山ちゃんの食べもの考

 

 

その278
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
 
『食は生命なり』 【135】
「胃腸は語る」ゴールド編
「健康の結論」
新谷弘美著 弘文堂 刊
その1
 
■ 序 新谷式――まずはおさらい
 
■ 胃相・腸相という発想はこうして生まれた
 
私は食事と健康の関係をより多くの方々に伝えるべく、1998年に「胃腸は語る〜胃相腸相から見た健康・長寿法〜」という本を上梓して、胃相・腸相をよくする食事健康法を具体的に解説しました。
この本が多数の読者を得たことで、健康・長寿法について、いかに多くの人が関心を持っているかを実感しました。
 
そこで本書「健康の結論」では、さまざまな医学情報によって説かれる健康法や健康によいとされる物質を私の理論の中に位置づけることなども試みながら、お話を一歩進めて、半健康状態からほんとうの病気になる前にそれを防ぐにはどうしたらよいのか、その方法なども述べていきます。
 
現在健康な方々、あるいは〈未病〉領域にいる方々のために、健康維持と密接に関与する体内酵素や腸内細菌の重要性、そして活性酸素(フリーラジカル)の有害性を説明し、さらには病気になるメカニズムと病気の完全な予防について具体的にお伝えしたいと思います。
 
先ずは前著のおさらいをすることからはじめましょう。
 
 
●胃相・腸相がきれいな人は体全体が健康です
 
私はアメリカと日本で過去37年間にわたり、約30万人の胃腸や大腸を内視鏡で診察し、治療してきました。
私が外科のレジデント(研修医)として初めて渡米したのは1963年のことです。
 
やがて1967年にシニア・レジデントとして外科の患者さんの診療や治療に当たっているとき、食道・胃・十二指腸内視鏡(ガストロカメラ・ファイバースコープ)と大腸内視鏡(コロノスコープ)を手にし、これらの内視鏡を使ってポリープを切除できないだろうかと考えました。
 
1968年、私がチーフ・レジデントのとき、コロノスコープ(大腸内視鏡)を直腸から全結腸に挿入する技術を確立し、同時に「スネア・コーテリィ・デバイス」という、大腸ポリープを大腸内視鏡を通して切除する器具を考案し、オリンパス社に開発を依頼しました。
 
一方そのプロトタイプのスネアを使って臨床実験を重ね、1969年には大腸内視鏡を使って、開腹手術をすることなく大腸ポリープを切除することに世界で始めて成功したのです。
このポリープを切除する技術(ポリペクトミー)は、直ちに胃・食堂・小腸などのポリープの切除にも応用しました。
 
こうして胃腸内視鏡の専門医として胃腸内視鏡検査を行ううちに、私はある重要なことに気がつきました。
それは、数ヶ月から1年ぐらいで胃相や腸相がその人の飲みものや食べ物によって変化するということです。
 
また、胃相・腸相がきれいな人は、単に胃腸の状態が良いというだけでなく、体全体が健康だということです。
内視鏡で胃相・腸相を見ると、全身の健康状態もよくわかるということです。
 
 
 
●悪いものを摂っていれば体に異変が起こる。
間違った排泄法や生活習慣は胃相・腸相を悪くする
 
胃腸は食物を消化し、不要なものを排出するところです。
したがって、胃相・腸相には摂取する食べ物・飲み物や食習慣の影響が素直にあらわれます。
 
悪い食事を取っていれば、体の中で悪い食事・水分の成分が作用するわけですから、体に異変が起こるのも当然です。
また間違った排泄法や生活習慣を続けていれば、確実に胃相・腸相が悪くなるのです。
そして体の健康状態も悪くなり、老化も急速に進むということになります。
 
内視鏡で検査を始めた頃、肉食を中心としてきたアメリカ人の大腸を見て、私は驚きました。
アメリカ人の腸は固く短く、粘膜ひだが多発しています。
また内腔も狭く、憩室(ポケット状の大腸のくぼみ)があり、宿便の残存が多く見られました。
しかも、そのような腸相の人の多くは、大腸ポリープ、大腸ガン、大腸炎、憩室炎といった大腸の病気を発症しています。
 
さらには動脈硬化、高血圧、心臓病、糖尿病、肥満といった生活習慣病や、前立腺ガンや乳ガンなども患っていました。
アメリカでは1950年代から70年代にかけて、高たんぱく食、高脂肪食が蔓延していました。
そうした食生活が腸相に反映されていたのです。
 
 
 
●動物性食品を多く取る悪い食習慣
――日本人大腸がアメリカ人の腸相に似てきた
 
ところが、1980年から年2回のべ4ヶ月ほど日本に帰国し、日本人の胃腸を診断するようになって、私はまたも驚きました。
日本人の大腸がアメリカ人の腸相に似てきたからです。
 
これは1960年代、70年代の高度経済成長期を経て、日本人の食生活に肉、牛乳、乳製品などの動物食が多くなったからです。
昔の日本人の食生活は、未精製の穀物、野菜、豆類、海藻類、魚介類などが中心でした。
 
しかし、国民の生活が豊かになるとともに、肉類、牛乳、乳製品といった動物性食品を多く摂るようになりました。
その結果、日本人も腸相が悪くなり、大腸ポリープ、大腸ガンが急激に増えてきたのです。
 
1961年からは、学校給食で学童全員に強制的に牛乳を飲ませるようにし、日本全体が一体となって牛乳と乳製品(チーズ、バター、ヨーグルト、クリームなど)を、健康に非常によい、また骨を丈夫にする食品として摂取するようになりました。
これは完全な誤りです。
 
まず私自身の牛乳の経験からお話ししますと、大学受験の朝、ホテルのおばさんに勧められて、それまで飲んだこともなかった牛乳をコップ2杯ほど飲んで公立大学の受験場に行ったところ、試験中に10分から20分おきにトイレに通う羽目になり、見事に受験に失敗しました。
典型的な乳糖不耐症です。
 
私の小学校(国民学校といっていました)、中学校(第二次世界大戦後)の時代には牛乳はまだあまり出回っておらず、18歳の大学受験のときが牛乳を飲んだ最初で最後の経験でした。
だから私は、その後50年以上の間、一滴の牛乳も飲まずに過ごしてきました。
 
その後医学部を卒業、横須賀にあるアメリカ海軍病院でインターンをしたときに、医学生の時に見たこともない病気、すなわちアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患、そして若年者を中心に潰瘍性大腸炎、クローン病などの病気の患者を初めて診察し、治療の体験をしました。
まだその時までは何が原因でこのような病気が起こるのか、まったくわかりませんでした。
 
どうしてアメリカ人の病気は日本人の病気と違うのだろうと思っていろいろ質問しましたが、アメリカ人のドクター達も「原因など不明だし、治療法もあまり成功していないよ」と教えてくれました。
 
 
 
■ 食物・水・排泄。これが健康の三大要素
 
●胃相・腸相は健康や寿命を映し出す鏡である
 
胃腸の状態は、からだの健康や寿命を映し出す鏡です。
私たちの体は食物と水からできていますから、どのような食物・水をどのように摂り、どのように排泄するかが大切なのです。
私は多くの患者さんの内視鏡検査をするようになってから約2、3年目にはじめて気づいたのです。
 
よい食生活と規則的な排泄とによって、いかにきれいな胃相・腸相を維持するかが、健康と長寿の基本なのだということです。
胃相・腸相はその人の健康状態や寿命まで知らせてくれるといっても過言ではありません。
 
言いかえれば、私たちが小児のようなきれいな若い胃相・腸相を何歳まで、いかに保持できるかが健康長寿の秘訣なのです。
そしてそのようになるためには、そのような食べ物、飲み物を摂り、どのような排泄、運動、ものの考え方(精神状態の維持)をしたらよいのかを強く認識することが大切なのです。
 
 
 
●動物食は魚介類が中心。
未精製食物や野菜、果物、豆類、海藻類などを多いに摂る
 
ですから、健康と長寿を願うなら、食生活や食習慣を点検して、正しい食事法や健康法を実行していくことが重要です。
アメリカは1980年ごろから、食に対する意識が急速に変わってきました。
高たんぱく食、高脂肪食による生活習慣病の増加の反省から、動物食は魚介類を中心として、未精製穀物や野菜、果物、豆類などを大いに摂るようになったのです。
 
それは1977年にアメリカの政府が「マクガバン・レポート」を発表したことと関係しています。
上院栄養問題特別委員会の委員長であるジョージ・S・マクガバンは食事の改善を提唱し、「動物脂肪の摂りすぎ、砂糖や塩のとりすぎは心臓病やガン、肥満、脳卒中などの病気と因果関係がある。
アメリカの主要の病気の原因となる10の病気のうち6つの病気は食生活に原因している。
脂肪を減らすこと、精製されていない穀物、野菜、果物などの複合炭水化物をもっと食べ、動物食としては魚介類を食べることである」と説いています。
 
そうして1980年代からアメリカ人の平均的な食生活は変わり、いまや多くの若者の間ではとても健康的な食環境が浸透しています。
1990年代以降、アメリカではガンの死亡率も減少傾向にあります。
 
禁煙策を推し進めたのも効果がありましたし、副流塩の害を阻止するため公共の場が一切禁煙になったのも有意義です。
こうした約25年間にわたるアメリカにおける食生活、生活習慣の変化を見ても健康と長寿は食習慣と生活習慣によって作られることがよくわかりますし、政治力の大切さを強く感じるのです。
 
しかし、ひるがえって現在の日本人の食生活はどうなのでしょうか。
いまの日本人はアメリカ人に比べて、野菜や果物を食べる量が極端に少なくなっています。
 
量だけでなく、野菜の質にもかなり差があります。
例えば、ブロッコリーにしても、カルシウムの含有量はアメリカのものと日本のものを比較してみると、アメリカのほうが日本の3倍も多いのです。
アメリカのブロッコリー100グラムのカルシウム含有量は178ミリグラムであるのに対し、日本のブロッコリーは57〜58ミリグラムだそうです。
 
アメリカの野菜は土壌の違いで、ビタミンやミネラルが日本の野菜より多く含まれています。
そのうえ日本のようなビニールハウス栽培ではなく、紫外線をたくさん浴びて育てられるため、野菜自体も大きく育ち、葉や茎もしっかりしています。
また紫外線をたっぷり浴びることで、抗酸化作用をもつビタミンA、C、E、B類やフラノボイドも植物内に多量に産生されているのです。
 
 
 
●野菜・海藻類・魚介類の減った日本人の食生活。
――動物性のものは日本人の体に良い食物ではない
 
毎日食べる野菜は、栽培する土壌に補酵素(体内酵素の働きを助けます)といわれるビタミンやミネラルがどれだけ含有されているかが、健康や寿命と大きくかかわってくる。
動物食品を食べ続けてきた欧米人が、なぜ健康で長寿を保つことができたのかというと、欧米諸国の土壌や水には、日本の何倍ものビタミンやミネラルが含まれているからです。
 
ところが、日本の土壌はもともと火山灰地である上に、大量の農薬や化学肥料によって土が痩せてきています。
水も欧米諸国ではカルシウム、マグネシウムなど多量のミネラルを含んだ硬水であるのに対し、日本の水はミネラル量が10分の1、100分の1の軟水なのです。
 
日本の農業では、生産効率化のため、太陽を遮断したビニールハウス栽培がさかんです。
現在、日本で流通している野菜の3分の1がハウス栽培といわれています。
これでは野菜を食べていても、ビタミンやミネラルや抗酸化物質であるフラボノイドを十分に体に取り入れることはできません。
 
フラノボイドは光合成によってできる黄色系の色素の成分で、強い抗酸化作用を発揮します。
カニやエビの甲羅や殻に含まれるキチン・キトサンという動物性繊維と並んで私たちの健康維持にきわめて重要な役割を果たす物質として最近注目されています。
フラノボイドやキチン・キトサンについては後で詳述します。
 
ビタミンは体のサビともいえる酸化を防止し、抗酸化物質として働いて老化やガンなどの病気を防いでくれます。
今の日本の野菜はこのようなビタミンやミネラルの含有量が少ない上、土から取れた野菜だけでなく、海からとれる海藻類などもあまり食べなくなりました。
 
日本の国土は海に囲まれており、昔の日本人は魚介類から動物性タンパク質を、海藻類から豊富なビタミンやミネラルを摂ってきました。
人間は生まれ育った土地でとれたものを、できるだけ自然のまま食べるのがいちばん良いのです。
日本人の体にとって動物性の食物は、遺伝的にも体質的にも健康な食物といえないわけです。
 
野菜と並んで重要なのが海藻類です。
寒天、ヒジキ、ワカメ、ノリ、コンブなどの海藻には野菜を上回る食物繊維が含まれています。
タンパク質も十分に入っています(例えばノリは39%がタンパク質だそうです)。
食物繊維は便通をよくし、大腸内の有毒物の排泄に役立ちます。
 
特に重要なのは、海苔のぬめりの成分である水溶性の食物繊維アルギン酸です。
消化管内のナトリウムと結びついて便として体外に排出し、高血圧の予防に役立つだけではなく、血液中のコレステロールの量を減らす働きももっています。
 
カルシウムの含有量も、牛乳と比べて、ヒジキで14倍、ワカメで10倍といわれ、ほかにも5、60種類のミネラルが含まれています
 
 
 
●脂肪分は動物性食品からではなく、
穀類、豆類、魚介類から摂る
 
高度経済成長期に日本人の食生活は欧米化したといわれていますが、それは欧米の動物性食品やその食べ方の輸入が主で、植物食の摂りかた、すなわちサラダや温野菜を毎日2、3杯食べるような習慣は取り入れられていません。
その延長で1980年代後半から90年代前半にかけてのバブル経済期は美食、飽食の時代となりました。
 
しかし、動物性食品をふんだんに使用した食事をしていると、確実に健康を損ないます。
 
動物性タンパク質、脂肪をたくさん摂ることによって、活性酸素(フリーラジカル)や過酸化脂質(酸化が過剰になった脂という意味です。
つまり油ののサビです)などの毒素が腸内や体内に多量に発生するからです。
 
また、また、動物性タンパク質、脂肪、油の摂りすぎにより、腸内で大量の硫化水素、アンモニア、スカトール、アミン類などの毒素が発生し、脂肪は体内で大量の過酸化脂質として摂取され、動脈硬化、高血圧の原因となります。
腸内では免疫力や抵抗力をつかさどっている腸内細菌のバランスが崩れます。
 
腸内細菌は、体の生命力や恒常性(ホメオスタシス)を保つ酵素を体内で作り出します。
体内酵素が体の中で働くには、補酵素といわれるビタミン(16種類)とミネラル(約60種類)が必要です。
 
したがって動物性食品を頻繁に摂取し、なおかつビタミンやミネラルが不足がちになるような食事を続けていたら、体内酵素は十分に働けなくなり、健康を害して長寿を保てなくなるのです。
いわゆる美食、飽食を享受している人の胃相・腸相が例外なく悪いことはいうまでもありません。
50代、60代で種々の習慣病になり、早辞するというシナリオになります。
 
脂肪や油のとりすぎの危険性については前著「胃腸は語る」で詳述しました。
しかしその弊害は非常に大きいので、今一度ここで強調しておきます。
 
脂肪は動物性脂肪と植物性脂肪とに分けられますが、動物性脂肪は体内に老廃物をためやすく肥満の原因物質です。
肥満は動脈硬化、高血圧、糖尿病、ガンの誘因ともなりますので、動物性脂肪の摂取は極力おさえるべきです。
一方の植物性脂肪はリノール酸、リノリン酸、アラキドン酸といった必須脂肪酸を含み、細胞や血管を柔軟にし、体内の老廃物を流しだす働きを持っています。
 
しかしながら、植物性の油が良いからといって、市販の精製された油を頻用するのは考えものです。
市販の油はその製造過程でさまざまの化学処理が施されていることが多く、トランス脂肪酸として消化不良や膵臓の疾患、動脈硬化、肥満を招きかねません。
 
また、脂肪にはビタミンA、D、E、Kなど脂溶性ビタミンの腸壁からの吸収を助ける働きがあります。
しかしこれらのビタミンの吸収のために必要とされる脂肪は非常に微量なので、玄米、ごま、とうもろこし、大豆などの自然に含まれる油で十分です。
 
体に必要な脂肪分は、穀類、豆類、魚類など日本の伝統的食生活で用いられた食品から自然な形で摂取するほうがはるかに賢明です。
 
 
 
■ 私の信念・・・・・・予防にまさる医学はない
 
●長寿世界一の日本。
といっても、半健康の人たちが全体の9割を占める
 
近代医学や医療の進歩は、食事、生活習慣に十分気をつけていれば、多くの人々が健康で長生きできることを可能にしました。
たしかに日本人の平均寿命は、女性が85.33歳、男性は78.36歳で世界一の長寿国になっています(2004年7月16日の厚生労働省発表による)。
女性は19年連続で世界一、男性もアイスランド(78.7歳)、香港(78.6歳)に次ぎ世界第3位です。
 
しかし、100歳以上の人口を比較すると、アメリカ人の3分の1ほどです。
日本の人口はアメリカの人口の約半分ですから人口比からいうと2分の1でもいいわけですが、実際は3分の1しかいないのです。
 
なぜ日本人とアメリカ人で、このような違いが出てくるのでしょうか。
先にあげたように、土壌や水に含まれているビタミンやミネラルの量に差があることも理由の一つでしょう。
それと現在の日本人の食生活のありかたも、関与していると思われます。
体に良いと思って、日頃食べたり飲んだりしているものでも、有害なものがたくさんあります。
 
近年の日本は高齢社会になり、社会全体が「元気で長生きしたい」という意識が強いようです。
食事の内容に留意したりさまざまな健康食品を試す人も増えています。
そうした昨今の人々の意識を反映して、健康法や食事法の情報がちまたにあふれ、医療現場にも影響を及ぼしています。
 
しかし、それらの情報のほとんどは即効性のある単発式の健康法として紹介されているにすぎません。
もっと体全体を見て健康というものを長続きのする形でとらえる必要があります。
 
ビタミンAが良い、ビタミンEが良い、赤ワインのポリフェノールが効く、お茶のカテキンが効く、などといっても、それだけを摂取しても、健康を保ち病気を防ぐことができるわけではありません。
 
例えば、お茶のカテキンが良いといって、農薬を使って作られたお茶を何杯も飲みながら、精製されてビタミンやミネラルや酵素を取り去った白米、肉を大食し、アルコールやたタバコを続けていたら、いずれ高い確率で萎縮性胃炎や胃がんになります。
 
良い胃相・腸相をつくる毎日の食事、水、排泄、運動、そして心の充実や幸福感、それら一日一日の長年の積み重ねこそが病気の予防と長寿のための鍵となるのです。
 
37年間に約37万人のアメリカ人と日本人の胃腸を診察してきた専門医の見地からいえば、日本人の食環境は良好とはいえません、
世界一の長寿国といっても、健康な百歳以上の人口はアメリカ人に比べてずっと少ないという、先ほど述べた事実がその一つの証拠です。
 
しかも60代、70代にもなれば、多くの人が高血圧、心臓病、糖尿病、動脈硬化、骨粗しょう症などになり、病院通いをしています。
30代、40代でも、血糖値、尿酸値、中性脂肪、コレステロール値が高い人が30〜40%強います。
 
また今は年代を問わず、たくさんの人に食欲不振、頭痛、不眠、めまい、じんま疹、胸焼け、疲れやすいといった症状が見られ、イライラ、肩こり、腰痛なども含めると、半健康状態ともいえる人々が全体の9割を占めるといっても過言ではありません。
 
 
 
●私たちのクラス環境は、
ビタミンとミネラルの作用にとってマイナスの要因ばかり
 
半健康状態の人が増えたのは、もちろん食生活や食環境だけではありません。
動物食の増加や、食物そのものとビタミン、ミネラル不足も重大な問題ですが、それだけでなく環境問題やストレスなどの外部要因もあります。
現代社会がストレス社会とも換言できますが、私たちは肉体的にも精神的にも強いストレスを受けながら生活しています。
 
そのため体の中ではストレスによって活性酸素が発生し、それらの活性酸素を体内酵素が解毒するために、体内酵素を補う関係にあるビタミンやミネラルが大量に消耗されることになります。
 
環境の面から見ても、私たちが暮らす環境は、ビタミンとミネラルの作用にとってマイナスの要因ばかりです。
 
農薬、化学肥料、食品添加物、電磁波、紫外線、水道水、工場汚染、排気ガス、騒音などが、体内のビタミンやミネラルを消費し、不足に導く原因となっています。
さらに近年の医療制度の弊害として、いわゆる薬漬けも大きな問題のひとつといえるでしょう。
 
病院で処方する薬から、大衆薬としての鎮痛剤、胃薬、便秘薬、カゼ薬など、ほとんどの薬品は食物から摂ったビタミンやミネラルを消耗させ、これらの薬品を解毒するために肝臓内で酵素を大量に消費し、解毒するときに発生する活性酸素を中和したり除去するためにさらに体内酵素を使うのです。
 
また各種の薬品は、免疫力や抵抗力をつかさどる腸内細菌のバランスを崩すことによって、腸内でのビタミンの生成や吸収を妨げ、腸内細菌による3000種類ぐらいの酵素を産出する能力も低下させ、体内酵素をよりいっそう消耗していくのです。
 
私たちは今、免疫力や抵抗力や自然治癒力を高めことが難しい環境にいることは間違いありません。
健康というのはある日突然疎外されるのではなく、半健康な状態が数ヶ月から数年続いて、はっきりした病気を発症するものです。
 
だからこそ、食事、水、排泄、運動、心の充実といった総合的な良い習慣が重要になってくるとともに、体内酵素をいかに消耗せず貯蔵に向けて努力するかを学び実行することが大切なのです。
 
「予防にまさる医学はない」というのが私の信念です。
私の専門医としての知識が、皆さんの病気を防ぐ知恵となることを願っています。
 
 
 
新谷式健康法と私
偉大なり、ポリペクトリーの開発
滋賀県 宮下和夫 67歳
新谷弘美先生の「胃腸は語る」は、胃腸のみならず栄養学や医学全般に亘る解説が極めて詳細に書かれた書物です。一般の人が読んでも実に解かり易く丁寧に解説されています。それらは全て、先生の数多くの手術とご自身の貴重は体験に基づいた成果の証です。中でも肉類の大量摂取の戒めや日本古来の穀物の見直しと水の摂取の大切さなどは、重要な警告と受け取らねばなりません。
 
私も数年前、便潜血反応陽性という検査結果をもらい、さっそく、大腸内視鏡検査を受けました。その結果、5ミリ大のポリープが見つかり、即時切除を受けました。その後今日に至るも、なんら大腸の異常はありません。ひと昔前なら開腹手術により、長期入院を余儀なくされ、予後も不十分だったかもしれません。それが先生の開発された大腸内視鏡によるポリペクトミー(ポリープ切除)により、わずか1日だけの入院で退院することができました。長い入院生活と手術後の傷跡のことを思うと本当に夢のようでした。
 
先生のポリペクトミーの開発は、従来の胃や大腸の内視鏡を単なる検査機器に終わらせず、それを更に治療にまで発展させたという、その発想に偉大さがあるのです。
 
今日では、ベテランの消化器系の医師であれば、ほぼこのポリペクトミーが実施できるようになりましたが。これもひとえに新谷先生の開発の賜物といっても過言ではありません。
 
 
新谷式健康法と私
感動! 痛みも苦しみもない検査
東京都 古賀国利 67歳
胃腸に関して不安を抱いていた私が、新谷先生の著書「胃腸は語る」を手にしたのは、今から6年半前のことでした。衝撃的だったのはその検査方法で、私はそれまで2度、腸の内視鏡検査を受けましたが、いずれも激痛を伴い検査を途中で止めてもらっていました。
 
それが新谷先生の検査方法では無痛とある。ご好意を得て半蔵門胃腸クリニックにて、検査をいただいたところ、痛みも苦しみも無く、感動すら覚えました。
 
飲食については、新谷式健康法の水分補給を実行し、植物性食品を増やしました。水分を殆んど摂らず、肉食傾向大の私としては大きな変化でした。その変化はすぐにも好結果として表れ、何かといえば下痢をしていたのが、全くといってもいいほど影を潜め、毎日の生活が明るいものに変わりました。
 
安心できる検査、きちんとした裏づけのある健康法を知り、人生を前向きに生きることの大切さも教わり、元気に過ごせていることに、先生の著書を紹介してくださった中学時代の恩師へとともに、新谷先生に深く感謝いたしております。このたびゴールド篇が発汗されるとのこと、心待ちしています。
 
 
新谷式健康法と私
何よりのアドバイザー
東京都 斉藤カネ 63歳
2002年2月27日に倫理文化センターホールで、新谷弘美先生の素晴らしい講演を聴かせていただきました。先生が世界で始めて大腸内視鏡によるポリープ切除に成功したこともその時のお話で知りました。
 
実は私は3ヶ月前に、大腸のポリープを内視鏡で取ってもらっていました。ポリープも早めに気がつけば、何の心配も痛みも無く取っていただけることを体験したのです。それだけに新谷先生のお話に感動したのです。感動のあまり、講演会の帰り際に先生の「胃腸は語る」と姉妹編の「胃腸は語る・食卓篇」を買いました。
 
主食には玄米や副穀物を使いよく噛むこと、野菜など食物繊維の多いものを食べること、良い水をコップ2杯ほど毎食前に時間をかけて飲むこと・・・・・・、いろいろなことが、なぜ健康に良いのか、逆になぜ悪いのかが説明つきで書かれていますので、理解しやすく、物知りになったような気分になります。
 
お友達にも読ませてあげたら、「あの本を読んだ後自分の食生活が変わった」と、大変喜ばれました。
 
いつも座右において赤線を引いて読み返しては自分の健康、食生活に気をつけています。その意味で、先生のご本は、私にとって健康に関する何よりのアドバイザーです。感謝しております。ありがとうございます。
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
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池田 優

 

 

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