出そうとすることがそもそも間違いないのです。
 
ちなみに、運動によるカロリーの消費は、驚くほど少ないです。
食事をすると消化器官をものすごく使いますし、代謝でもカロリーを消費するのですが、一回食事をした時に消費するカロリーと、一回のマラソンで消費するカロリーは、ほぼ同じと言われています。
逆に消化作業はマラソンほど消耗する労働だとも言えます。
 
結局カロリーのような数値ではなく、身体が感じていることが一番正確なのです。
ですから、一番大事にしなければならないのは体感です。
体感を正確なものにしておくためには整った身体でいることが必要です。
乱れた身体では正しい体感なんて得られませんから、間違ったことばかり行ってしまい、どんどん泥沼にはまり込む。
 
それが現代社会で起こっている現象で、その中で言われている常識だから間違いがたくさんあるのです。
最終的にそれは、凶悪な犯罪などといった突出した形で現れて社会に訴えかけてきます。
 
私達が乱れた身体で、乱れた常識を常識として信じ込んでいることの結果がそれなのです。
どこかで、何らかの形で、一人ひとりが見失った本当の自分を取り戻すべきではないでしょうか。
 
余談ですが、フトルミンを飲んで見事に太った小学生の頃、1960(昭和35)年の大相撲3月場所千秋楽で、史上稀に見る名勝負が行われました。
当時史上初の全焼の横綱同士の千秋楽対決でした。
これが栃錦と若乃花、本当にすごい勝負でした。
 
長い相撲だったように記憶しています。
勝敗としては若乃花が寄り切りで勝ちました。
勝負がついた後、阿吽の呼吸としか言いようがないのですけれども、栃錦はまいったという感じ、若乃花は微かに会釈をする、これが美しくて、今でも思い出すと興奮します。
 
両方とも小兵といわれ、横綱を張るなんて難しいと思われていたのですが、この二人は完全に常識をくつがえしました。
小さい身体でも、技の切れ味といったら天下一品。
 
日本中、まだ戦後の傷跡が色濃く残って荒廃している時代に、栃錦と若乃花が名勝負を見せてくれたことが、どれほど国全体を活性化させたことでしょうか。
二人の活躍がその後の日本の産業発展をうながす「小さな国だけど負けないぞ」という意識に大きな影響を与えたと私は思っています。
 
常識をくつがえして人々に勇気を与えたというのは本当に大きなことで、私たちもこの先、やはり常識とされていることをどんどんくつがえしていく勇気が必要だと思うのです。
 
それぞれの人がそれぞれの人生の中で、小さいといえども常識をくつがえしていく、常識をうち破って非常識なことを成し遂げていく勇気を持つべきですし、そういう目的を持っている人生を歩んでいけるといいのではないでしょうか。
 
少なくとも常識にとらわれるのはよくないですし、くつがえせないまでも、疑う必要はあります。
常識をすべて懐疑的に見るということではなく、「えっ、本当?」と問いかけられる自由さ、心の角度みたいなものを広く持っていたいと思います。
 
 
 
● ウエイトロスのポイント
 
ウエイトロスをする場合、なるべくものを食べないようにする、ということになりがちで、私の25歳の娘の友人の中にも、「痩せたい願望」を強く持っているのであまり食べないという人がいるそうです。
 
ところが、食べるとなるととんでもないものを食べている。
ダイエット中だから、と、お昼はカップラーメン1個、それだけでは足りないので大福みたいなものもプラスする。
それでも食べる量が少ないからやせると思っているのです。
 
これは極端な例としても、多かれ少なかれ、似ているような人が結構いるのではないでしょうか。
そこで、ウエイトロスの注意点をいくつか挙げておこうと思います。
 
まず、ウエイトロスをする前に考えていただきたいのは、人にはその人なりの、それぞれに見合った体型なり、容姿があるということです。
ですから、太目が適切な体型という人もあれば、細長く縦に伸びたような体型が相応しい人もいる。
 
人はそもそも身体の「癖」というのを生まれ持っていて、それに添って身体が成り立っていくのです。
整体ではそのことを体癖と言い表しています。
5個ある腰の骨のうち、どれを多用するかによってその人の体癖が決まります。
これは、もって生まれたものですから、変えようとしても意思で変えることはできないのです。
 
一番大切なのは、自分らしい美しさの追及です。
それは、生き方の追求に近いのですけれども、まず、自分にとって相応しい生き方はどんなものかを突き詰め、そのために体重を減らしたほうがよいということなら、ウエイトロスにチャレンジしてください。
「誰々さんのようになりたいから」といって始めるものではない、ということがまず根本にあります。
 
一番大事なのは、自分が何をやりたくて、どういうことを表現したくて、そのためにはどういう身体でいることが必要なのかがわかっていることなのです。
それもわからずにいて、闇雲にどんな方法でもいいから体重を落とそうというのは愚の骨頂としかいいようがない。
 
理想の自分は、どんな暮らしをして、どんな食べ物を食べるべきなのか。
もし、カップラーメンとハンバーガーを交互に食べるのが自分に最も相応しい生き方で、それ以上のことは望まないというのであれば、それはそれで、自分が表現できることを表現しきって生命を終えればよいので誰にも文句は言われません。
 
私は、ハンバーガーで構成された身体の自分がいったい何を表現するのだろうと考えるととてもいやなので、ハンバーガーは食べません。
そういう生き方は自分らしくないと確信するからでですが、必ずしもみながそう思う必要もありません。
 
スポーツ選手であることが自分の表現したいことだというなら、その表現のために普通の人とは違う方法で身体を鍛えるというのは大いにあっていいことです。
それが本当に自分の望みなら、本当に表現したいことを実現するのに適切な身体はどんな身体なのか、出発点はここにあります。
 
ついでながら、自分を美しく磨いていくことと体重を減らすこととはまったく別のことで、直結しないということを確認しておきたいです。
 
体重を減らすということを目的達成のために、毎日粉を溶いて飲んだり、ドロドロのゼリーみたいなものばかり食べているというようなことは、その人の人生を貧しくし醜くしているとしか言いようがありません。
ましてや、痩せたり太ったりすることがコンテストになること自体はとんでもないことで、知的レベルを疑ってしまいます。
 
さて、ウエイトロスをしようと思うならば、これだけは外せないということがあります。
それは白い砂糖を食べないことです。
これは絶対にいけない。
もちろんウエイトロスを目的としていない人でも白い砂糖をとるのは有害ですが、ウエイトロスをするならなおさらです。
 
白砂糖の主成分は蔗糖と呼ばれ、ブドウ糖と果糖が結びついたものです。
ドリンク類などでは、果糖ブドウ糖液、ブドウ糖果糖溶液、あるいは異性果糖などと表示されていますが、要するに、高果糖コーンシロップと呼ばれるもので、コーンを大量に絞って摂った糖分を凝縮して作ったものです。
これは肝臓に大きな負担をかけます。
 
ご承知のように、ブドウ糖はブドウ糖でエネルギーのもとですからとても大切な栄養素です。
果糖は果糖でまた身体にとって必要なものです。
ところが、ブドウ糖と果糖が結びついて蔗糖となると、これは非常に困ったものになってしまうのです。
 
身体に入ってからブトウ糖と果糖に分解されるのかというと、胃の中でもあまり分解されませんし、腸でも分解されません。
砂糖を摂ったからといって、ブドウ糖にはほとんどならずに、いわゆる悪玉菌といわれている細菌とかウイルスのようなものの餌になってしまうのです。
つまり細菌やウイルスを身体の中で培養するのです。
 
よいほうの菌の餌にはならず、小腸でも大腸でも悪いほうの菌の餌になってしまう。
結果的に、大腸の中で腐敗を起こしてガスが溜まったり、便秘を起こしたり、胃の中ではピロリ菌の餌にもなります。
 
ピロリ菌というのは、胃潰瘍の原因とか、ひいては胃ガンを引き起こす元凶といわれている菌です。
 
「砂糖は脳のエネルギー」とよく言われますが、脳の栄養源であるブドウ糖にはならないのですから、これは科学的に間違いです。
 
また、蔗糖は分子が小さいので、血液中には吸収されやすい。
吸収されると血管の中でもバイ菌やウイルスを育ててしまいます。
ですから、慢性的な感染症がある場合には砂糖絶ちをすると、あっという間によくなってしまうケースがあるのです。
 
砂糖を取らなかったからといって不具合が起きることはありませんので、一度試してみるといいと思います。
水虫が良くなるとよく言われます。
 
それから、蔗糖も血糖値を上げてしまいますので、インスリンが出ます。
血管から蔗糖が消えてしまう時間は早いのですが、出てしまったインスリンは働きますので、結果的に血糖値を異常なまでに下げてしまうということが起こっています。
第3章の「子供達に起こっている異変」でも説明した低血糖の原因になるのです。
 
引き続いて生体反応としてアドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンが出てしまうため、キレてしまったり、イライラしてしまったりというようなことが起きます。
 
自分の望みを達成して気持ちよく生きるというのが人間本来の目的であるにもかかわらず、他にもいろいろ要因はありますけれども、砂糖の害でもって本来の自分ではない行動をとってしまう、そのことで人に傷つけてしまうということが起きるのは不幸なことです。
 
そんなに大したことではないだろうと思われるかもしれませんけれども、事実として身体には害を引き起こしてしまいますし、行動にも害悪を引き起こしている可能性がありますので、この機会に白砂糖には気をつけていただきたいと思います。
 
砂糖は、マーガリンやショートニングと一緒に即刻廃棄処分していただきたい食品の一つなのです。
白砂糖を使ったお菓子などは子供には絶対に与えて欲しくないですし、大人も食べるべきではないでしょう。
 
ウエイトロスをしようという時にもう一つ陥りがちなのは、高たんぱくの食事を心掛けてしまうという間違いです。
たんぱく質の害については前に述べましたが、たんぱく質を摂り過ぎることによって身体の中がバラバラになってしまう可能性がありますから、これも注意すべき点です。
 
また、ウエイトロスをしようとする人が栄養補給のために牛乳を飲むというのもやめたほうがいい。
ヨーグルトも、加工の段階で牛乳の成分である乳糖(ラクトース)がグルコース(ブドウ糖)とガラクトースと言う物質に分解されますが、ガラクトースは少量ならいいのですけれども、大量に取ってしまうと悪影響を及ぼします。
 
余分なガラクトースはなぜか目の中の水晶体にたまって白内障を引き起こす原因にもなりますので、大量にヨーグルトを食べるというのもまた危険なことです。
 
さらにウエイトロスを試みる人たちに強調しておきたいのは、オイルは敵ではないということ。
特に必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6は絶対に摂っておかなければいけません。
ウエイトロスの時期にオイルを絶ってしまったり、必要量に満たない食事をしていると、体重が目標値にまで落ちたそのあとに、強烈に油に対する欲求が出てきてしまいます。
 
身体が絶対に必要としているものは欲求になって表れるというのは繰り返し述べてきた通りです。
そのときに正しい油を補給するならまだしも、知識がないと、欲求だけが募ってやたらと揚げ物を食べてしまったり、ポテトチップスのような油加工品を摂ってしまうことになりがちです。
 
本気でウエイトロスを考えるのならば、正しい食事法を実践しないとその夢はかないません。
 
オブティマル。ヒューマン・ダイエットをきちんと実践すると、なかなか食べ過ぎることができません。
通常、何を食べているかというと、まずはデンプン・炭水化物です。
精製度が高いほど食べ過ぎてしまいます。
欠落する栄養素があるもので、いつまでも食べてしまう。
それから動物性たんぱく質。だいたいの人は食べ過ぎています。
 
ところが、5つの食材群にプラスして海藻、オイルを含めた正しい調味料を食事の主体に持っていくオブティマル・ヒューマン・ダイエットの公式をきちんと守っていると、食べ過ぎようがないので、必要以上に太ることはありません。
もしも、余分なものを食べ過ぎるために太っていたのなら、確実に痩せます。
 
ただし、繰り返しますけれども、その人にとって一番理想的な体型というものがありますから、ぽっちゃり型の人はぽっちゃり、スリム型の人はスリムに、それぞれ適正なところに自然に落ち着きます。
 
最近の研究で興味深いものを一つ紹介しておきます。
神経伝達物質と呼ばれるものの中にセロトニンという物質がありますが、これは人の脳の中で働いて、食欲に関わっているらしいと考えられている物質です。
 
遺伝子操作でセロトニンが働かないようにしてしまったマウスは、正常に生まれて正常に成長しても、餌を多く食べ過ぎて体重過多になり早死にしてしまうそうです。
逆にセロトニンが正常に働いているマウスは食欲を正常にコントロールできる。
 
人間もこのセロトニンの働きに問題が生じると、摂取機能が低下して無意識レベルで食欲が増してしまうことが予測されています。
そして、このセロトニンは、材料としてアミノ酸の一種であるトリプトファンがないと作られないというのが重要なところです。
 
オブティマル・ヒューマン・ダイエットを実践していれば、トリプトファンも含め、必要な栄養素が正常に取り込まれるようになっています。
 
そもそも身体がきちんと整っているときには、ある程度の体重の増減というのはあるものですので、体重が増えたとか減ったとか、こんなものに一喜一憂するのはやめて、整った身体であることのほうを優先すべきなのです。
 
身体が整ってくると、あまり多くのものを欲しがらないのですが、乱れてくると、余分なものまで所有しようとしてしまいます。
というのも、身体が本当に気持ちよく整っているときというのは、それだけ充実していますので、生命に対する危機感がないのですが、乱れてくると、生命が維持していけるかどうかわからない恐怖が生まれますので、なんでも自分の所有にしようという発想から不必要なものまで欲しがってしまうのです。
これがウエイトロスをしようとする人への注意点です。
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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