山ちゃんの食べもの考

 

 

その247
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【104】
 
日野原重明  劉影 著   青春出版刊
『病気ならない15の食習慣』
楽しく生きる長寿の秘訣
  より その8
 
食べ過ぎは身体に良くないと頭でわかっていても、
つい過食してしまうことはありませんか?
いくら食べても
満足感が得られないと感じることはありませんか?
それは心が満足していないのです。
心を満足させれば、
過食で身体を壊すこともなくなります。
身体だけでなく、
心に満足感を与える食べ方を研究してみましょう。
 
 
習慣8 食事を残せば病気にならない
 
 
● 家族や仲間と食べれば過食を防げる
 
カウンターに座って牛丼をほおばり、あっという間に店を後にする若者やビジネスマン。
そんな姿を見かけると、あんな食べ方をして大丈夫かなと心配になります。
コンビに弁当を片手に帰途につく人たちも、やはり同じような食べ方をしているのではないでしょうか。
 
最近では独居の高齢者が増え、彼らも市販のお弁当などを買っていると聞きますから、たった一人で短時間のうちに食事を済ませる人は、私が予想する以上に多いことでしょう。
 
これでは食べものを胃に押し込んだというだけで、心も身体も満足できません。
どうしても過食してしまうという人は、一人でサッと済ませるという、その食事環境から改善する必要があると思います。
 
本来、日本の家庭では、食事はゆっくりと会話をしながらするものだったはずです。
ことに夕食は家族団らんの場でした。
忙しい父親も、できるだけ家族との夕飯に帰宅しようと努めました。
 
肥満や生活習慣病が増えてきたことと、団らんの崩壊とは、無関係ではないように思います。
もちろん、この数十年の間に、糖質や脂質の摂取量が増えたという変化はありますが、原因はそれだけではないでしょう。
 
心を満足させれば、食べすぎも改善されます。
ことに過食しがちな夕食は、家族で食事を囲むようにしたいものです。
 
どうしても夕食の時間に帰宅できないとか、一人暮らしの人は、できるだけ仲間や友人と食事をとることです。
会話を楽しみながらの食事なら、相手とペースを合わせようとしますから、自然とかむ回数も増え、満腹中枢も刺激されて、脳と心が満たされるのです。
 
仕事に追われ、食事の時間さえ惜しいという人もいるでしょうが、それほど長い時間は必要ありません。
かくいう私の食事時間は、3食合わせて一時間から一時間半程度のものです。
それぐらいは、自分のために使ってもいいのではないのでしょうか。
 
 
● 「お腹いっぱい」のとき、胃は120パーセント
 
心を満足させるために私が実行しているのは、楽しく食べることはもちろんですが、そのほか、腹七、八部に抑えることと、好きなものを工夫して食べることです。
 
腹七、八部目に抑えることができるのは、医師という職業柄かもしれません。
身体の仕組みを熟知しているだけに、身体に負担をかけたくないと思うのです。
例えば、身体のメカニズムからすると、人間が「満腹」と感じる量と、胃にとっての許容量には誤差があります。
 
私たちは「もう、お腹いっぱい」などと、のんきにいいますが、胃は120%もの食べものを送り込まれて青くなっています。
 
たまに満腹になるまで食べるというのならわかりますが、それが毎日となれば、胃にどれだけの負担がかかるかわかりません。
こう考えると、腹七、八部目に抑えたほうが、私の心の平安は保たれるというわけです。
 
何より、心を満足させるには、好きなものを食べることでしょう。
幸い私には苦手なものがないので、何でも美味しくいただきますが、好物は何といってもお刺身です。
お寿司には目がないものですから、パーティー会場などに並んでいたら必ず箸をつけます。
 
生活習慣病の患者さんの中には、あれもこれもと食べ物を禁止され、ストレスをためている人がいますが、禁止されているものの中に、何より好物があったりすると辛いものです。
そうならないためにも、食生活には気をつけるべきです。
 
私の場合も、お寿司が好きだからといって、たらふく食べるわけではありません。
ごはんを半分残すことは先述しましたが、いきなりお寿司に手を出すのではなく、まず、たっぷりとサラダをいただき、ある程度空腹を満たしてから、好物のお寿司をいただくようにしています。
こうすれば、食欲をコントロールでき、カロリー制限にもなります。
 
バイキングなどで、高カロリーのものからたくさん食べたり、メインディッシュを何人前も平らげる人がいますが、マナーとしても体のためにも良くありません。
私の経験からすると、3000円の会費を払って、4000円以上食べようとする人は、あまり長生きしないようですから、注意してください。
 
カロリーについては、大雑把でいいので、ごはん1膳(茶碗に軽く1膳で約170キロカロリー)、パン1枚(6枚きりの食パン1枚で約160キロカロリー)から、一般的な魚料理や肉料理などのカロリーを把握しておくと便利です。
 
私の現在の摂取カロリーは、1日約1300キロカロリー。
60歳くらいまでは、1800キロカロリーほど摂取していましたが、60歳を過ぎてから、1800から1600へと、徐々に落とすようにしてきました。
 
カロリーを減らすのは、外食ではなかなか難しいのですが、高カロリーな料理は、思い切って半分残すようにしています。
最初から半分にして、若い人に食べてもらうとか、注文の際に量を少なくしてもらうとか、いろいろ工夫しています。
 
お店によっては、私の食べられる量にあわせてくれるところもあり、心遣いをしてくれる店主などと会話を楽しむのも、食事の醍醐味の一つです。
 
 
 
劉影の養生ガイド
食べる順番で少しの量でも満足できる
 
● 「もったいない」が病気を招く
 
――民以職為大
これは、「人は食べることを最上の喜びとする」という意味の、中国に伝わる諺です。
中国人は、とにかく食べることが大好きで、私も父親に連れられさまざまなレストランに足を運びました。
 
外交官だった父は、食を通して、中国の食文化を教えようとしたのだと思います。
中国には、その土地によってさまざまな郷土料理があり、調理法も味付けも異なりますから、すべてを把握することは難しいのですが、それでも養生法など多く学んだつもりです。
 
一つ一つの料理には、誕生までの物語があり、それをたどるのも楽しいものです。
例えば、日本でも定番となった餃子。
現在は、いつでも簡単に食べられる飲茶(ヤムチャ)の1つですが、かつては、お正月に食べるものでした。
 
子どもから大人まで集まって、みんなでギョウザ作りから始めます。
子供のたどたどしい手つきを見守りながら、大人達の会話も弾みます。
このように楽しみながら、大人から子供へと伝授食をつた経たものでした。
中華料理は、日本ではすっかりなじみのあじになりました。
楽しんで作るという面も取り入れてほしいと思います。
 
それから、十分に食事を楽しんだ後は、多少食べ残しが出ても、それは目をつぶることにしましょう。
私も、日野原先生と同じように、外食では残すことがあります。
 
友人とカフェに入ったときは、“このケーキ、半分ずつにしない?”といって無駄が出ないようにしますが、定食屋さんではそうもいきません。
「もったいない」と言う気持ちはよくわかりますが、ときには、それが身体のためと思ってください。
 
 
● 心が満足する食べ方のルール
 
パーティー会場で、野菜から召し上がる日野原先生の姿を何度となくお目かけしていますが、そのたびに“上手に食べていらっしゃるなあ”と感心させられます。
心を満足させるには、食べる順序があり、先生はいつもそれを実践されているからです。
 
腹八分目にしましょうといっても、過食の習慣がついていたらなかなかできるものではありませんし、たとえできたとしても、長続きしなかったりするものです。
 
そこで、過食を改めたいという人は、次の順に食べるようにしてください。
@ 野菜サラダ、果物など
A 煮物や和え物、蒸し物など
B 肉や魚などのメイン料理
C 味噌汁やごはん、麺類など
 
カロリーの低いものから食べるのがポイントで、なるべく@の段階で空腹を満たすようにしてください。
そうすれば、後は少量ずつでも満足できます。
@の段階でどんなに食べものても、低カロリーの野菜や果物ですから身体には負担がかかりません。
 
洋食の場合は、スープと野菜から食べ始めて、肉やパンを後から食べるようにしましょう。
最初からパンを食べると、炭水化物を取りすぎてしまいます。
 
こうしてみると、日本の懐石料理の順番に似ていると思いませんか?
私は、日本で始めて懐石料理をいただいたとき、目と舌で味わい、心まで満足させてくれる優れた食文化にとても感心させられました。
 
家庭では、料理を順に出すのは大変ですから、ごはんや味噌汁以外の料理を最初に並べてしまってかまいません。
全部並べたところで、食べる順番を意識するのです。
そのうち、“今日は、ご飯はやめておこうかな”とか”半膳にしておこう”となってきたらしめたもの。
過食も収まっていくと思います。
 
 
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
mail :m.ikeda@ninus.ocn.ne.jp

池田 優

 

 

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