山ちゃんの食べもの考

 

 

その281
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
 
『食は生命なり』 【138】
「胃腸は語る」ゴールド編
「健康の結論」
新谷弘美著 弘文堂 刊
その4
 
第2章
老化を早め、病気を作る活性酸素  の1
 
活性酸素とは呼吸によって取り入れた酸素が生み出す副産物。
通常の量であれば害はありません。
現代社会が人間の体の処理能力を超える量の活性酸素を発生させる環境を作り出したことが問題。
何が活性酸素を発生させ、体にどんなどんな害を及ぼすのか・・・
まずこれを知り、そして、活性酸素にまけないからだをつくるにはどうしたらよいのか・・・
これを詳しく見ていきます
 
 
 
■ 活性酸素は栄養素が体にとどまることを妨害する。
それを解毒してくれるのが体内酵素
 
私たちの体を作っているのは、いうまでもなく食物、飲み物です。
健康と寿命は食べ物で決まる、といっても過言ではないのです。
ですから、摂取した食べ物は、しっかり分解され、吸収されて、栄養素として体の中にとどまらなければなりません。
 
ところが、栄養素が体の中にとどまることを妨げるのが、活性酸素という物質です。
紫外線、電子波、タバコ、アルコール、コーヒー、レントゲン線など、ある種の有害物質が体の中に入ってくると、活性酸素が発生します。
活性酸素ができると体の中で栄養素がとどまらず、どんどん失われてしまいます。
この活性酸素を解毒してくれるのが体内酵素です。
体内酵素とビタミン・ミネラルは、それぞれの働きを高める相互補助関係にあります。
ですから、食べ物からきちんとビタミンやミネラルを摂っていても、活性酸素ができることで解毒作用を必要とし、体内酵素とともにビタミンとミネラルも消耗してしまうのです。
相して活性酸素は健康を阻害して、老化を促進させるだけでなく、ガン、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの病気の原因にもなるわけです。
 
それでは、体に害を及ぼす活性酸素とはどういうものなのでしょうか。
体内酵素のところでも少し触れましたが、もう一度説明します。
活性酸素はフリーラジカルとも言われ、簡単にいうと体を酸化させる、サビつかせる物質です。
大量に発生した活性酸素は、過酸化脂質などの有害物質を作り、細胞膜や遺伝子などを酸化し破壊してしまうのです。
 
活性酸素の種類には、スーパーオキサイドラジカル、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、過酸化水素などがあります。
この中のスーパーオキサイドラジカルは、体内ですでにつねに発生しています。
私たちの体内では、呼吸から取り入れる酸素のうち、ごく少量が活性酸素に変化するといわれています。
これがスーパーオキサイドラジカルで、これは体の細胞内にあるミトコンドリアが、酸素のグリコーゲンからエネルギーを産出するときに副産物としてできるものです。
 
しかし、ここで発生した活性酸素は、体の内部に備わっている活性酸素の防御機能が働き、体に害を与える前に処理してしまうことができます。
SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼなど、抗酸化酵素といわれる体内酵素が、ミトコンドリアでできる活性酸素の害を防いでくれるのです。
空気中には約2%の活性酸素が存在しているそうです。
私たちは呼吸をして生きているわけですから、活性酸素の害を避けるわけにはいきません。
しかし、少量の活性酸素であればSODなどの体内酵素が自然に防御してくれるわけです。
 
しかも活性酸素というのは、必ずしも体にとって悪者というわけではありません。
活性酸素はホルモンの生産に関与したり、体内酵素の活性化にたずさわったりしています。
また細菌やウイルスに感染した場合、免疫系統で有力な武器となることもあります。
体の中に細菌が侵入してくると、白血球が細菌を攻撃するときに活性酸素を大量に発生させるのです。
つまり活性酸素は健康維持にも役立つけれど、過度に発生したとき。あるいはビタミンやミネラルなどの抗酸化物質が体内に十分存在していないときに、老化を早め、病気を作る危険なものとなるわけです。
 
現代社会は、体の処理能力を超えるような大量の活性酸素を発生させる環境にあります。
活性酸素の原因となる紫外線、放射線、長音波、電磁波、排気ガス、排煙、農薬、除草剤などに取り囲まれて、私たちは暮らしています。
また鎮痛剤や胃薬などの薬品、副流煙を含むタバコ、アルコール、食物としての油、脂肪など、それらが体に及ぼす害に無自覚なまま、食べたり飲んだりしているものもたくさんあります。
 
病気を防ぎ、長寿を保つためには、知らぬ間にどんどん体内で発生している活性酸素を除去していく必要があります。
それには、何をおいても食事が大切です。
活性酸素の解毒に役立つ栄養を摂取する、すなわち有機栽培の精製されていない穀物、野菜、果物、海草類をよく食べ、還元・抗酸化作用のある良い水を飲み、ストレスをためずに適度の運動を続ける、といったことが活性酸素に対抗する方法なのです。
特に体の酸化を防止する抗酸化作用を持つビタミンのビタミンA、ビタミンC、、ビタミンE、ミネラルではセレン、カルシウム、亜鉛などを多く含んだ食物をしっかり食べることです。
 
日常の食事から栄養をしっかり摂取していても、それが体に回らず、つねにビタミンやミネラルが欠乏している人が非常に多く見受けられます。
まだはっきりと病気にはなっていないけれど、潜在性の病気はあらわれています。
例えば、疲れやすくなっていたり、イライラしがちであったり、病気ではない程度の不健康というような状態の人々が多いのです。
こうした状態から、健康を回復するか、本当の病気になるかは、いかにしてビタミンやミネラルや体内酵素を欠乏させないようにし、活性酸素を発生させないかということにかかっています。
 
活性酸素とその害については、なんとなく知っていても、それを防ぐことをしていない人がたくさんいます。
活性酸素に負けない体になるには、知識を得て、体内で大量に発生する要因を断たなくてはいけません。
ここからは、どういうものが活性酸素を発生させ、どのようにして体に害を及ぼすか、詳しく述べていきたいと思います。
 
 
 
■ 紫外線を浴びると、強力な活性酸素の発生により
ガン細胞ができる危険性がある
 
紫外線の危険性は、最近さかんにいわれているので、気をつけている方も多いでしょう。
紫外線というのは、太陽光線に含まれている高エネルギーの電磁波です。
UVA、UVB、UVCの3種類があり、もっともエネルギーの強いUVCは、オゾン層が地上への照射を防いでいます。
UVA、UVBが地上に届き、長時間、紫外線を受けたときに害を及ぼすわけです。
オゾン層とは、有害な紫外線や放射線が地上に届くのを防いでいる大気の層です。
ところが、近年はフロンガスによるオゾン層破壊が、紫外線の地上への照射を増大させており、人体への影響がとりざたされているのです。
 
紫外線によって発生する活性酸素は、ヒドロキシルラジカルです。
ヒドロシキルラジカルは、酸化させる力が最も強い活性酸素で、紫外線を浴びたときに、強力なエネルギーによって体内で活性酸素を作り出します。
紫外線は、もともと細菌類を殺す力をもっています。
たとえば、洗濯した衣類を日光で乾かすのは、殺菌の意味合いもあります。
水分を多く含んだ衣類が紫外線を浴びると、ヒドロキシルラジカルが発生します。
強力な活性酸素が発生することで、細菌を殺すのです。
この細菌を殺す強力な力は、人間の皮膚や細胞にも同じように働きます。
紫外線を大量に浴びることで、皮膚の細胞を分解し、シミ、シワを作るだけならまだしも、ガン細胞をも作り出してしまうのです。
 
紫外線は非常に危険なものではありますが、完全に避けることはできません。
戸外で仕事をしたり、運動をするときには、帽子をかぶったり長袖の服を切るなどの工夫が必要です。
とはいえ、晴天の日の戸外では、帽子や日傘などで防いでも、地面からの反射もあります。
そこで、対策としては、食物から抗酸化物質を取り入れる必要があります。
ガン予防に高い効果があるのがβ‐カロチンです。
アメリカの研究では、紫外線を大量に浴びると、体内のβ‐カロチンを減少させるといわれています。
紫外線をたくさん浴びた日は、β‐カロチンを含んだ緑黄色野菜、果物や海草を十分に食べることです。
 
 
 
■ 電磁波は、ガンや脳腫瘍の原因になったりする
 
かつてのわれわれは、電気製品による電磁波の悪影響をほとんど受けていませんでした。
50年前にテレビが生まれ、次いでさまざまな電気製品が普及しだしたときから、人間の健康は徐々に蝕まれていったのかもしれません。
さらに20年前くらいからオフイスではOA機器が使用されるようになり、やがてパソコン、ワープロ、ファクシミリ、携帯電話などが必要不可欠なものとなって、今世紀は電子波の世紀となったわけです。
このような電気製品による電磁波は、活性酸素を発生させる要因であり、また種々のガンや脳腫瘍の原因であるともいわれており、いかに私たちの体に害を与えているかはかり知れないのです。
不妊症の若者たちが多いのも、コンピューターの電磁波による被害かもしれません。
 
われわれの暮らしている世界には、電場、磁場などがあり、電場と磁場の周波数の変化が、波動となって伝わるのが電磁波です。
電子波は周波数の高さによって、放射線、紫外線、可視光線、赤外線、電波に分類されます。
通常、電磁波というときは、電磁波の中で太陽光(紫外線・可視光線、赤外線)より周波数の低い電波を、そのまま電磁波と呼んでいます。
 
現代社会においては、電気製品なしに便利な生活はできません。
これらの電気製品はすべて電気で稼動し、電磁波を出しています。
つまり電気のあるところでは、必ず電磁波が出ているわけです。
電気製品による電磁波は、紫外線や赤外線より周波数が低くエネルギーも弱いため、昔は人体に悪い影響は与えないとされていました。
しかし、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電気毛布、電子レンジ、エアコン、パソコンと電気製品が次々と開発され、いろいろな健康障害があらわれるにつれ、その影響が問題視されるようになりました。
 
電磁波が原因とされている病気や症状は、ガン、脳腫瘍、白血病、白内障、疲労感、不妊、異常出産などです。
こうした障害を避けるには、強い電磁波を発する電気製品をできるだけ使わないか、使用するときには最低1メートルは離れることです。
接触型の機器、携帯電話などには、電子はブロッカーをつけるなどの手当ても必要でしょう。
 
 
 
■ 活性酸素を大量に発生させるガン治療
 
医療によって、体内に活性酸素が発生することがあるというのは、いまや広く知られています。
その代表的なものが、いわゆるガンの3大治療です。
手術療法、薬物(抗がん剤)療法、放射線療法は、ガンの治療として行われていますが、これらの治療ではガンを完治することはできません。
むしろ、体に害を与えるといってもいいくらいです。
 
検査などでガンが発見されると、ガンが限局している早期発見であれば、手術療法によってガンを摘除します。
しかし、ガン細胞を取り除くということは、組織を破壊するわけですから、体全体の免疫力が失われてしまうわけです。
抗ガン剤は手術療法や放射線療法と併用でもちいられますが、副作用の問題もとりざたされています。
またガンの進行を遅らせたり、小さくするための放射線療法にしても、ガン細胞だけに照射するのは難しく、正常な組織も壊してしまうのです。
 
現在、医療機器はめざましい進歩をとげ、手術の方法や薬剤も次々と開発されています。
ところが、ほとんどのガンの罹患率と死亡率は増加しており、すべてのガンの完治率を見ても5割に満たないわけです。
これは、ガンの三大治療の限界を意味しています。
 
 
●手術療法は諸刃の剣である
手術はある意味で、体の恒常性、免疫力、治癒力を失わせるものです。
手術で組織を切開すると、白血球の顆粒球が増えてそこに集まってきます。
そしてその顆粒球は、傷口に発生した異物を排除し、役目を終えて死ぬときに大量の活性酸素を放出します。
つまりガンを切ることで顆粒球を増やし、ガンの周りの細胞も酸化させるわけです。
顆粒球が増えすぎると細菌や異物を攻撃するだけでなく、周囲の組織も攻撃してしまうわけです。
 
結局、ガンの手術ではガン細胞だけをきれいにとるということはできず、周りの組織を傷つけます。
たとえば、大腸ガンや前立腺ガンの場合、転移を防ぐため、リンパ節もごそっと切除する例が多くあります。
しかし細胞や神経や血管がつながっている臓器や器官をばっさり切り取ってしまったらどうなるでしょうか。
それによってあらゆる組織の機能に影響が及び体中の免疫機能が阻害されます。
そうすると、ガンは再発しやすくなりますし、再発したときに今度はガンと戦う力がなくなってしまうのです。
 
 
●抗ガン剤はできるだけ使わないほうがよく、
免疫力や治癒力を高める努力をすべき
 
抗がん剤による治療は、多くのガン患者さんに行われています。
しかし、抗がん剤を投与された患者さんの体が受ける負担は非常に重いものです。
髪の毛が抜けたり、食欲がなくなったり、皮膚や爪がぼろぼろになったりすることもあります。
それは抗ガン剤が、細胞の分裂や再生を阻害するため、毛根の細胞や、胃腸の上皮細胞や、造血細胞などが損傷されることで、さまざまな副作用があらわれるからです。
 
たとえば、抗がん剤を投与された患者さんのほとんどは下痢を起こしますが、小腸の上皮細胞が破壊されるため、食物を消化・吸収できなくなり、下痢が起こるのです。
また造血細胞の破壊によって、白血球、赤血球、血小版が作られなくなり、免疫機能が急激に低下します。
抗がん剤を使用することで、ガン細胞の分裂や再生だけを阻止できればいいのですが、正常な細胞までも傷めつけてしまうわけです。
 
抗がん剤の効果は20%〜30%であるにかかわらず、副作用は100%あらわれるといわれています。
抗がん剤には、アルキル化財、代謝拮抗剤、アルカロイド系製剤、抗生物質剤、ホルモン剤などがあり、ガンの種類や症状によって使われていますが、すべて何らかの副作用が出ることが認められているのです。
 
抗がん剤は、大まかにいえば体内で活性酸素を発生させ、その破壊力でガン細胞を攻撃しようとする薬です。
私は抗がん剤はできるかぎり、使わないほうがよいと考えています。
限局ガン、浸潤ガンの早期発見であれば、食事療法やサプリメント、還元・抗酸化水の摂取、排泄機能の改善などによって、免疫力や治癒力を高める努力をすべきではないかと思います。
 
 
●ガンに放射線治療は、決してお勧めできる治療方法ではない
 
放射線による治療は、早期の患者さんに、手術療法や薬物療法と併用で行われます。ガン細胞に放射線を照射し、ガンの進行や転移を遅らせたり、ガン細胞を小さくします。
現在は、ガン細胞だけにピンポイントで照射できるといいますが、やはり免疫系統に異常が現れます。
それは手術療法と同様、ガン細胞に放射線を照射することで、周囲の組織も破壊されるからだと考えられます。
ガン細胞への刺激によって、顆粒球が大量に産生され、ガン細胞のところまでかけつけた顆粒球は、その周囲で活性酸素を放出します。
その結果、回りの正常な組織も打撃を受けて、全身の免疫系統の機能がうまくいかなくなるのです。
 
放射線の破壊力というのは、非常に強力なものです。
放射線を照射されると、細胞の遺伝子が損傷されます。
放射線そのものが、ガンの発現を促進させるといってもいいくらいです。
もちろん放射線療法も、下痢や吐き気や体のだるさなど、いろいろな副作用が起こります。
放射線療法も、決しておすすめできる治療方法とはいえません。
 
 
ガンの三大治療はどれも、活性酸素を発生させます。
活性酸素が発生したら、それを解毒するために体内酵素が大量に消耗されます。
体内酵素が大量に消耗されれば、健康維持や修復ができなくなり、免疫力や治癒力が低下します。
ましてや手術をし、抗がん剤を服用し、放射線を浴び続ければ、体内酵素はそれらの解毒に消費されつくしてしまいます。
つまりは治療することで、本来備わっている生命力を失わせてしまっているのです。
 
元来医療というのは、患者さんの症状を改善し、完治させるべく努力するものです。
ところが、現在の医療は逆行しているのではないかと思えてなりません。
治療、検査、薬剤投与しかりです。
すべて、人間の自然治癒力を抑制してしまっているのです。
 
私が行う大腸内視鏡検査法は、従来の大腸検査の苦痛を解消するため、前投薬(軽く眠らせる薬)を使用しています。
この前投薬はコンシャス・セデイション、意識のある鎮静薬という意味ですが、検査中に患者さんに話しかければ、ほとんどの方が目を開き、反応します。
ですから、より安全で、麻酔薬のような合併症はほとんど起こりません。
 
内視鏡検査は、レントゲン検査と違って、放射線を浴びることもないわけです。
検査のためとはいえ、放射線を体に浴びれば、活性酸素が大量に発生します。
頻繁に検査を受けることで、ガンになる危険性さえあります。
中にはバリウム注腸検査でレントゲン照射が必要な患者さんもいますが、放射能を使用する検査は、避けるに越したことはないのです。
 
医療現場では、さまざまな検査法が臨床使用されており、大学病院などでも当たり前のように人間に有害な検査を施行しています。
放射線よりは害が少ないといわれていますが、MRI(磁気共鳴画像法)や超音波検査にしても、活性酸素の影響が懸念されています。
たとえば、妊娠の検査として、超音波検査が行われます。
けれども、体の細胞がどんどん分裂し、成長している胎児に、電磁波を当てることが良いことだとはとうてい思えませんし、その検査にはそれ相応の医学的理由が必要であり、ルーティンにするような検査では絶対にないはずです。
 
現代医学の医療では、検査や治療によって活性酸素を大量に発生させています。
健康診査などの各種検査は必要最小限にとどめ、薬剤の服用もできるだけ避けるべきです。
 
 
 
■ 薬は基本的には有害である
 
多くの人は、普段いろいろな薬を飲んでいますが、そうした薬剤の多くは基本的には体に有害なものです。
カゼ薬、胃薬、鎮痛剤、便秘薬といったいわゆる西洋医学の薬剤は、化学物質だからです。
薬剤の化学物質が体内に入ってくると、活性酸素が発生し、解毒するために大量の体内酵素が消費されます。
また、たいていの薬剤は、腸内細菌層のバランスを崩します。
そして体内酵素が十分に産生されなければ、消化酵素、解毒する酵素も行き届かず、健康維持のための酵素が消耗されつくしてしまうのです。
 
薬を飲むよりも、まずは自分のどのような生活習慣や食生活がその症状の原因になっているかを反省し、正しい食生活、良い水、適当な運動、菌ストレッチ、コーヒーエネマ(浣腸)などによる正しい排泄、ストレス解消のための精神修養等々が、薬を気軽に飲む前にするべき方法でなくてはなりません。
体に良い食べ物、飲みものを取り入れること。
これが健康と長寿の基本です。
 
 
●制酸剤は安易に飲んではいけない
 
胃酸を押さえる胃薬がありますが、安易に飲むべきではありません。
胃の中の膣の中に、正常状態ではPH1.5〜3ぐらいの非常に強い酸があってこそ、私たちの体は正常に働くのです。
こうした胃薬がなぜ悪いかといいますと、腸内細菌のバランスを崩し、胃腸の機能に異常をきたすからです。
逆に言うと、ちゃんと胃酸がないと腸内細菌がバランスを崩し、だめになるのです.
 
多くの人は胃の調子が悪くなると、市販の胃薬で胃酸を抑えようとします。
しかし、薬で胃酸を下げるとどうなるでしょうか。
私たちの胃腸には、食物といっしょにたくさんの細菌(約3000億といわれています)が入ってきます。
それらの細菌は、正常に強い胃酸が殺してくれるわけです。
胃の調子が悪いからといって、胃薬を頻繁に飲むと、胃酸の出がつねに少なくなってしまいます。
すると、有害菌が住み込みやすい環境になります。
 
もちろん胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合は、2週間から3週間胃酸を抑えるために飲んでもかまいません。
しかし、潰瘍がおさまれば、飲むのは止めなければならないのです。
薬を飲んでいる間に今まで間違っていた生活習慣た食生活を正しく治さなければ潰瘍はまたすぐ再発するということになります。
習慣になって飲み続けると、強制的に胃酸を抑制してしまいます。
長期に胃酸を抑えるようなことを続けると、かえって胃腸に異常が起こってきます。
胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカーなどの強い制酸剤ができてからは、潰瘍の内科治療が格段に進歩しました。
しかし、いくら効果のある制酸剤でも、肝心の食事や生活習慣が改善されなければ、胃腸の病気は完治しないのです。
 
正常に強い胃酸の働きは、
@口から入ってくる数千億の雑菌、有害菌を除去する。
A自分の持っている消化酵素を活性化する。
Bビタミンや種々のミネラルの吸収を促進する。
C腸内細菌のバランスを保ち、免疫力、自然治癒力を保持する。
D胃の粘膜を正常に保ち、萎縮性胃炎を予防し、胃ガンの発生を予防する。
などがあります。
 
制酸・抗酸剤を安易にまた長期に摂取することは、体の恒常性を乱し体全体の機能を低下させます。
 
 
●抗生物質を服用すると、腸内細菌のバランスが失われる
 
抗生物質を服用すると、100〜120兆といわれている腸内細菌の有害菌ばかりでなく、有用菌も殺したり傷つけることによって、腸内細菌のバランスを失い、下痢を起こすことになります。
たとえば、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になるといわれているピロリ菌の除菌には、1種類の抗潰瘍薬と2種類の抗生物質が使われています。
しかもピロリ菌を完全に除去するには、大量の抗生物質が必要です。
それによって、腸内細菌は大きなダメージを受け、体全体の抵抗力、免疫力、治癒力が落ちてしまうのです。
 
ピロリ菌除去のための抗生物質には、細菌の細胞壁を破壊するもの、遺伝子の複製を抑えて増殖を抑止するもの、たんぱく質の合成を抑えるものなどがあります。
これらの抗生物質が腸内でどのような作用をするのか、まだ解明されていない部分も多いので、即抗生物質という治療よりも、食習慣、生活習慣の見直しのほうが大切です。
単にピロリ菌がいるというだけで、すべての感染者に大量の抗生物質を投与するのは賛成できません。
 
日本人全体の約半数の人たちにピロリ菌がいるといわれています。
抗生物質は、さまざまな病気や症状に処方されていますが、抗生物質を長期間飲んでいる人は、アレルギー反応を起こしやすいという報告もあります。
それは抗生物質が腸内細菌のバランスを乱し、アレルギー抑制の免疫機能を低下させてしまったためではないかといわれています。
 
 
●便秘薬を飲んでいる人の腸相は悪い
 
慢性的な便秘に悩む人は、便秘薬に頼ることが多いようです。
しかし、この便秘薬が問題です。
便秘薬は大体が刺激物であり、体にとっては毒物といっていいからです。
殆んどの便秘薬は、腸の動きを異常に刺激し、蠕動運動を不自然に起こさせます。
そうした処置が腸によいわけはありません。
 
長期にわたって便秘薬を常用している人の腸相が悪いことがはっきりしています。
内視鏡で便秘薬を常用している人の腸相を見ると、腸粘膜が蛇の皮のように黒っぽくなっています。
このような腸の状態を、結腸色素沈着症といいます。
こうなってしまうと、腸の本来の機能は失われて、自然な排泄能力を回復することができなくなります。
また長期間の便秘薬の使用は、肝機能が低下することもあります。
便秘を解消するのに、種々の漢方薬を含め薬を用いるのはやめるべきです。
 
 
●漢方薬や薬草類は1、2週間以上続けて使用しない方が安全
 
漢方薬は薬品ではないから安全、ということで使用している人は多いのではないでしょうか。
たとえば、便秘解消のために、市販の便秘薬ではなく、漢方薬を用いる人がよくいます。しかし、そうした漢方薬を飲んでいる人の腸には、強い収縮やけいれんが見られます。
そのため、便秘と下痢を繰り返したりすることもあります。
 
また漢方薬には、アンソラシンという化学物質が含まれており、これが腸の粘膜を変色させて、メラノーシスという色素沈着症を発症させます。
それによって、大腸のポリープやガンもできやすくなります。
アンソラシンは化学物質ですから、当然、活性酸素が発生して、解毒には体内酵素が消耗されます。
いわゆる漢方薬であるアロエやセンナやハーブ類など、便通をうながす薬草も、色素沈着症を起します。
したがって、漢方薬や種々の薬草類は、1、2週間以上続けてしないほうが安全です。
 
 
ここであげた以外にも、体に害を与える薬剤はたくさんあります。
抗生物質のほかにも、処方される薬によって、下痢になることがあります。
その中には心臓の薬、通風の薬なども含まれています。
また血中のコレステロールが高いからといって、薬でコレステロール値を下げるのも良くありません。
高脂血症などの薬は、肝臓や腎臓に負担をかけるからです。
少なくとも3ヶ月〜4ヶ月は、食事療法、良い水、運動、コーヒーエネマなどで改善するよう努力することです。
風邪薬や、鎮痛剤、下痢止めの薬にしても、飲まない限りです。
 
医学の進歩によって、薬剤も新薬が続々と開発されています。
それらの薬剤は効き目が強く、即効果的に症状が軽減されます。
しかし、そのように効果があるということは、同時に体の正常な働きをも抑えてしまいます。
そればかりか、腸内細菌のバランスを崩し、免疫系等、ホルモン系、神経系などの機能を低下させるのです。
薬というのは、普通の西洋薬にしても漢方薬にしても、薬であることに変わりはありません。
 
 
 
■ 胃ガンを予防するはずの
緑茶を飲んでいる日本人は、
アメリカ人に比べて10倍ぐらい胃ガンが多い
 
嗜好品は摂って良いものと、禁止または制限しなければならないものがあります。
たとえば、日本茶(玉露、煎茶、番茶mほうじ茶などの緑茶)、中国茶、紅茶、ドクダミ茶、杜仲茶、コーヒーなど、多くの人がその危険性にあまり気づかず飲んでいると思います。
これらの飲みものは、体に害を及ぼすカフェインやタンニン酸、それに体内に活性酸素を作る他の化学物質がたくさん含まれています。
タンニンの含有量(抽出液100m?)は多い順で、玉露(230mg)、紅茶(100mg)、煎茶(70mg)、コーヒー(60r)、ほうじ茶(40r)。
カフェインの含有量(抽出液100m?)は、玉露(160mg)、紅茶(50mg)、コーヒー(40mg)、煎茶・ほうじ茶(20r)となります
 
とくに緑茶の玉露には、タンニン酸が多く含まれているので、常用していると胃の粘膜が顕微鏡的に薄くなる萎縮性の変化があらわれてきます。
ですからタンニン酸が多く含まれる飲みものを、毎日大量に飲んでいる人の腸内環境は良くないのです。
胃の粘膜が顕微鏡的に薄くなり、萎縮性胃炎が進むと胃ガンができやすくなると思われます。
進行した萎縮性胃炎のある人は、毎日7、8杯以上の緑茶を飲む人たちによく見られます。
 
緑茶には、カテキン(タンニンの一種)などの抗酸化物質が含まれているので、胃ガン等のガンを予防するといわれています。
近年では海外でもグリーンティーを好んで飲むようになりましたが、私の胃の検査の観察からいいますと、1日2〜3杯程度にし、特の空腹時に飲むことは止めたほうがいいと思います。
というのは、胃ガンを予防するはずの緑茶を飲んでいる日本人は、アメリカ人に比べて10倍ぐらい胃ガンが多いからです。
日本人の50歳以上の約90%の人には、萎縮性胃炎が見られます。
ところが、アメリカ人には、そういう人は、20人に一人もいません。
 
これは、どうしてなのでしょうか。
緑茶に含まれるタンニン酸を多く摂ることが、萎縮性変化の要因になり、胃ガンを起こしやすくしているのではないかと考えられます。
緑茶を多飲して、萎縮性胃炎になると、胃の粘膜が少なくなります。
すると、胃の粘膜は、粘膜によって保護されなくなります。
同時に粘膜を覆っている上皮細胞も萎縮します。
このため、粘膜は日本茶に含まれているタンニン酸、カフェインなど、いろいろな化学物質によって傷つきやすくなるわけです。
そして細胞が損傷しやすいために変異細胞ができ、ガン細胞の発生が促進されて、ガンになるのだろうということが推察されます。
 
東北大学医学部の坪野吉孝講師らの研究グループは、9年間に渡って宮城県内の40歳以上、2万6000人を対象に調査を行っています。
この報告によると、緑茶を1日5杯以上飲む人も、1杯以下しか飲まない人も、胃ガンになる確率は同じであったということです。
また三重大学医学部の川西正祐教授のグループは、緑茶に多く含まれるカテキンが、細胞内のDNAを傷つけ、ガンを発症させる仕組みを発表しています。
 
ここ数年、カテキンはガンの発生を抑制し、健康にいいと注目されてきました。
しかし、研究グループは、緑茶に含まれる約40倍の濃度のカテキンを細胞に与えると、通常より1.5倍〜2倍DNAが傷つくことを示したのです。
これらの研究を見ても、緑茶をたくさん飲むことが、胃ガンの防止につながるとは考えられません。
 
いずれにしても日本茶、中国茶、コーヒーなどは1日1、2杯以上飲まないことです。
緑茶の場合、嗜好品として飲むなら、1日2〜3杯程度、食後に飲むに止めてください。
これらの飲み物は、たくさん飲むとカフェインの弊害、たとえば不眠症や不整脈や脱水症状も起こします。
したがって、こうした症状が出ている人は、十分注意することです。




 

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生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

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池田 優

 

 

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