山ちゃんの食べもの考

 

 

その288
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
 
『食は生命なり』 【145】
「食べ方」一つで
人生が変わる!
「病気にならない
食べ方 食べ物」
石原結實 著  海龍社 刊
その2
 
第1章 『食べすぎ』が病気を引き起こす・・・の2
 
●「万病一元、血の汚れから生ず」・・・の2
1、血液を汚す7つの要因・・・の2
 
A発疹(じんま疹、湿疹など)・・・
老廃物と水分を排泄させる反応
 
ヒ素や青酸カリ、食中毒菌ほどの毒性がない、食品添加物、残留農薬、化学調味料、化学薬品、過食や肉食過剰の結果生じるアミン、アンモニア、スカトール、インドール・・・・・・等々の有害物質は、一応、胃腸を通して血液に吸収される。
 
しかし、血液中の白血球が、そうした物質を有害である、と認識すると、マスト細胞からのヒスタミンの分泌を促してアレルギー反応を起こし、水分と一緒にそうした有害物を皮膚から排泄させる。
これが発疹である。
じんましん、湿疹、可能人・・・・・・などというのは、人間が勝手に命名した診断名であり、すべての発疹は体内の老廃物と水分を排泄しているようすに他ならない。
 
このように発疹の真の原因は血液の汚れにあるのに、西洋医学では皮膚の異常としか考えないので、抗ヒスタミン剤やステロイド剤で、アレルギー反応そのものを押さえ込もうとする。
よって、皮膚病は一時的に治ったように思えても、再発・再燃を繰り返すことが多いのである。
もちろん発疹の痒みや不快感で「眠れない」「仕事や勉強に集中できない」「外出できない」等々の症状があるときは、薬で一時的にアレルギー反応を抑える必要もあろうが・・・・・・。
 
その点、漢方では、皮膚病は血液の汚れが真因と考えるので、老廃物を汗や尿などで排出させる十味拝毒湯や葛根湯を用いることにより、根本から治そうとする。
 
皮膚病の患者さんに「大食漢でしょう」とか「ほかの人より、たくさん食べる傾向があるでしょう」と尋ねると、ほとんど例外なく少しニヤリとされて、「ハイ」という答えが返ってくるのが常である。
皮膚病の原因がよくわかろうというものだ。
 
ごく最近、診察で経験した興味深い実例がある。
年に1、2回ではあるが、20年近くも当方のクリニックへ「健康相談」に通ってこられていたHさん(83歳)は、2004年に脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症を患われ、その後遺症でかなり「ボケ」られた。
2004年の暮れに診察したときは、お顔の色艶も悪く、不整脈もあり、下肢は氷の如く冷たく、ボケのため、ほとんど会話もできず、「これが最後の診察になるなあ」と心のなかで思ったものだ。
 
それが2005年の蔵、家人より恒例の年末の診察を受けたいとの連絡があった。
去年もあんなに悪かったのに、連れてこられて、大丈夫かな、と思ったが、実際においでになって、びっくり。
去年より、明らかにお顔の色もよく、会話も十分に成り立つ。
手足の冷たさやむくみもとれて、脈拍、心音ともに正常化されている。
「何か特別な健康法でもされましたか」と、ご家族に尋ねると、「頭皮に大きな化膿した発疹が生じ、膿が毎日ドロドロ出て、それが1、2ヶ月続いて、徐々によくなり出したころから、全身状態もよくなり、ボケも改善されてきた」とのこと。
 
これこそ、西洋医学では、その因果関係はわからないであろうが、血液の流れが皮膚の発疹を通して排泄されて、血液が浄化され、脳の血行をはじめ全身の血流がよくなり、ボケや冷え、むくみがとれてきたと自然医学的には解釈できるのである。
 
 
◆体験談
ジュース断食で老廃物を出してアトピー性皮膚炎が回復
 
さくらも満開の季節ともなりました。
突然、ぶしつけにもお便りすることをお許し下さい。
私は県立高校の教諭です。
昨年担任しましたA君という生徒が、先生の保養所にお世話になって以来、見違えるほど順調に回復を果たし、新2年生になった今も元気に通学しております。
この変化に驚くばかりで、一個人としてお尋ねしたいことがあって、お手紙差し上げています。
彼は、幼いころよりアトピー性皮膚炎を患っており、さまざまな治療を試みたものの、劇的には、回復に至らなかったように聞いております。
体質も、そして心の中にも原因があったように思いますが、先生の保養所において、どんな治療法がされたのでしょうか。
本人にも聞いたのですが、何分、寡黙なので、概要はつかめるのですが、細かいことはわかりません。何か資料等がありましたら可能な範囲で、情報を提供していただけませんでしょうか。
勝手なお願いで申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
担任として、何もしてやることができませんでした。感謝しております。敬具
兵庫県 ○本○美
 
もちろん、この先生にはきちんとご返事を申し上げたが、「アトピー」について、以下、東洋医学的・自然医学的な解説をしてみる。
 
アトピー性皮膚炎[アレルギー]は、「冷え」と「水」よりくる陰性病[水毒=水滞]であること、また皮膚をとおして老廃物を排泄している状態と考えて良い。
その証拠に、アトピーが悪化すると、皮膚から悪臭が漂うことがよくある。
またアトピーの人は、大食する人、水分をやたらと摂る人が多いが、その結果、食毒が体内にたまっていると考えて良い。
よって、ジュース断食をして、目くそ、鼻くそ、大便、小便、汗や断食疹(発疹)で、老廃物を排泄させ、その後、朝はニンジン・リンゴジュースや生姜紅茶、昼・夕は陽性食を腹8分目に食べ、散歩やスポーツを十分にやり、入浴はシャワーで済ませず時間をかけて湯船に入り、体を温めると、快方に向かう人が多い。
 
アトピーの人の病歴を聞くと、中学や高校時代に、部活で、スポーツを必死にやっていたときは、完全によくなっていたが、社会人になり、スポーツをやめ、会社でストレスがかかるようになって再発したとか、大学受験の勉強中、運動不足とストレスに陥り悪化した、という人が多いものだ。
 
スポーツで体温を上昇させ、発汗視、老廃物と水分を排泄させれば、アトピーがよくなるのは道理だし、逆にストレスがかかって、血行が悪くなり、体温が低下し、老廃物と水分が体内に溜まれば、悪化するのは当然なのである。
 
こうした食生活、運動、入浴に留意した上に、漢方薬の越婢加術朮附湯(えつびかじゅつふとう)を服用すると、回復が早くなることが多い。
これは、体を温める麻黄、附子、生姜、大棗と利尿作用(水を捨てる)のある朮と、耐熱と体表の痛みをとる石膏でできている薬である。
 
 
B炎症・・・体内、血液内の老廃物を燃やす反応
炎症とは気管支炎、肺炎、胆のう炎、膀胱炎・・・・・・等々、「炎」のつく病気で、英語でもinflammationn(flme=炎)といい、文字通り、体内、血液内の老廃物が燃やされている状態である。
 
血液中に老廃物が多くなっても、発疹を起こすほどの体力のない老人や虚弱者、逆に、体力がありすぎて、少々の老廃物の存在では発疹を起こさない人の体内、血液内には、体外からバイ菌(細菌、ウイルス、真菌等々)が侵入してきて炎症を起こし、老廃物を燃やそうというメカニズムが働く。
これが炎症である。
 
「炎症」が起こると「発熱」と「食欲不振」という二大症状が表れる。
「発熱」は、体内の汚れが燃焼されている様子であるし、「食欲不振」は、血液を汚す最大の原因である「食べすぎ」をストップさせる反応である。
しかし、西洋医学では、バイ菌が炎症の原因であると考えるので、バイ菌を殺すための抗生物質を投与し、発熱に対しては解熱剤を処方し、食欲不振に対しては、「体力をつけるために、無理をしても食べなさい」と食を強要し、食べられないと、点滴で栄養補給をする。
これらはすべて逆療法といってよい。
 
そもそも、ばい菌は、どぶ川、ゴミため、死体の上・・・・・・等々、「汚い」ところにウヨウヨ生息し、小川のせせらぎやコバルト・ブルーの海水の中には、ほとんど存在しない。
なぜなら、バイ菌は地球上の「老廃物」「死骸」「余剰物」を処理するために、この世に存在しているのだから。
よって、バイ菌が体内に侵入してきて「炎症」を起こす、ということは、「体内、血液内が汚れている」ということにほかならない。
それを燃やすことによって発現するのが「熱」であるし、汚れの大本の原因の食を断つことが「食欲不振」である。
ほかに炎症 (風邪、気管支炎・・・・・・)が起こると、痰が出る、咳が出る、体に発疹が出る、下痢をする・・・・・・というふうに「出す」反応によって治そうとする。
つまり、栄養補給することは、自然の反応に反する行為といわざるをえない。
 
その点、漢方では「炎症」が起こると、葛のね、麻黄、大棗、桂枝・・・・・・など、体を温め発汗を促す生薬からなる葛根湯を処方する。
 
風邪、気管支炎をはじめ、種々の炎症が葛根湯を服用し、30分もして発汗するころから、症状がスーッと軽くなるのは、葛根湯がバイ菌を殺すのではなく、体内、血液内の老廃物を汗によって体外に排泄するために、バイ菌が体内に入ってくる理由がなくなるためである。
 
日本酒の熱燗1合に卵の黄身1個分を入れる玉子酒、ヨーロッパで風邪をはじめ炎症性発熱性疾患のときに用いられるレモンウイスキー (ウイスキーのお湯割に、レモン汁をしぼる)、赤ワインの熱燗・・・・・・等々の民間療法も葛根湯と同じような理由で効くのである。
 
私もまれにのどが腫れて扁桃腺炎を起こしかけることがあるが、このときはたいてい「食べすぎ」たときや、そのあと「うたた寝」をして体が冷えたときである。
そのときは、ジョギングをしたり、サウナに入って、発熱させ、発汗させて老廃物を捨てるとケロリの治る。
 
風邪を引くというが、体内に冷えを引き込んで、体内の老廃物や余剰物の燃焼・排泄が悪くなるときに、それを燃焼させるためにウイルスが侵入して種々の出す=排泄作用が起こるというのが、風邪の本質と考えてよかろう。
 
 
◆対処法
(1)発熱して食欲のないときは、無理をしてためないこと。
 
(2)風邪のごく所期なら、体力のある人がジョギングしてさっ冠するか、熱い風呂に入って発汗するとむしろひどくならず、早めによくなることが多い
ただし、本人が本能的に「ジョギングした地」とか「入浴したい」と思うときに限ること。
 
  (3)以下の民間療法を行う。
 
次のうち、で切るものを1つでも2つでも行うと良い。
 
T 生姜紅茶や生姜湯、梅醤番茶を1日2〜3回愛飲する
[生姜紅茶]
《材 料》 紅茶、おろし生姜または生姜汁、(お好みで)黒砂糖またはハチミツ
《作り方》
@ティーカップに紅茶を淹れる。
Aおろし生姜(1〜2つまみ)、または生姜汁(3〜5cc)を加える。
B黒砂糖またはハチミツを好みで加える。
 
[生姜湯]
《材 料》 おろし生姜、熱湯、(お好みで)黒砂糖またはハチミツ、葛粉
《作り方》
@親指大の生姜をすり路ロして湯飲みに淹れ、熱湯をかける。
A黒砂糖かハチミツを好みで加える。
  葛粉を少々加えると保湿発汗作用がさらに高まる。
 
U 熱い味噌汁にネギをたくさん刻んで入れて飲み、すぐ就寝する。
 
V 梅干しを2個黒焼きにして、熱いお茶と一緒に飲む
W 酒が飲める人は、
@日本酒の熱燗50ccに卵の黄身を入れて一気に飲み、すぐ就寝する
Aウイスキーのお湯割りにレモン半分〜1個しぼり入れて飲み、すぐに就寝する。
B赤ワインの熱燗を飲んで就寝する。
C清酒20ccを湯のみに入れ、すりおろし生姜汁約10滴(5cc)を加え、さらに熱い湯を30ccを加えて、飲んだらすぐに就寝する。
 
 
◆体験談
扁桃腺・口内炎・胃腸炎が「石原式食事法」で治った!
 
はじめまして、私、60歳の主婦でございます。
「思いっきりテレビ」の10年来のファンで、特に石原先生ご出演の折には欠かさず拝見しておりました。
 
私、今年3月上旬に扁桃炎で38度以上の熱を出し、処方された抗生物質で3日ほどで熱は下がりましたものの風邪の症状が抜けず、4月上旬、3日ほど入院。
最後ののどの痛みに行った注射(抗生物質)でアレルギーを起こし、体に出た薬疹は薬で1週間ほどで消えたものの、口、胃腸の粘膜障害(構内塩、胃炎)となりました。
薬はいっさい使えず、5月末ごろまで寝たり起きたりの状態で途方にくれる毎日でした。
 
6月のはじめに朝日新聞で先生の『「体を温める」と病気は必ず治る』『体の老廃物・毒素を出すと病気は必ず治る』(三笠書房刊)の広告を主人が見まして、さっそく書店に注文、2冊を購入、夢中で拝読しました。
 
6月中旬から1ヶ月間、書かれていた生姜紅茶を飲用、中断を繰り返し、7月中旬から本格的に、朝は必ず梅醤番茶、そのどきに応じて日中は生姜紅茶、夜は生姜湯、そして毎日の入浴、便秘気味の時には便通がよくなると紹介されていたプルーン、キンピラゴボウ、黒豆煮、ワカメ・玉ねぎ・大根サラダ、昼食のとろろソバなどを取り入れ、食生活も工夫いたしました。
 
おかげさまで8月中旬には胃腸の調子も排便もとても楽になりました。
長いこと続いた寝汗も微熱もいつのまにかなくなっておりました。
 
今年は冷夏とはいえ、残暑も無事過ごすことができまして、現在は10年ぶりぐらいに体調が良いように思います。
 
このような経過を考え、先生の本を拝読しますに、まさに先生の申されるとおり。私も血液の汚れを実感いたしております。
 
化学薬品等いっさい使用せず7ヶ月、とても明るい気持になれ、薬疹恐怖、胃腸障害、便秘、不眠、風邪など、改善されまして、これほど改善されましたことは、先生のおかげと主人ともども本当に感謝いたしております。
 
これからこの2冊を何度も何度も読み返しながら、86歳の母親と76歳になります夫のためにも頑張っていきたいと思っております。
本当に本当にありがとうございました。
ますますの先生のご活躍、お祈り申し上げます。
お知らせかたがた、おれいまで。                        かしこ
 
 
◆体験談
生姜紅茶で風邪知らず、糖尿病・更年期障害にも効果が!
 
10月の終わり某書店で石原先生の『「体を温めると」病気は必ず治る』を買い求めました。
 
私は糖尿病で免疫力が悪く、毎年11月になると必ず風邪を引き、自己の治癒力では絶対に治らず医者に行き、何度も何度も点滴をします。
点滴をしたからとすぐに治るわけではなく、次の2月いっぱいまで引いたり治ったりの繰り返しでした。
 
医者代も何万円もかかり(糖尿病と風邪)、生活苦の我が家では病気より苦しいのが現状です。
何とか風邪を引かない体にならないものかと何でもしました。
1年間、たわしで体をこすりましたが、何の効果もなくインフルエンザや風を繰り返しました。
 
先生のご本の指導通り、さっそく生姜紅茶を飲み始めました。
飲み始めたころは、生姜って何? 根本的に生姜紅茶を理解して飲んで行こうとインターネットで生姜を調べました。
行きついたところがマンガンでした。
そのマンガンがどれだけ糖尿病にいいかも知りました。万歳万歳でした。
 
生姜紅茶を飲み始めて半月くらい過ぎたころ、少し喉が痛くなりました(痛いような飢餓する程度)。
やっぱり生姜紅茶もダメなのか? と思いました。
しかし次の日はなんともなく痛いのを忘れているくらいでした。
それから10日くらいたってから咳が出るようになりました。
でも咳といっても、日に3回くらい出る咳で、これも翌日には完全に止まっていました。
 
12月に入ると隣にいる孫達が常に風邪引きマンで、「こりゃもうだめかなー」と思いつつ、でもほとんどといっていいほど症状はなく、ちょっと風邪気味かなーで通り抜けていました。
今日も風邪など引いてなく元気です。
先生の本が買うことができ、私はラッキーでした。
読んでいなければ、昨年も今年も風邪を引き仕事を休み、みなに迷惑をかけているところでした。
 
夫も最初は信じていませんでしたが、私の現実を見て、今では一緒に生姜紅茶を飲んでいます。
生姜紅茶を飲み始めて更年期障害でいつもイライラしていたのがなくなり、日々落ち着いた気持の良い生活をしております。
風邪を引くと、私は耳が悪くなり、人の声が遠くに聞こえ不自由していましたが、今年はその症状が全然ないので、すこぶる気分がいいです。
 
先生ありがとうございました。
今では自分の体に自信がつき、風邪なんか絶対に引かないと思っています。
自信過剰でしょうか?(笑)。
夫にこんなことを言っています。
「生姜紅茶を飲んでいると絶対認知症なんかにならないから、ずーっと死ぬまで飲んで行こうねえ」と。
 
先生私は本当にうれしいです。
しょうが、紅茶という安い食品でこんなに元気になれたのだから。
ほんとうにありがとうございました。                    O・S子( 55歳)
 
 
 
C 動脈硬化、高血圧、血栓、出血・・・
血液を浄化しようとする反応
発疹炎症を薬で無理に抑えた人、発疹や炎症を起こす体力のない老人や虚弱者、または、逆に、体力がありすぎて、少々の老廃物がたまっても発作を起こさない人の体内では、つなぎあわせると10万kmにもなる血管の内壁に、老廃物やコレステロールなどの余剰物質を沈着させて、血液をきれいに保とうする反応が起こる。
これだ動脈硬化である。
 
血液はきれいになっても、その通り道が細くなるわけであるから、心臓は力を入れて全身に力を入れて血液を送ろうとする。
それが高血圧である。
 
高血圧は、血液が汚れていますよ」「血管が細くなりつつありますよ」という体の叫びである。
西洋医学では、高血圧に対して、心臓の力(収縮力)を弱めるβ‐ブロック剤や血管拡張剤を処方することが多いが、根本療法ではない。
 
降圧剤で一時的に血液が下がっても、また同じ食生活を続けていると、血液が汚れてくる。
その汚れを血管の内壁に沈着させるのも限度がある。
血管が細くなりすぎるからだ。
よって、1ヶ所日の流れを固める(血栓)か、血管の外へ汚れた血を出そう(出血)とする反応が起こる。
血栓にも出血にも、理由があるわけだ。
つまり、血液を浄化させようとする反応なのである。
 
昔から洋の東西を問わず瀉血療法がある。
1641年4月にリスボンの港を発って、13ヵ月後にインドのゴアにたどり着いた宣教師のフランシスコ・ザビエルは、その間9回も瀕死の重症に陥ったのに、侍医のサライバが瀉血で生命を救ったとされている。
 
数年前、ドイツのミュウヘン市民病院を見学に行ったとき、内科や外科などの診療科のほかに、「自然療法科」なるものがあり、ここではガンやリュウマチ・・・・・・等々の難病の患者に、ヒルによる吸血療法(瀉血療法の一種)を施していた。
 
最近、札幌医大をはじめ、9つの大学病院でC型肝炎の患者に瀉血療法を始めたことは、喜ばしいことである。
 
漢方では「万病一元、血の汚れから生ず」とされているが、その血液の汚れをとる反応のひとつが「出血」であり、西洋医学的病名がつく前の未病の段階であることが多い。
 
赤ら顔や手掌紅斑(手のひらが赤い)は、血管を拡張させて、汚れた血を出させるための準備状態であるし、実際に出血した状態が、眼球結膜、鼻粘膜、歯茎、皮下、痔、子宮粘膜からの出血である。
胃潰瘍や脳出血などの出血も、同様の意味がある。
 
男性と女性の平均寿命は79歳、86歳と7歳もの差があるが、女性の寿命が長いのは、毎月1回訪れてくる月経により、自然の瀉血を行っているから、という考え方もある。
 
女性は15歳前後から50歳くらいまで約35年間、月経がある。
28日周期で年間13回、1回の生理が6日として、年間約80日。
80日×35年間=2800日。
これを365日で割ると約7年。
生理により汚れた血を浄化している期間だけ、女性は長生きできるといえそうだ。
 
西洋医学では、出血に対しては血液凝固剤を、血栓に対しては、出血させるような薬を、つまり、丸反対の作用の薬を使って治療するが、漢方では、出血に対しても、血栓に対しても、黄連解毒湯、桂枝茯苓丸、桃核承気湯・・・・・・等々の同じ薬を処方する。
こうした薬は、駆?血剤(血液の汚れを駆出し追い出す薬)といわれる。
漢方では、出血も血栓も、原因は、血液の汚れから生ずる、と考えるわけである。
 
これまでの話からおわかりのように。血液の汚れ=?血は、汚れた血を出血で体外に排泄しようとして血管が拡張している所見、つまり、赤ら顔や手掌紅斑から「早期発見」できるのである。
 
そうした人たちは、本書で述べる「病気にならない食べ方」を実践することで、もちろん改善もできるが、長く放って置くと、脳血栓、心筋梗塞、ガン・・・・・・等々の病気で患うことが多い。
 
周りの人たちを観察していると、人目には血色が良いといわれなんとなく顔が赤い人から病気にかかったり、亡くなっていく傾向がある。
むしろ「顔色が悪い」人のほうが、長生きしていることのほうが多い、という印象を、最近強く持つようになった。
 
ただし、この顔の赤さはやや紫色を帯びたかすかな赤黒さであり、色白でピンク色の顔色をした人はもちろん健康な人である。
 
 
◆対処法
(1)肉、卵、牛乳、バターなど飽和脂肪酸を含む動物性食品は控え、魚や魚介類(エビ・カニ・タコ・イカ・貝・カキ)をしっかり摂る。
魚に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸や魚介類の含まれるタウリン(アミノ酸)が、血液をサラサラにし、抗血栓・抗脂血・抗動脈硬化作用や血圧低下作用を発揮する。
 
(2)玉ねぎと大根をスライスし、ワカメを加えて、サラダをつくる。
これを、醤油味ドレッシングで1日1回は食べる。
玉ねぎ(ニラ、ニンニク、ネギ、ラッキョウなどのアリウム属の野菜)に含まれるイオウ硫化物の硫化アリルは、血管を拡張し、血行をよくして、体を温め、抗血栓作用、抗脂血、降圧作用を発揮する。
ワカメには降圧成分が含まれる上に、豊富な食物繊維が、腸から血液への脂肪分(や糖分)の吸収を阻害するため、抗脂血作用を発揮する。
大根のビタミンCは血管を強化する。
最近、シンガポール大学のバリー・ハリウェル教授が、醤油は食後の血流をよくし、醤油を使わないときより、50%も血流がよくなり、血栓を防ぐと発表。
また、万病に一因とされる活性酸素を除去する抗酸化力が、醤油は赤ワインの約10倍、ビタミンCの150倍もあるということが、科学的に明らかにされている。
 
(3)納豆、味噌、醤油、チーズなどの発酵食品には、ビラジンという抗血栓物質が入っているので、積極的に食べる。
   特に、納豆には、ほかに、ウロキナーゼという血栓溶解酵素を含み、血液をサラサラにするので、1日一食は食べるようにする。
 
(4)アルコールを飲める人は、敵酒(日本酒なら2合、ウイスキーならダブル2〜3倍、ビール大瓶2本、ワイン・グラス2〜3杯、焼酎お湯割3杯以内)をすると、血管の内皮細胞からウロキナーゼという血液サラサラにする抗血栓酵素の産生が促される。
ウロキナーゼの産生は、焼酎>赤ワイン>日本酒>ビール>ウイスキーの順に強い。
2003年10月31日に116歳でなくなった本郷カマトさんは、毎日焼酎を飲まれていた由。
 
(5)生姜紅茶を1日2〜4杯愛飲する。
   生姜には、降圧・抗血栓成分のジンゲロール、ジンゲロンが含まれているうえに、紅茶のカフェインとともに強力な利尿作用も発揮して、体内の余分な水分と塩分も捨てるので、強力な降圧作用を発揮する。
また、体を温めるので、血液中の脂肪の燃焼を助け、高脂血症、脂肪肝、肥満を防ぐ。
 
(6)ニンジン・リンゴジュースを朝食代わりにする人は、セロリ50〜100gを同時にジュースにして飲むと良い。
セロリには抗血栓物質のビラジンが含まれる。
 
(7)血圧が、冬や、気温の低い朝に上昇することが多いのは、冷えのため血管が収縮するからである。
また36.5℃前後の温かい人体内で、血栓や石や動脈硬化という硬い物質が生じるのは、「冷え」が大きな原因だ。
水を冷すと氷になるように、すべての物質は冷すと硬くなる。
そこで、ウォーキングをはじめとするスポーツ、入浴などで体を温めること、体の中心とする「お中」(腹)に腹巻を常時着用して、体を温めることが、動脈硬化、血栓症、ひいては高血圧や結石の予防改善に役立つ。
 
 
◆症例
高血圧・脳梗塞、1年間で血圧・コレステロールが正常値に
 
Tさん(54歳、男性)は170cm、94kgと超肥満。
3年前に脳梗塞を起こし、2週間入院して退院し、後遺症はないものの、主治医からは「減量しないと、いつ再発作を起こしてもおかしくない」といわれている。
 
健康誌で、私に「朝だけニンジンジュースダイエット」の誇示を読み、朝はニンジン2本・リンゴ1個で作るジュースだけを飲んだところ、1ヶ月で7kg痩せて87kgに。
 
その後しばらく体重の減少は見られなかったが、朝、生ジュースのほかに生姜紅茶を1杯足し、昼間に喉が渇いたら、生姜紅茶を適宜飲むことにしたら、排尿が驚くほどよくなり、6ヶ月で計16kg痩せて79kgになった。
体が軽くなると、朝・夕の散歩の距離も伸び、結局ダイエットをはじめてから1年後に、
 
体重 95kg → 74kg
血圧 162/104mmHg → 140/86mmHg
コレステロール 268mg/d?(正常値:219位内)  → 208mg/d?
尿酸 9.9mg/d?(正常値:7.0位内)  → 5.6mg/d?
 
と正常化していった。
心身ともに若いころと同様に力がみなぎってきたので、主治医とも相談し定期的に受診することを約束して、7種類服用していた薬を全部中止してもらったら、ますます調子がよくなったという。
特に下半身に力がついてきた感じで、今は毎日万歩計の歩数を見るのが楽しみなほど歩きまわっている。
 
Tさんをはじめて診察したとき、上半身はゴリラのように大きいのに、下半身は妙に細いという印象があったが、その後体重減少とともに下半身がしっかりして若者の体型のようになってきた。
 
脳梗塞、脳出血のことを脳溢血ということからして、「脳に血液が溢れる」病気であり、それは下半身が衰え、下半身に蓄えるべき血液が上昇した結果の症状と考えられる。
高血圧も同様である。
よって、下半身が衰えると。高血圧や脳梗塞が起こるわけだ。
 
 
 
D結石、通風、脂肪肝、肥満による余剰物・老廃物の沈着・・・排泄できないものを沈着させる
肝臓で作られ、胆管、胆のうを経由して十二指腸に注がれ、口から入ってきた脂肪を消化するための胆汁の成分が濃すぎる(汚れている)と、その胆汁をきれいにして流れを保つために、含有成分のコレステロールやビリルビンなどの余剰物が析出して固まったのが胆石である。
また、尿の中の尿酸、乳酸カルシウムなどの老廃物が多くなりすぎると、尿の流れをサラサラに保つために、それらを析出させて石を作る反応が尿路結石である。
 
胆汁や尿の原料も元々は血液であるので、胆石や尿路結石の原因も、「血の汚れ」ということになる。
 
また、肉やモツなどの細胞(のなかの核のプリン体)や、体内の古い細胞(核)の燃えカスである尿酸が血中に多くなり(高尿酸血症)、血液が汚れるとそれを骨(主に足の親指や関節)に沈着させて血液を浄化させようとする反応が通風と考えて良い。
さらに、血液中の多すぎる中性脂肪を肝臓や、皮下に沈着させたりして、血液を浄化している反応が、脂肪肝や肥満といって良い。
 
こうした病気は、西洋医学では「代謝異常」に分類される。
代謝とは、食物を口から取り入れて、胃腸で消化して、血液に吸収し、60兆個の細胞に運ばれた栄養素が、その働きのために利用され、その結果できた老廃物を血液に捨て、腎臓や肺から尿や呼気として排出する一連の過程をいう。
 
代謝障害というのは、細胞での利用・燃焼が悪く、排泄が悪い状態である。
1℃体温が低下すると、代謝は12%低下するので、代謝されない脂肪、糖、尿酸などが、体内・血液内に燃え残った状態が「代謝異常(障害)」といえる。
 
よって、代謝異常を改善するには、体温を上げ、各細胞の働きを高め、大・小便、汗の排泄をよくすることが肝要である。
 
◆対処法
 (1)腹8分(または1日2色)以下を心がける。
 
 (2)体温を上げて代謝をよくすべく、ウォーキングなどのスポーツ、入浴、サウナ、
盤浴を積極的に励行する。
 
 (3)生姜紅茶で体温を上げ、排便、排尿、発汗を促す。
 
 (4)胆石や脂肪肝の人は、胆汁の流れをよくして、胆石を溶かし、肝機能を促進するタウリンを含む、エビ、カニ、イカ、タコ、貝、カキを積極的に食べること。
 
 (5)通風の人は、尿酸の排泄を促す、ホウレン草、黒酢、梅酢を積極的に調理に利用する。
 
 (6)糖尿病の人は、血糖を下げるグルコキニンを含む玉ねぎをサラダに用いて食べる。
 
 (7)朝食代わりに、次のジュースを作って飲む。
 
   ニンジン2本(約500g)・・・・・・・・・・・・・240cc
   リンゴ1個(約250g)・・・・・・・・・・・・・・・・200cc
   次のいずれか1つ
     玉ねぎ30g・・・・・・20cc(糖尿病)
     キュウリ100g・・・・70cc(通風)
     キャベツ100g・・・70cc(肝炎・脂肪肝)
   計 510cc(460cc)
 
《作り方》
各食材をよく洗い、皮のままジューサーにかけて作る。
リンゴは芯も種も入れ、出来立てを飲む。
作り置きするときは、レモンのしぼり汁を入れ、グラスにラップをかけておく。
《食材の効用》
キュウリ・・・・・・排尿を促し尿酸を排泄する。
キャベツ・・・・・・ビタミンUが肝機能を高めてくれる。
玉ねぎ・・・・・・グルコキニンが血糖を下げる。
 
 
◆体験談
 
『石原式食事療法』で肥満が解消、糖尿病も治癒した!
 
はじめてのお手紙を差し上げます。
先生のご本によって、「死」を意識せざるを得ない状況が一変、御礼を申し上げたくてペンをとりました。
私は、人間ドックにて糖尿病、肥満、高脂血症、脂肪肝、糖尿病性網膜症と診断され、今までの食生活を改善する必要性に迫られました。
 
3食満腹になるまで食べていたところを、石原先生が多数の著書で書かれているように、朝はニンジン・リンゴジュースと生姜紅茶1杯、昼食は冷やしトロロソバ、夕食は納豆やキムチなどの食品を摂りながら食事するようになり、72kgまで減量しました。
『体が重いから、もう少し減量したい」と思いながらも、そのあとは原料がうまくいきませんでした。
 
甲田先生(サンプラザ中野先生の断食指導で有名)や石原先生の食事を見てビックリ。
なんと、1日1〜1.5食ほどしか、食事を摂っていないことを知り、「それでは、私も」と一念発起。
もともと、少食生活の下地ができていたせいか、昼食は味噌汁、チョコレート、ヨーグルトなどを摂るだけの生活にしても、特段不自由はありませんでした。
 
生姜紅茶は1日4杯。
腹巻にカイロを貼り腹部を温めるようにし、半身浴も行いました。
また、1日につき1万5000歩を目標にして毎日実行したところ、リバウンドもなく現在では体重65〜66kgで安定しております。
 
福祉関係の仕事を行っていたとき、他人が糖尿病と診断されると、ほとんど合併症を併発し、死に至るというケースを見てきたため、糖尿病は不治の病と思っていました。
しかし、自らが糖尿病と診断され、死を意識せざるを得ない状況から、救ってくださったのは、先生のご本でした。
本当にありがとうございました。
M(40歳・身長172cm)
 
◆Mさんの症状への解説
空腹時血糖は110mg/?以下、食後2時間の血糖も、200mg/?以下が正常だ。
この空腹時血糖よりも、糖尿病状態を端的に表してくれる検査が、2〜3ヶ月の血糖の平均を示しているHbAICである。
3.5〜5.8%が正常値なので、Mさんの平成16年8月16日の値=7.9%は「立派な中等度以上の糖尿病」だ。
ご本人もおっしゃっているように、この状態が続くと、失明や腎不全が待っている。
現に、「糖尿病性網膜症」は、失明へ至る「入り口」ともいえる状態である。
 
それが、拙書を読まれ、「石原式食事療法の基本」を実行されて、これほど短期間に、体重減少、糖尿病や網膜症の治癒に成功されたことは、本当に喜ばしいことで、小生も医者として無上の喜びを感じている。
この文面から拝察すると、高脂血症や脂肪肝も完治されていることは間違いない。
 
 
Eガン・・・汚れた血液を出して、
浄化延命しようとする反応
1975(昭和50)年のがん死者は、13万6000人、医師数13万人。
以後、ガンに関する研究、治療法は長足の進歩を遂げ、医学も日進月歩である。
生活状態もずいぶんよくなった。
当然ガン死も減るはずなのに、2007(平成17)年のガン死者数は、32万人。
医師数も28万人と倍増しているのに。
 
この事実一つを見ても、西洋医学のガンに対する見解や治療法が正鵠を射ていないといわざるを得ない。
 
ガンは、ある臓器に発生すると、どんどん広がり、隣接臓器はおろか、血液やリンパ液に乗って全身に転移し、患者に断末魔の苦しみを与えて、最後には生命を奪う「人類最大の仇敵」というのが、西洋医学的なガンに対する見解である。
 
われわれ人間は、冷えると発熱するし、気管に物がひっかかると咳をする、腐ったものや有害物を食べると吐いたり、下痢したりして、体外に捨てようとする・・・・・・の如く、常に、よくしよう、長生きしよう・・・・・・という反応がある。
これが、自然食能、自然治癒力といえるものである。
ガンだけが、例外ではあるまい。
ガンは死んだ人には、絶対にできてこないのだから、ガンも血液の汚れをとるための装置と考えるほうがよさそうである。
その証拠に、ガンには必ず出血を伴う。
 
胃がん→吐血、肺がん→喀血、大腸ガン→下血、腎臓・膀胱ガン→血尿、子宮ガン→不正出血・・・・・・とうとうであり、先に述べた出血の意味を考えると、汚れた血液(汚血)を体外に排出して、血液を浄化延命しようとする反応と考えて良い。
 
昔から、西洋医学でも、ガン細胞からは、ガン毒素が出ていることは明らかにされていたが、これは「ガンが血液の浄化装置」とする考えを支持するものであろう。
 
最近、ガン患者の呼気とガン患者でない人の呼気を特別な訓練をした犬に嗅がせて記憶させたあと、たくさんの人々から集めてビニール袋に入れた呼気を、その犬にかがせると、その呼気の臭いから、その人の体内にガンがあるかないかを確実に判断することができるようになったという。
これも、血液の中に捨てられた呼気として排出されたガン毒素を犬の鋭敏な嗅覚がかぎ分けるという証拠である。
 
◆白血球とガン細胞の共通点
あらゆる病気を治す原動力=免疫力の主役が白血球であることについては、先に述べた。
この白血球は外来のバイ菌、アレルゲンや体内で発生するガン細胞などを貪食処理するのがその主な機能とされているが、実は白血球の基本的な働きは、血液中の老廃物の貪食処理、つまり、血液の浄化をすることなのである。
 
私は、大学院の博士課程に在籍していた4年間は、白血球の研究に没頭していたが、顕微鏡で血液をのぞきながら、墨汁やテラックス(ゴムの細粒)を加えると、白血球が偽足を伸ばしながら、そうした異物に近づき、たちまちのうちに貪食してしまう。
本来”白い”はずの白血球が、墨汁で真っ黒になるのである。
 
この白血球とガン細胞には、次のような共通点がある。
@体の細胞で体内や血液内を自由に移動できるのは、白血球とガン細胞だけである。
A白血球もガン細胞も、その細胞内から、活性酸素を産生・放出して、異物や細胞を弱らせ、貪食・処理する。
 
西洋医学のガンに対する治療は、ガンという結果に対して、手術で切除したり、放射能で焼却したり、抗がん剤で抹殺したり・・・・・・というガンを敵対視した方法がとられるが、ガンの治療にあたっては、そうした表層的なものではなく、生命の歴史にさかのぼって考える必要がある。
 
◆ガン細胞の「先祖返り」
30億年前に海の中に誕生した始原生命は、アメーバ様の単細胞生物である。
その後、少しずつ進化・発展を遂げ、約6億5000万年前に多細胞生物が出現する。
3億年前に、一部の生命体が陸に上陸して、徐々に進化し、今の陸上動物の繁栄の基礎を作った。
 
つまり、地球上の生命体はすべてアメーバ様の単細胞から発展してきたといって良いのであるが、その単細胞こそ、われわれの血液という海の中を泳ぎ回っている白血球、その中でもマクロファージである。
 
体のあらゆる細胞、つまり、脳細胞、胃の細胞、皮膚の細胞、筋肉の細胞・・・・・・が、1つの細胞から分化発展してきたからこそ、理論的には、1つの皮膚の細胞、1つの胃の細胞からでも、1人の人間が作られ得る(クローン人間)のである。
皮膚の細胞、胃の細胞にも、脳細胞、筋肉細胞、肝細胞・・・・・・を作る遺伝子が備わっているのである。
生命体の大元の細胞であるからこそ、白血球は、今でも血液に乗って全身をパトロールし、外来のバイ菌やアレルゲンを貪食処理し、体内で発生した異常(病気)を修復(治療)する大役を演じている、といってよい。
 
先日、新潟大学医学部の安保徹教授と対談したおり、世界的な免疫学者の安保先生から、衝撃的なお話を伺った。
「体が緊急事態に陥ると、マクロファージは体のあらゆる細胞を貪食し、最後は生命の基本形のマクロファージのみになって生命を終結しようとする」というものだ。
 
このとき、ひらめいたのが、ガン細胞の「先祖返り」の件である。
あらゆる体の細胞は、誕生後、幼若な細胞からだんだん成長していき、胃なら胃の、肺なら肺のそれぞれ特有の働きをする細胞になる。
 
白血球の顆粒球を例にとると、骨髄の中で、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球と成長し、桿状球になって血液中に出て行き、分葉球に成長して貪食、殺菌作用を発揮する。
白血病とは、骨髄芽球や前骨髄球が骨髄の中で異常増殖し、桿状球や分葉球にまで成長しない(幼若化)のために、貪食・殺菌力がない骨髄芽球や前骨髄球が血中に溢れ、バイ菌が侵入しても防ぎきれないために、肺炎や髄膜炎などの感染症に陥り、落命することが多い。
 
胃ガンや肺ガン、肝臓ガンにしても、胃や肺や肝臓の正常細胞が幼若化して増殖し、本来の働きができないために、消化不良、呼吸不全、肝不全を起こしてくる。
 
「ガン」=「細胞の幼若化」=「細胞の先祖返り」を安保教授の「マクロファージの理論」とつき合わせて考えてみると、「ガン」という病気は、体が緊張状態、つまり、血液の汚れが究極の状態に達すると、それぞれの細胞を幼若化させて、”先祖返り”、つまり、マクロファージという生命の大元に立ち返らせようとする反応ではなかろうか。
すると、白血球とガン細胞が共通する「血液を移動する」「活性酸素を発生させて、種々の細胞・老廃物を貪食する」の意味の謎が解けてくるのである。
 
ガンは、手術しても、放射能や抗ガン剤で抹消しても、次から次へ転移してこることが多いのも、「ガンが血液の汚れの浄化装置」だとする「ガン性善説」の立場から考えると、理解しやすい。
生命があるかぎり、血液浄化の働きを遂行しようとするのが、ガン細胞なのだから。
 
よって、ガンを予防する、ガンの再発を防ぐ、ガンを治すには、血液の汚れをとり、血液を浄化する方法しかない、ということになる。
 
◆ガン予防・再発予防には「少食」が大切
その血液の汚れをとる方法で一番大切なのが「少食」である。
 
アメリカのエモリー大学のS・ハイムスフィールド博士が、平均年齢50歳で、同じ重症度の進行がん患者100人を無作為に抽出して、A群の50人には病院の普通食を、B群の50人には特別に栄養素を入れたスープを加えた高栄養食を与えたところ、A群の平均生存日数は約300日、B群は約75日だったという。
 
1985年、ニューヨークのマウントサイナイ医大のグロス教授は、ある量の放射線を満腹ネズミに照射したところ、100%発ガンしたのに対し、腹5分(50%)程度の空腹ネズミに同量の放射線を照射してもわずか0.7%しか発ガンしなかったという。
 
こうしたエピソードから鑑みても、ガン予防、再発予防には食べ過ぎないことが一番大切である。
 
ガンのことを別名新生物というが、自分自身を養っていくのに必要十分な栄養以上のものを摂取するからこそ、余分な新生物ができるのである。
 
現在、開発中の最新のガンの薬は、「ガン細胞の周りに豊富に存在し、ガン細胞に栄養を供給する血管の新生を阻止し、ガン細胞に栄養を供給せず、ガンを兵糧攻めにしようとする薬」である。
 
何のことはない、はじめから、食べ過ぎなければよいのである。
 
◆対処法
 (1)よくかんで(一口30回以上)、少食(腹八分以下)を心がける。
 
(2)肉、卵、牛乳、バター、マヨネーズ、クリームに代表される欧米型の食物は控え、和食、特に陽性食品と間性食品を中心とした体を温める食物を摂ること。
 
 (3)アメリカ国立ガン研究所が「デザインフードプロジェクト」で種々の疫学調査をもとに作られた「ガン予防食品ピラミッド」上位にある食物をしっかり利用すること。
 
 (4)海藻、豆類、コンニャク、玄米など食物繊維の多い食物をしっかり摂って排便をよくして宿便をとると、血液浄化につながる。
 
 (5)朝食として次のジュースを噛むようにして飲み、その後生姜紅茶または梅醤番茶を1杯飲む。キャベツ、ニンジンは厚顔作用が強い。
ニンジン2本(約400g)――244cc
リンゴ1個(約250g)――200cc
キャベツ約100g――70cc
                      510cc(コップ3杯分)
《作り方》
各食材をよく洗い、皮のままジューサーにかけて作る。
リンゴは芯も種も入れ、できたてを飲む。
作り置きするときは、レモンのしぼり汁を入れ、グラスにラップをかけておく。
 
 (6)ガン細胞は熱に弱いので、日常の生活でウォーキングなどのスポーツ、入浴、サウナ、岩盤よく等々で「気分が良い」程度に体を温めること。
 
 (7)朝食代わりに、次のジュースを作って飲む。
 
 (8)ガンの患部(肺ガンなら胸と背中、大腸ガンなら腹部、肝臓がんなら右上腹部)に1日1〜2回生姜湿布を施すこと。
 
 (9)感謝、人のために尽くす、物事の明るい面を見る、希望を持つ、必ず治すんだという強い意志を持つなどポジティブな気持をもち、NK細胞の活性を増し、ガンに対する免疫力、治癒力を高める。
 
英国のキングス・カレッジ病院でほぼ同じ重症度の乳ガン患者69人に、診断3ヵ月後にその気持を尋ねたところ、A・何が何でも治すんだという闘争組、B・もうダメだ、またはすべて医師に任せるという諦め組分かれた。
5年後、A組の人々は90%生存、B組の人々は20%生存にとどまったという。
 
 
◆体験談
 
大腸ガン、肝臓ガンが「石原式食事療法」で回復!
 
私のガン病歴は、1988(昭和63)年8月、大腸(S字結腸)ガン切除、翌、平成元年6月、甲状腺腫瘍切除、平静3年11月、大腸ガンの肝転移で左葉切除だ。
今こうして生きているのが不思議といえば不思議かもしれない。
 
昭和63年の7月、子供たちが夏休みに入り、終末に山口の実家に母をたずね、夜に姉達と食事をしながらビールを少し飲んだ。
すると少ししてお腹が下りだし、トイレにいったら真っ赤な血が出ているではないか。
これはただ事ではないと思い、次の日、自宅に戻り、親戚の胃腸科医院をたずねて検査となった。
心配していとおり、かなり進行した大腸ガンだった。
 
もともと腸が敏感なほうだったが、数年前に同じ病院で大腸の検査をしたときは「問題はありません」といわれていた。
幸い術後はとても順調であったし、家が気になっていたので2週間ぐらいで退院した。
 
そして平成3年の夏、熱い日々で時々小さい缶ビールを飲んでいたが、今までと違って頭がすっと吸い込まれそうになるという変な感じがよくあり、こんなにビールに弱かったかなと思うことがあった。
その後、咳が出始めてずっと続き、「あまりいい咳ではないね」とみんなからいわれていたが冷房のせいかなと思っていた。
 
しかし、これがガン転移の兆候だったのだ。
後から外科医院でのデータを見せてもらったら、5月(3ヶ月前)の腫瘍マーカーがすでに正常値の上限を超え始めていた。
これから手術の11月まで、このマーカーがうなぎのぼりに上昇した。
そしてこれからが私のガン闘病になる。
 
平成3年8月末に行った腫瘍マーカーの値が異常値になっていて、かかりつけの医師が大学病院の放射線科に紹介してくれ、CTを9月中ごろの撮った。
この結果は悲惨で、「手術はもはやできない。化学治療しかない」ということだった。
「放射線科では冠動脈注射療法で数人の方が延命しておられる。あなたもやってみましょう」といわれた。
 
そのとき夫が一緒だったが2人でガッカリして、次の検査のためのベッドが空く1ヵ月後まで「夢だったらいいのに」と毎日泣いていた。
その折、わが敬愛する姉が、石原先生に相談してくれた。
まさに私のガン闘病について、最も強い影響力を持つオピニオンリーダに当たる先生となった。
 
先生の指示が的確で、質の高い内容であったため、現在の私がある。
 
私は深刻な試行錯誤を繰り返すことなく、先生の指示をストレートに信じて、実行した。
「大丈夫ですよ。よくなりますよ」と、こともなげに明るく言われ、とにかくやってみようという気になった。
そして、石原先生から言われた玄米食とニンジン・リンゴジュースをさっそくはじめ、入院してからも個室だったので無理をいって続けさせていただいた。
 
「血管造影の結果が思ったよりよかった」と放射線科の医師から告げられたが、治療方針は変えられなかった。
その後も次々と検査が続いた。
 
ある日、放射線科の若い医師がベッドに腰掛けて「Mさんどうして切らないの」と言われた。
「えーっ、手術できないと外来の先生から言われていたのに」と思わず興奮してしまった(少し希望が出てきたぞ!)。
 
義兄(医師)に電話して尋ねると、「それはオペしてもらいなさい」といわれ、私の職場の上司の薬剤部長も同じ意見だったので若い主治医が外科の教授を紹介してくださった(この主治医にも、とても感謝している)。
 
11月はじめに入院し、ベストメンバーで8時間に及ぶ手術をしてもらった。
術後2週間くらい付き添いのおばさんについてもらった。
 
術後は、食事を少しとったらおなかがいっぱいになることはあったが順調だった。
術後40日くらいで退院。
そして、「予防のために化学療法をしましょう」ということで、すでにリザーバー(薬液を注入するための管)が埋め込んであった。
5FU(抗がん剤の一種)の動脈注射をはじめは1週間に1回、その後2週間に1回行った。
 
CEA(腫瘍マーカー=正常値5.0以内)が術前35.0であったのが術後6.8になり2ヵ月後に2.3に下がり、外科の教授は「こんなに下がるとは思わなかった」といったそうである。
 
この動脈注射を1年間続けたあと、肝臓のCTを撮っていただき、まったく心配ないということで動脈注射は打ち切りとなり、内服の抗ガン剤(フルツロン)に切り替わった。
そして、その後5年間フルツロンを飲んだが、副作用らしきものは、強いていえば軽い下痢くらいだった。
今は何も服用していない。
 
入院中、石原先生から紹介していただいた本を何度も読み返し、とにかく食事療法を守れば治るのだと思い、玄米、菜食主義、そしてニンジン・リンゴジュースを基本にして石原先生の指示通りの食生活を実践した。
途中から魚類はイカ、エビ、貝・白身の魚などもいただくようになった。
 
そして、16年後の今、食生活は少し乱れてきたが、血液検査は欠かさず行ってもらっている。
 
家族、石原先生、外科のドクター、職場の方々、友達、兄弟の愛に支えれれて今日まで過ごしてくることができたこととても感謝している。
K・M(薬剤師・63歳)
 
  

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

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池田 優

 

 

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