山ちゃんの食べもの考

 

 

その246
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【103】
 
日野原重明  劉影 著   青春出版刊
『病気ならない15の食習慣』
楽しく生きる長寿の秘訣
  より その7
 
習慣7 植物油が若さと美肌のもと
 
ある程度の年齢になれば、
肌の色がくすんでシミができたり、
弾力が失われたりしていくのは仕方のないことです。
ところが私の肌は年のわりにはしみも少なければ、
皮膚は柔らかいままで、
時に握手した相手を驚かせたりもします。
どうやら、30年以上飲み続けている
オリーブ油に秘密があるようです。
 
 
● オリーブ油で体質改善に成功
 
私は毎朝、野菜や果物のジュースに、茶さじ1杯、約4グラムのオリーブ油を入れて飲むという習慣を30年以上も続けています。
 
私がこの食習慣を続けようと思い立ったのは、高めのコレステロール値がきっかけでした。
当時は、まだ良い薬も開発されていません。
でも、たとえ、薬があったとしてもすぐには手を出さなかったでしょう。
薬に頼ることは簡単ですが、薬には副作用もあります。
 
まず、毎日の食事から見直し、そこから改善していくのが理想的だと思いました。
食べ物で治す方法はないかと考えたとき、オリーブ油を飲む方法に行き当たったのです。
 
コレステロールは脂肪とたんぱく質が結合してできたもので、悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)からなります。
 
善玉が、血液中のコレステロールを回収して体外に出そうとするのに対し、悪玉のほうは、血中にばら撒こうとします。
 
コレステロール値が高めでも、特別な症状が出ないので軽視されがちですが、高コレステロール値が、動脈硬化や心筋梗塞、狭心症などを誘発する可能性が高いのです。
 
オリーブ油やごま油、しそ油など、植物から搾り出した油には、善玉コレステロールはそのままに、悪玉だけを減らす効果があると聞いていましたから、オリーブ油を飲むことを食生活に取り入れることにしました。
 
イタリアでは、バジルやルッコラなどの野菜に、オリーブ油と少量の塩をかけて食べたりしますが、簡単なイタリアンサラダが、コレステロール低下に役立ったりします。
オイルの使い方を工夫すれば、食生活の中でコレステロール値を下げることは難しくないでしょう。
 
ただし、使用する油は良質なエキストラバージンオイルなどを選ぶこと、また、加熱すると効果は失われてしまうので、フレッシュなまま使用することです。
 
 
● 医師に頼る前に自分でできること
 
オリーブ油を飲む習慣は、思いがけない効果をもたらしてくれました。
つややかでしみの少ない肌がそれです。
 
96歳にもなれば、顔や手に濃いシミができてもおかしくありませんが、私の肌はシミがないだけでなく、とても柔らかです。
もし、30年間薬を飲み続けていたら、こうはなっていなかったかもしれません。
 
医師の立場から、あえてアドバイスするのですが、医師や薬に頼り過ぎないということも大切ではないかと思います。
 
突発性の病気や外傷、手術をする場合は、医師や薬に頼らざるを得ません。
しかし、自らの生活の悪習が引き金ともいえる生活習慣病の場合は、ちょっと違うのではないでしょうか。
 
すぐに薬で解決しようとするのではなく、まず、日常生活から見直し、改善策を見つけるべきだと思うのです。
そのほうが身体にも負担がかかりません。
 
現に、私が抱えていた、高コレステロールというトラブルも、食習慣で改善することができました。
劉先生が”未病”という考え方を広めようと努力されたのも、それを伝えたかったに違いありません。
 
具体的には次のように勧めてみるといいでしょう。
まず、医師から「薬を飲むほどではないが、注意が必要ですよ」といわれたら、発病の可能性のある病気、その予防法について情報を集めることです。
医師の説明、医学辞典、栄養士の食事指導も参考にしましょう。
 
次に、食習慣を中心に、日常生活を見直します。
どの部分に発病の危険性があるのか、丹念にチェックしてみてください。
 
3ヶ月、半年、一年でどこまで達成するか目標を立てましょう。
短期間で行おうとすると挫折する可能性が高いので、無理をしないこと。
どんな小さなことでも積み重ねです。
何もしない自分と、毎日コツコツ努力を続ける自分、一年後の差は大きいことでしょう。
 
年を重ねれば重ねるほど諦めが早く、”悪くなったら薬を飲めばいい”と思いがちですが、高齢者にこそ、自分の力で治そうと努力してもらいたいと思います。
というのも、健康保険制度が、すでに破綻しているからなのです。
 
現在、年間の医療費は30兆円を超えていますが、これからはさらに高齢化が進み、20年後には80兆円を超えるとまでいわれています。
 
健康制度によって負担なく受けられていた医療が、高額な医療費を支払わないと受けられないという事態も予想されます。
医療を必要とする人が治療を受けられなくなる時代が、もうそこまで来ています。
 
自分で治せるものは、自分で何とかするという意識を一人ひとりが持つことで、本当に医療を必要とする人にこそ十分な医療を施していく。
そういうことができる未来を私と一緒に思い描いて、健康に精進して生きましょう。
 
 
 
劉影の養生ガイド
コレステロールを減らす植物油の摂り方
 
● 油分の多い果実を食べましょう
 
植物油を飲む日野原式健康法は、日野原先生の著書にたびたび登場しますので、ご存知の方も多く、コレステロール値に悩む人は関心を持っていることでしょう。
 
しかし、オイルといえば、ドレッシングとしてサラダに和えたり、炒め物や揚げ物に使用したりするのが一般的ですから、それをそのまま飲むというのには、抵抗があると思います。
 
植物油とコレステロール値との相関関係については、アメリカで研究が進められ、今から10年ほど前に、植物油の摂取によってコレステロール値が下がったとの発表があったと記憶しています。
ですから、オイルを飲まないまでも、エキストラバージンオイルをサラダにかけたり、パスタに和えたりするのは、良い利用法だと思います。
 
ただ、油は酸化しやすいので、開封したらなるべく早く使い切るようにしてください。
また、加熱すると即座に酸化しますから、過熱した油を繰り返し使うというのは避けたいものです。
 
もっと手軽に植物油を摂取する方法もあります。
それは、油分の多い植物の実をそのまま食べる方法です。
クルミ、大豆、ゴマ、アーモンドやピーナッツには、植物油が含まれていますから、意識的に食生活に取り入れるようにしましょう。
 
コレステロールを下げるだけでなく、動脈硬化予防や冷え性の改善にも効果が期待できます。
もちろん、肌もきれいになりますが、摂り過ぎるとにきびの原因にもなるので注意してください。
 
 
● 食べて治す東洋医学の知恵
 
風邪で熱っぽいとき、のどが痛むとき、医師にかかる前に家庭でどのような手当をしたらいいか、生活の中から生まれた養生法は日本にもたくさんあることでしょう。
 
東洋医学では、先人達の知恵を積み重ね、掘り下げて研究することで生まれてきた学問ですから、日の原先生の「医師や薬に頼る前に、まず自分で努力してみよう」という考えには大賛成です。
 
特に生活習慣病は、努力次第で発病を食い止めることができます。
増え続ける糖尿病については、血糖値がやや高めという糖尿病未病の段階から危機感を持って養生に努めてほしいものです。
 
糖尿病との診断を下されても、痛みや不快な症状がないため、安易に考えている人が多いのですが、放っておくと合併症を併発し、時には命の危険にさらされることもある怖い病気なのです。
 
けれども、未病の段階であれば、いくらでもアドバイスすることができます。
ごはんに加熱した山芋を混ぜて食べるだけでも、習慣として長く続ければ血糖値は下がり、肥満防止にもなります。
山芋は、山薬という名の生薬だからです。
 
また、最近では、アレルギー体質で喘息に悩むお子さんが多いようです。
喘息の薬として使われるのは主にステロイド剤ですから、幼いうちから使い続けることには抵抗があります。
軽い喘息でしたら、百合根にたっぷりの水を加えてやわらかくなるまで煮て、はちみつを入れたものをスープ代わりに毎日飲むと、症状が緩和されます。
百合根には、喘息や気管支炎に効く生薬が含まれているのです。
 
このほかにも、血圧や血糖値を下げるあさりと野菜のスープ、便秘に効く牛蒡とセロリのサラダなど、生活習慣病未病を治すメニューはいろいろあります。
食材はいずれもスーパーで買えるものですから、だれにでも簡単に調理できます。
 
「あなたにとって、いちばんの名医はあなた自身です」
これは、私がいちばん言いたいことです。
 
自分の体質を知って、自ら健康を維持しよう、不調になったときの改善法を知ろう、そうするなかで、真の健康は保たれていくのだと思います。
 
日野原先生は、それを率先して行っているのです。
患者さんにとって名医であることはもちろんですが、何より、先生自身の名医を続けていらっしゃるのです。
 
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
mail :m.ikeda@ninus.ocn.ne.jp

池田 優

 

 

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