山ちゃんの食べもの考

 

 

その293
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【150】
「食べ方」一つで
人生が変わる!
「病気にならない
食べ方 食べ物」
石原結實 著  海龍社 刊
その7
 
第4章 病気にならない食物効能事典
 
●穀類、豆類、種実類
 
◆ インゲンマメ (隠元豆)
効能:糖尿病
 
南アメリカ原産のマメ科の一年生作物。
日本へは17世紀に中国を経て伝わった。
「隠元豆」という和名は、隠元和尚が中国かより持ち帰ったからとされているが、実際は隠元和尚が持ち帰ったのは、フジマメだったようだ。
 
世界中で栽培されているが、日本では主に北海道で作られ、餡、煮豆、甘納豆などに使われている。
ヨーロッパでは、未熟のむき身や、柔らかいサヤを料理に使っているところが多い。
 
隠元豆には糖質、たんぱく質、ミネラルなどがバランスよく豊富に含まれている。
特筆すべきは、糖尿病に効果があるということだ。
ヨーロッパの自然療法病院では、インゲンマメが糖尿病の治療に使われている。
サヤの中にミネラルの亜鉛が多く含まれており、インスリンの合成材料になっていることと、インスリン様物質も含まれていることがその理由のようだ。
糖尿病の患者は、ニンジン、リンゴに、インゲンマメのサヤを加えたジュースを作って毎日飲むようにすると良いだろう。
 
 
◆ エンドウマメ (豌豆豆) 効能:滋養強壮
 
マメ科の越年つる草。
原産地は東ヨーロッパからアジアとされている。
古代ギリシア時代から栽培されていた。
日本には明治時代初期に欧米より伝わった。
このころ「蜜豆をギリシャの神は知らざりき」という句ができたほど、エンドウマメの入った蜜豆が愛用されていた。
 
エンドウマメといえば、メンデルが遺伝の実験に用いて「メンデル遺伝の法則」を発見したのが有名である。
イギリス王朝では、エンドウマメの花が寵花とされ、ジョージ5世の戴冠式の花として選ばれている。
 
エンドウマメの実は熟す前に青エンドウとして食べられる。
シスチン、リジン、アルギニンといった良質のアミノ酸を豊富に含むる良質のタンパク質とビタミン類をバランスよく含んだ優秀な滋養強壮食である。
サヤエンドウにはビタミンA・B2・Dに加え、ビタミンCが100g中55mgと豊富に含まれる。
食物繊維も豊富に含まれるので、サヤも食べるとよいだろう。
 
なお、完熟して乾燥豆にするものは赤エンドウと呼ばれ、いり豆、煮豆、菓子の原料、あんみつ、味噌の原料などとして用いられる。
ちなみにエンドウの花言葉は「幸福な結婚と多産」である。
 
 
◆ コメ (米)  効能:コレステロール、血糖、血圧の低下
 
東南アジアからインド原産のイネ科のイネの果実。
日本へは弥生時代に伝播している。
「い=息または命」、「ね=根」で、文字通り「生命のもと」という意味である。
日本人は、おめでたい行事のときにはもちや赤飯を食べ、コメの酒を供えるなど、コメを大切なものとして扱ってきた。
 
コメはイネからもみ殻だけを取り去ったものが玄米で、玄米からぬかを取り除き胚芽を残したものが胚芽米。
さらに胚芽を取り除くと白米になる。
玄米をまけば芽が出るが、白米はまいても芽が出ない。
玄米は「生き米」、白米は「死に米」といわれ、含有する栄養素は断然玄米のほうが優れている。
米の炭水化物が体内で消化、吸収されてエネルギーに変わるときに必要なビタミンB1・B2をはじめとしたビタミン類、カリウム、鉄、亜鉛などのミネラル類、そして血中コレステロールを下げてくれるリノール酸、腸内の余剰物や有害物を大便とともに排出してくれる食物繊維が、玄米には白米の数倍も含まれている。
 
白米ご飯を食べるときは、黒ゴマと塩を煎って砕いたものをふりかけて食べるとよいだろう。
最近は米のデンプンに含まれるレジスタント・スターチにコレステロールや血糖、血圧を下げる作用があることが明らかになった。
 
 
◆ コムギ(小麦)&パン  効能:主食
 
イネ科の小麦は稲と並ぶ人類の2大食用植物である。
1万年以上も前から栽培されてきた最古の作物の一つ。
世界の半分の国で主食にされている。
 
古代エジプトなどの地中海沿岸では、小麦粉に小麦粉を加えてこねたものを主食にしていた。
あるとき、主婦がブドウのしぼり汁でコムギをこね、放置していた。
太陽にさらされた穀粉が夜になると芳香を放っていたので焼いてみると、脹らみ、味も香りも格段によくなっていた、という偶然からパンができたといわれている。
日本では明治時代に「あんパン」が考案されて人気となった。
 
コムギはコメに比べるとタンパク価が低い。
精白した小麦はビタミン、ミネラルの含有量が少ないが、精白前の小麦胚芽にはビタミンやミネラル、食物繊維が存分に含まれる。
欧米では最近、全粒麦のパンを食べる人が多くなっている。
 
小麦は、漢方では体を冷す陰性食品であるため、陽性食品の肉と合う。
しかし肉食の少ない日本人が、体を冷す牛乳や生野菜とともにパンを食べる現代の食事は体温を下げる要因となる。
現代人に多いアトピーや喘息、高脂血症、そしてガンも、漢方では体温低下から来る陰性病で、このような食生活もその原因の一つだと考えられる。
 
 
◆ ソバ (蕎麦)
効能:血管強化、ボケ防止、脂肪の酸化を抑える
 
バイカル湖から中国の東北地方が原産のタデ科の一年生作物。
「続日本書紀」に「722年は夏の日照りがひどく、稲が枯れ、大飢饉になったので、ソバを植えるように命令が出された」とある。
「ソバ75日」といわれるように、種をまいてから50~70日で収穫できる。
あまり労力がいらず、やせた土地でも栽培できるため当時から救荒作物として重宝された。
特産地は信州、出雲など寒冷地であり、しかも濃い色をしていることから、ソバを温める陽性食品である。
関西より関東で好まれ、ロシアなど寒い国でソバ料理が存在するのもこの理屈からうなずける。
 
濃い色のソバのほうが栄養分を多く含み、薄い色のソバよりも鉄、カルシウムなどのミネラル、ビタミンB1・B2などのビタミン類の含有量が多い。
また、ソバは8種類のアミノ酸の破壊やボケを防ぐソバポリフェノールやコリンを含む。
またソバに含まれるアミに酸には、脂肪の増加を抑える作用があることがわかっている。
 
「本朝食鑑」に、ソバは「気分を穏やかにし、腸を寛げ、よく腸胃のつかえ(老廃物)をこなす。
また、水腫、排泄、腹痛、上気を治す」と効能が並べてある。
 
 
◆ アズキ (小豆)
効能:利尿、疲労回復、脚気、心臓病、腎臓病、便秘
 
中国東北部原産のマメ科の一年草。
日本へは3世紀ごろ伝わった。
大豆と同様に栄養価が高く、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富である。
ほかの豆類に比べると、脂肪分が少ないのが特徴。
 
漢方では生薬名を「赤小豆」といい、脚気、心臓病、腎臓病、便秘に処方している。
小豆に含まれるサポニンには、ポリフェーノルの一種で、体内の水分量を調節し、むくみがあると強力な利尿作用を発揮する。
また、血中コレステロールや脂肪を低下させる作用もある。
サポニンは、皮の部分に多く含まれるので、小豆は皮も食べたほうがよいだろう。
ビタミンB1も多く含むため、疲れや脚気に効果がある。
 
むくみや二日酔いには、小豆50gと水600ccを半量になるまで煎じたものに、ハチミツか粗塩を加えて飲むと効果がある。
また、おできや吹き出物には、小豆をつぶして粉にしたものに水を加えて練り、患部にはるとよい。
 
 
◆ ダイズ (大豆)
効能:利尿、老化防止、骨粗しょう症、乳ガン・子宮ガンの予防
 
中国北部原産のマメ科の一年草。
日本へは縄文時代に伝わった。
明治18年のウィーン万博で、日本は大豆を出品した。
そのときドイツの科学者から、その栄養の豊富さを絶賛され、「畑の肉」と呼ばれた。
 
事実、大豆には牛肉と同様の必須アミノ酸が含まれている。
脂質は血中コレステロールを低下させるリノール酸やオレインサンを多く含み、ビタミンB1・B2・B6・E・Kなどのビタミン類、カルシウムや食物繊維も豊富である。
また、肝機能を高め、利尿を促し、高脂血症を防ぎ、老化の予防に効果があるサポニン、脳の働きをよくするレシチンなど、健康増進成分が存分に含まれている。
さらに、ポリフェノールの一種であるイソフラボンが含まれる。
イソフラボンは女性ホルモンに酷似した作用を有し、乳ガン、子宮ガンの予防、骨粗しょう症の改善に有効である。
 
大豆タンパクに含まれる、リジンやスレオニンなどの必須アミノ酸は、白米にはほとんど含まれない。
そのため、ご飯と味噌汁、納豆、豆腐、醤油などの組み合わせは栄養学的にも最高なのである。
 
 
◆ ギンナン (銀杏)
効能:鎮咳、去痰、夜尿症、頻尿
 
イチョウ科の落葉高木の種子。
咳を沈める効果がある。
日本では煮て食べると肺を温め、咳や痰に効くと経験的に知られていたため、昔、国民病といわれた結核によく用いられたようだ。
漢方でも咳止め「定喘湯(じょうぜんとう)」の成分でもあり鎮咳・去痰作用があるのは確かである。
また、膀胱の括約筋を強くする成分が含まれており、夜尿症や頻尿にも効果がある。
 
気管支炎、咳止め、頻尿には、焼いたギンナンを毎日5~10粒食べると良い。
ただし、青酸が含まれているので、食べすぎには注意。
食べすぎると消化不良を起こし、まれに死亡することもあるので要注意。
「本草綱目」によると1000個で死ぬと書いてあるそうである・・・・・・。
 
 
◆ クルミ (胡桃)
効能:強壮・強精、不眠症、ボケ、脳動脈硬化
 
ペルシャ原産のクルミ科。
ヨーロッパでは古くから栽培されており、日本へは江戸時代に伝わった。
 
古代ギリシャやローマでは、「クルミの実には催淫性がある」とされていた。
実際、クルミには、多量の良質な脂質、タンパク質、ビタミンEが豊富に含まれていることから、強壮・強精作用が極めて強い。
 
イギリスでは、クルミの形が人の頭に似ていることから、「頭の病気に効く」とされ、中国では、クルミの形が脳に似ているので、「クルミを食べると頭がよくなる」といわれている。
これこそ東洋医学の[相似の理論」である!
クルミは、まさに健脳食であり、不眠症、ボケ、脳動脈硬化を予防、改善してくれる。
「開宝本草」にも、クルミは「元気をつけ、肌を潤し、髪を黒くする」とある。
毎日2~3個食べるとよいだろう。
ただし栄養価が高く、1個で約35キロカロリーもあるので、食べすぎには注意。
 
 
◆ ゴマ (胡麻)
効能:強壮・強精、ガン予防、肝臓病、二日酔い
 
エジプト原産のゴマ科の一年草。
成分の約半分がリノール酸やオレインサンなどの動脈硬化を予防する脂質である。
良質のタンパク質、ビタミンB群、ビタミンE、鉄や銅、亜鉛、カルシウムなど、ビタミン、ミネラルもほとんどといってよいくらい含まれている。
よって老化防止、強壮・強精などに効果のある長寿食となる。
 
最近発見されたゴマリグナンは強力な抗酸化作用により、ガン予防、肝臓病や二日酔いの予防、改善に効果があることがわかってきた。
軽いやけどや切り傷には、ゴマ油を塗るとよい。
 
やけど、切り傷、痔、湿疹・・・・・・など、あらゆる皮膚病に効く漢方唯一の外用薬の柴雲膏には、紫根、当帰のほかにゴマ油が多量に含まれている。
 
 
◆ ピーナッツ (落花生)
効能:ガン予防、高血圧症、糖尿病予防
 
南米原産のマメ科の植物。
紀元前より栽培されている。
日本へは18世紀に中国より伝播したため「南京豆」といわれる。
花が咲いたあと、土中に子房の柄が伸びて地中に入り結実するので、「落花生」とも呼ばれる。
 
良質のタンパク質、動脈硬化を予防する不飽和脂肪酸、ビタミンB群、ビタミンE、アルツハイマー病を防ぐとされるレシチンなどが豊富に含まれている。
ピーナッツの茶色い薄皮に、強力な強酸化作用を持つレスペラトロールという物質が発見され、その抗ガン作用が注目されている。
食物繊維も100g中3gと多く含まれ、脂肪や糖の吸収を妨げ、高脂血症や糖尿病の予防、改善に役立つ。
 
ただし栄養価が高いので、1日10~20粒くらいまでが適当であろう。
皮のまま食べると、下痢を止めたり、出血を防ぐ効果もある。
古くなると、肝臓ガンの一因となるカビ(アフラトキシン)が発生するので、なるべく早く食べよう。
 
 
◆ モヤシ (萌やし)
効能:ビタミンC補給
 
モヤシとは本来植物の名前ではない。
植物を、日光を当てず栽培すると、白っぽくひょろひょろと成長するが、それを長く柔らかく栽培したものを総称して「モヤシ」という。
 
栄養がなさそうではあるが、実は栄養的にも優れた食材である。
モヤシにはタンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどがバランスよく含まれている。
また、大豆モヤシには、大豆には存在しないビタミンCが100g中25mgも含まれている!
冬のビタミンC補給にはモヤシを食べると良いだろう。
種子から芽が出るときこそ、生命活動がもっとも活発に行われる。
このときビタミンC以外にも数々の未知栄養物質が産生されていると考えてもおかしくない。
そういった考えから、欧米の自然療法医はガンの治療食として「芽の出る野菜」を賞用しているようだ。
 
ビタミンCが不足すると出血しやすくなり、感染症、関節炎などが起こりやすくなるし、免疫力も低下する。
モヤシは、煮すぎたりゆですぎたりすると栄養価が失われるので、半生程度で調理することが大切だ。
長時間水につけておくのもよくない。
保存は密封して冷蔵庫で。
 
 
 
● 魚
 
◆ アジ (鯵)  効能:動脈硬化、視力低下、肝臓病
 
アジ科。旬は晩春から晩秋。
北海道を除く日本各地の沿岸に分布し、海岸から50~100mくらいの岩礁や海藻の繁茂するあたりに生息する。
ほとんど一年中捕れるが、6月ごろから脂がのりはじめる。
マアジ、シマアジ、ムロアジなどが代表的で、日本近海には約20種のアジが水揚げされる。
 
アジの名の語源については、「アジの味、鴨のごとし」、「アジは味なり」、「アジは味に通ず」など「おいしい魚」にあるとする説がある。
ほかには、アジは光に集まる性質が強いので、魚のよく集まるところを意味する、「アジロ=網代」から来ているという説もある。
 
アジにはアラニン、グリシン、グルタミン酸、イノシン酸などのアミノ酸が豊富に含まれている。
同じく豊富に含まれるEPA、DHAなどの不飽和脂肪酸と適度に交じり合い、あの独特の味が生まれる。
ビタミンとしてはB1、B2が多い。
アジは刺身、塩焼きのほか、料理の用途が広い。
干物はミネラルに富む。
 
アジはEPAのほか、タウリンも多く含んでいる。
よって、動脈硬化、それからクル高血圧、脳血栓、心筋梗塞、視力低下や肝臓病の予防、改善に有効な魚といえるだろう。
 
 
◆ アナゴ (穴子)
効能:夏バテ予防、視力低下、肌荒れ
 
アナゴ科。旬は春から夏。
アナゴはウナギに似て腹ビレがない、背ビレ、尾ビレ、尻ビレが一続きになっているため、「海ウナギ」の別称がある。
アマアナゴ、ギンアナゴ、クロアナゴ、ゴテンアナゴ、キリアナゴなどがいる。
体表はウナギ同様ヌルヌルしている。
これはムチンというタンパク質で、食べると強壮効果がある。
アナゴにとっては外敵から身を守る働きをしている。
ウナギとアナゴを鑑別するポイントはアゴで、ウナギは下アゴが上アゴより長く、アナゴは上アゴが長くなっている。
 
アナゴにはビタミンAが豊富に含まれ、またビタミンEも含まれている。
このため、夏バテ予防、眼球乾燥症や視力低下、肌荒れに効果がある。
アナゴはハモやウナギと同様、血液中に弱いタンパク毒素を持っているため、生食できないが加熱すると毒素が分解される。
とくに焼くと味がよくなるので、寿司だねのほか、天ぷらやかば焼きにもよく用いられる。
食通にいわせると、「魚体の前半分のほうが後半分より旨い」そうである。
 
 
◆ アユ (鮎)  効能:強壮・強精、下痢
 
アユ科。旬は盛夏。
アユは一科一属一種という珍しい魚で、日本以外では朝鮮半島、台湾、中国の一部に多少分布している。
アユは「年魚」すなわち、一年で生命が果てる魚という意味の別名がある。
「和名抄」にも、「春生じ、夏長じ、秋衰え、冬死す。故に年魚と名付く」とある。
一年でパーッと散るアユの[滅びの美学」は、日本人がアユを好む一因でもあるようだ。
また、アユは「香魚」ともいわれる。
これは石についたケイ藻やラン藻を主食とするため、藻の香りが魚体に染みついているからである。
英語でもSweetfishと呼ばれる。
 
鮎は100g中にタンパク質18g、脂質6gが含まれ、ミネラルとしてはカルシウムや亜鉛、マグネシウムが多く含まれる。
このため強壮・強精作用が期待できる。
塩焼きにしてタデ酢で食べるとおいしい。
また、鮎の腸を取り出して塩をたくさん混ぜた「ウルカ」は、お湯に入れて飲むと下痢の特効薬になる。
 
最近は養殖のアユが多く出回っているが、天然アユのほうが全体に身がしまりスマートで香りが高い。
 
 
◆ アンコウ (鮟鱇)  効能:保温、滋養
 
アンコウ科。旬は冬。
「鮟鱇」の語源は、「エサを取るのに他の魚と争うことなく、安康な生き方をしている」という意味。
事実、鮟鱇は海底にジーッとして、口を開けて獲物を待っている魚である。
そのため、怠け者のことを「アンコウの待ち食い」という。
 
「西のフグ、東のアンコウ」といわれるほどのおいしさで、関東の冬を代表する味覚の一つである。
フランス・マルセイユの名物料理、ブイヤベースにも欠かせない魚。
アンコウを調理するときは体を7つの部分に分ける。
キモ(肝臓無味のフォアグラと呼ばれるアンコウのキモ)、カワ(皮)、ヌノ(卵巣)、ヤナギ(身肉、ほお肉)、トモ(尾ビレ)、エラ、水袋(胃)の7つに切り売りされる。
このため、「娼婦」との別名もある。
 
「アンコ型」とは肥満の力士、「アンコウが酒粕に酔ったよう」は酔っ払って醜くなった顔、「アンコウ武者」は臆病なのに強がりをいう武士のことを指す。
言葉としてはあまり良いイメージでは使われないものの、アンコウ料理は体を温め、栄養をつけてくれる冬の活力源である。
 
 
◆ イサキ (伊佐木)
効能:カルシウム補給、骨粗しょう症
 
イサキ科。旬は初夏から夏。
比較的美味な中級魚とされ、イサギとも呼ばれる。
イサギの「イサ」とは磯、「ギ」は魚を表す。
本州の中部以南の海磯に群れをなして生息している。
体調は約40cmになる。
 
イサキには、イッサキ、シャクアジ、カジヤゴロシなどの別名がある。
カジヤゴロシとは、「固い鉄を扱う鍛冶屋でも。イサキの硬い骨には閉口する」という意味で、イサキの骨の硬さをたとえている。
またヒレのトゲは鋭く、鶏のとさかに似ているところから「鶏魚」とも呼ばれている。
 
イサキは旬の6月から8月を過ぎると、極端に味が悪くなる。
梅雨のころがもっとも味がよく、「ツユイサキ」と呼ばれて料亭などで高級魚として使われる。
味は若干磯の臭みがあるが、タイやスズキに匹敵するほどの旨さである。
塩焼きのほか、刺身、天ぷら、ムニエルにしてもおいしい。
 
 
◆ イワシ (鰯)
効能:抗血栓、老化防止、精神安定、骨粗しょう症予防
 
イワシ科。旬は初夏。
水揚げするとすぐに死に、味もすぐ落ちるため「鰯」という漢字で書かれるのが納得できる。
食用となるのはマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ、キビナゴなどで、メザシやシラス干しなどの加工品にもされる重宝な魚である。
古くから食べられていた魚で、紫式部も大好物であったと伝えられている。
 
イワシには血栓を防ぐEPAや脳の働きを高めるDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれている。
また、カルシウムが豊富に含まれており、骨粗しょう症の予防や精神安定効果は抜群である。
老化予防成分のレチノールや核酸、脳神経の働きを高めるナイアシン、アドレナリンの原料になるチロシンなども含まれるため、健康増進および病気や老化予防効果の極めて高い魚といえるだろう。
「本朝食鑑」には「老を養って虚弱体質を治し、人を健康にして長生きさせる」とある。これはきわめて正鵠を射た説明であることがわかる。
 
ほかにも、ビタミンA・B2・B6・D・Eなどや鉄分、アミノ酸のバランスのよいタンパク質が存分に含まれている。
まさに栄養素の宝庫というべき魚である。
「イワシ1000回、タイの味」といわれるが、イワシは高級後のタイよりもずっと健康食品である。
 
 
◆ ウナギ (鰻)  効能:夏バテ、美肌、抗血栓
 
ウナギ科。旬は夏。
ウナギは深海で産卵し、かえった稚魚は何千キロメートルもの海を渡って春に日本の河川に戻ってくる。
ウナギの「ウナ」は「ヌラリ、クラリしている様子」、「ギ」は[魚]を意味する。
ウナギのヌルヌルはムコプロテインというタンパク質のためで、皮膚を保護する役目をしている。
食べると、胃腸の粘膜を保護し、消化・吸収を助けてくれる。
 
7月の土用の丑の日にウナギを食べる習慣がある。
ウナギには内臓、皮膚、目、粘膜などを強化し、免疫力を旺盛にしてくれるビタミンAやレチノールが非常に多く含まれているためであろう。
また若返りのビタミンE、疲労回復に効くビタミンB1、美肌に効くコラーゲン、血栓を防ぐEPA、脳の働きを高めるDHAなども豊富に含まれている。
 
ウナギは夏バテに効果があることが奈良時代から知られており、「万葉集」の中でも詠まれている。
日本以外でも北欧やドイツ、イタリアなどでも食べられている。
ウナギのキモ(肝臓や内臓)には、ビタミンAが肉の部分の3倍も含まれているので、さらに優れた栄養効果がある。
なお、「ウナギと梅干しは食い合わせが悪い」といわれるのは、ウナギの脂が梅干しの酸で固まるためだろう。
 
 
◆ カジキ (旗魚)
効能:カルシウム補給、骨粗しょう症
 
マカジキ科。
作家ヘミングウェイの短編小説「老人と海」の主人公である。
マカジキ、メカジキの旬は冬。
バショウカジキ、クロカジキ、シロカジキの旬は夏。
 
カジキの特徴は、なんといっても槍のようにとがった鼻である。
鯨の腹を刺すこともあり、船に引き上げるときに刺されて死んだ人もいるくらい、硬くて強靭な鼻のようだ。
カジキマグロといわれることもあるが、マグロとはまったく別の魚。
肉質の感触や色合いが似ているため、マグロの代用品として用いられることもある。
 
カジキにはビタミンDが100gに250IU含まれており、これは1日の必要量の100IUよりはるかに多い。
成長期の子供や骨粗しょう症が心配な高齢者におすすめの魚である。
 
 
◆ カツオ (鰹)  効能:滋養、強精
 
サバ科。旬は春と秋。
カツオは「鰹」または「松魚」と書き、「干すと堅くなる」ことから「堅魚→カツオ」になったとされる。
カツオは南方の海で生まれ、黒潮に乗って春から日本を北上し、秋になると脂ののったカツオが東北沖から南下する。初ガツオは「季節のはしり」として珍重されるが、本当においしいのは秋の「戻りガツオ」であろう。
 
カツオはカツオブシにもされ、コンブとともにだしをとるのに用いられる。
鰹節のうまみ主成分であるイノシンさんとコンブのグルタミン酸の相乗効果でおいしくなるからである。
カツオは脂肪の含有量が少なく、タンパク質含有量が肉以上に多い。
しかも中性脂肪やコレステロールを低下させるEPAや脳を活性化させるDHAが含まれている。
血合いにはビタミンA・B1・B2や鉄が多く含まれているため、体力低下時や病後の滋養食として適している。
三浦半島で、昔から血合い部分をキモとショウガと醤油で煮付けて強精剤的に用いたのも、理にかなっている。
 
カツオに関する川柳は数多く残されており、当時の江戸っ子気質が盛り込まれていて実に面白い。
「初鰹 銭と辛子で 二度なみだ」 からは初ガツオが高価だったことがわかる。
 
 
◆ カレイ (鰈)  効能:美肌、疲労回復、肝臓強化
 
カレイ科。
旬は冬だが、大分の別府湾で取れるマコガレイは夏が旬。
朝鮮半島近海で多く捕れたことから「韓?(からえい)」と呼ばれていたのが語源である。
俗に「左ヒラメ、右カレイ」といわれる。
黒皮(目のある側)から見て、左に目があれがヒラメ、右ならカレイということである。
 
カレイ100g中に含まれるタンパク質は19gと多く、脂質は2.2gと少ない。
淡白な味で高タンパク、低カロリーの健康食品である。
ヒラメ同様、縁側は特に味がよく、美肌効果のあるコラーゲンが豊富に含まれている。
にこごりにして食べるとその効果は倍増する。
また、カレイにはビタミンB1・B2・Dなどのビタミンや含硫アミノ酸のタウリンが多く含まれているので、疲労回復や肝臓強化にも役立つ。
 
身が柔らかくて崩れやすいので、煮物や揚げ物として食べられることが多い。
小さいカレイは、から揚げにして丸ごと食べるとカルシウムの補給にもなる。
冷凍切り身としてお馴染みの「オヒョウ」もカレイの仲間である。
 
 
◆ キス (鱚)  効能:タンパク質補給
 
キス科。旬は夏。
日本各地からインド、紅海まで分布している。
内湾性の魚で岸の近くの砂地に生息している。
体長約25cmの白身の魚で脂質が少なく上品な味である。
シロギス、アオギス、ヤギスなどがある。
店頭に並んでいるのはシロギスで最もおいしい。
周年食べられるが、夏期に産卵するため、夏期に脂がのってくる。
 
樋口清之の[食べる日本史」には「昔の将軍は毎日キスを食べていた。
キスは喜ぶ魚と書くためで、おめでたい魚である故・・・・・・」とある。
しかし、キスの「キ」は「気娘」の「気」という意味で、「純粋でキレイ、混じりけのない魚」という、キスの外観からきているという説に信憑性があるようだ。
美しい姿、形は「渚の貴婦人」ともいわれる。
 
料理としては、塩焼きやフライ、から揚げのほか、吸い物にも使われる。
きすは鮮度を大切にしなくてはいけない魚で、キスの本当の味を味わえるのは「死後硬直の前」といわれるほどである。
 
 
◆ コイ (鯉)  効能:タンパク質補給
 
コイ科。旬は冬から春。
「川魚の長」と呼ばれる川魚の代表である。
中央アジア原産だが、今では世界中の河川や湖に生息している。
中国では紀元前500にはすでに養殖されていたようだ。
日本では、夏は「あらい」、冬は「コイコク」として食べる。
中国ではから揚げ、東欧ではムニエルとして食べられている。
 
コイは生命力の強い魚で、水から上げても数時間は生きているほどである。
昔から「コイの生き血は生がつく」とされ、結核などの消耗病によく用いられた。
事実、コイにはタンパク質や脂肪をはじめ、ビタミンA・B1・B2などのビタミン、カルシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれている。
またヒスチジン、グリシンなどのアミノ酸の含有量も多い。
 
コイは腎炎のむくみを取り、尿の出をよくするとか、産後の母乳の出をよくするといった効果が経験的に知られている。
とくにコイをぶつ切りにして、内臓も骨も一緒に味噌で煮込んだコイコクは、そうした作用に加えて強壮作用に優れている。
 
 
◆ サケ (鮭)  効能:抗血栓、動脈硬化
 
サケ科。旬は秋。
サケとマスは同じ科で、学問的には区別されているが、流通では広くサケマス類という呼び方がされる。
サケは川で産卵し、稚魚はほぼ一年間川で棲んでから海に下っていく。
4年で成魚になり、産卵のために自分が生まれた川に戻ってくる。
産卵のときにはエサを摂らないので、川に戻ってくる直前の夏が一番おいしいとされる。
サケの語源はアイヌ語の「シャケンべ(夏の食べもの)」に由来している。
欧米では以前は、サケは川魚という観念があり、まずくて安い魚とみなされていたようだ。
 
サケ100g中タンパク質は21g、脂肪8.4gが含まれている。
タンパク質の吸収をよくするビタミンB2やB6も多く含まれ、脂肪には動脈硬化や血栓を予防するEPAや、脳の働きをよくするPHAが含まれている。
とくに鮭の卵の「イクラ」や卵巣の「スジコ」には、若返りに効果のあるビタミンEが豊富に含まれている。
 
漢方的には「相似の理論」からすると、鮭の肉は赤いので、体を温め、かつ引き締める効果がある。
冷え性、貧血、肥満の人には格好の食物ということである。
 
日本ではサケを「鮭」と書くが、この漢字は中国ではフグという意味で、サケは「鮏」と書く。
 
 
◆ サバ (鯖)  効能:脳梗塞、心筋梗塞、貧血、美肌
 
サバ科。旬は春と秋。
日本各地にいるマサバと南部以南にいるゴマサバが代表的。
語源は、歯が小さく「狭歯」と呼ばれていたことによる。
そのわりには大食漢なのは、内臓に酵素類が豊富に含まれているからである。
しかし水揚げされると、それらの酵素がサバ自体の腐敗に拍車をかけ、「サバの生き腐れ」という現象が起こる。
 
サバにはヒスタミンが多く含まれ、腐り始めるときに多量に生成されるため、食べるとアレルギー用中毒を起こすことがある。
それでも味はよく、「秋サバは嫁に食わすな」といわれるほど、秋サバがおいしいのは、秋になると脂肪が20%にも達するためである。
ただ、関西では産卵後の春が旬とされる。
 
サバの脂質には動脈硬化の予防、血管の拡張、血管の凝集抑制、血圧降下、血中の脂肪低下などの作用をするEPAや、健脳・ボケ予防作用のあるDHAなどの高度不飽和脂肪酸が多く含まれている、
このため、脳梗塞や心筋梗塞などの予防に効果がある。
またビタミンB2や鉄分も多く、美肌や貧血の改善にも役立つ。
 
ちなみに「鯖を読む」とは、「サバが大量に捕れ、腐りやすいため、魚屋さんが数を大雑把に数え「数をごまかす」ことが多かったということから広まったようだ。
 
 
◆ サヨリ ()  効能:ビタミンC補給
 
サヨリ科。旬は春。
北海道から中国の北半島を経て、台湾まで分布している。
サヨリは海の表層を泳いでいるため、アミでの漁は逃げられることが多く、サヨリ漁は漁師にとって労の多い作業のようだ。
 
「銀の魚 サヨリ おねえさまに にてる・・・・・・」という北原白秋の詩がある。
サヨリは銀色に輝く上品でスマートな魚である。
サヨリの語源も、「まっすぐでよろしき魚」にあるらしい。
体調は40cmまで成長する。
昔、京都ではサンマのことをサヨリと呼んでいた。
姿、形は似ているが、実は、サヨリはトビウオと近縁である。
 
サヨリは低脂質で、魚には珍しくビタミンCが含まれている。
傷みの早い魚なので、新鮮なものを選ぶとよいだろう。
三枚におろして、刺身、天ぷら、フライなどにするとおいしい。
 
 
◆ サワラ (鰆)
効能:動脈硬化、高血圧、ボケ防止
 
サバ科。旬は春。体調1メートルにもなる。「名産名物図会」によると、「魚大なれども、腹小に狭し、ゆえに、狭腹と号く」とある。
小さいサワラはサゴシとも呼ばれるが、これは「狭腰」から来ている。
 
牧水の詩で「瀬戸の海や 浪もろとみに くろぐろと い群れてくだる 春の鰆は」というのがある。
サワラは日本近海のだいたいどこにでも広く生息しているが、とくに瀬戸内海で多く捕れる。
 相模湾では冬から桜の花の咲くころによく捕れるため、「寒ざわら」や「花見ザワラ」といわれるが、瀬戸内海では4~5月のタイ漁が終わるとサワラ漁になる。
 
サワラに多く含まれる脂質には、動脈硬化の予防や血圧降下などに効果のあるEPAやボケ予防効果のあるDHAなどの不飽和脂肪酸の含有量が多い。
身は白く、くせのない味わいである。
刺身はマナガツオと並んで、「刺身の王さま」といわれ、照り焼きやしょうゆ漬けにしてもおいしい。
卵巣は干して固めのからすみにされる。
 
 
◆ サンマ (秋刀魚)
効能:栄養食品、骨粗しょう症、ガン予防、ボケ防止、不妊症
 
サンマ科。旬は秋。
「細い身が刀のように光る秋の魚」という意味で「秋刀魚」と書かれる。
毎年秋になると産卵のため群れをなして南下し、10月ごろ房総沖に到達するころが最盛期である。
このころのサンマの脂質は20%にも達し、脂の含有量が多くなるほどおいしくなる。また、下あごがオリーブ色のメスのほうがおいしいといわれている。
 
サンマは栄養価と健康効果の高い魚である。
サンマのタンパク質を構成するアミノ酸は、質・量ともに優れており、脂肪の80%も占めるEPA・DHA、オレイン酸などは血栓を予防し、脳の働きを高めてくれる。
そのほかビタミンA・B12・D・Eが多く含まれ、その中でも腸(はらわた)でカルシウムとリンの吸収を促進し、骨を強くし、骨粗しょう症を防ぐビタミンDの豊富さは特筆に価する。
 
また、腸にはレチノールが豊富に含まれており、多食すると免疫力の向上や抗ガン効果が期待される。
ビタミンEも多く、末梢の血行をよくして体を温めるほか、不妊症や精子の機能低下の改善、老化防止に役立つ。
秋刀魚のような高タンパク、高脂肪の魚を焼くと発ガン物質が生成される心配があるが、ビタミンCがこれを解毒してくれる。
よって焼き魚には、レモンや大根おろしを添えるとよいだろう。
 
 
◆ シシャモ (柳葉魚) 効能:カルシウム補給
 
ワカサギ(キュウリウオ)科。旬は秋。
シシャモとはアイヌ語である。
「柳葉魚」と漢字で書かれるが、これはアイヌの伝説に「柳の葉が落ちて魚になった」とあることに由来している。
 
北海道の太平洋岸に群生しており。10月から11月のかけて川を上り産卵する。
この時期が漁期なのだが、期間が短く大量に捕れるため主に干物にされる。
 
ししゃもはビタミンAが多く含まれている。
また骨ごと食べられることもあり、カルシウム含有量が100g中440mgと多く、格好のカルシウム補給食品である。
昔は下魚とされてあまり食べられなかったが、子持シシャモが酒の肴として重宝がられはじめてから消費量が急に増えた。
今では国産のシシャモでは間に合わず、ノルウェーややアイスランドからも輸入している。
 
 
◆ シラウオ (白魚)  効能:カルシウム補給
 
シラウオ科。旬は春。
シラウオはサケマスと近縁の魚で、シロウオ(素魚)はスズキの親戚に当たるハゼ科の魚。
北海道以南の内海に生息しており、春になると産卵のために河口に集まってくる「春の魚」である。
 
「陰膳の 白魚もはや 鮭になり」という句がある。
「旅に出た夫のための陰膳には、はじめ白魚(春)をのせていたが、今はもう鮭(秋)を食べるようになってしまった」との意味である。
歌舞伎の名文句として有名な、河竹黙阿弥の「三人三廓初買」の出だしは、「月もおぼろに白魚の、かがりにかすむ春の宵」である。
当時は隅田川でも白魚がよく捕れたことが伺える。
 
徳川家康は白魚が大好物で、三重県の桑名から白魚をもってこさせて隅田川に放流した。
また、佃島の漁師がこのシラウオを献上するために、醤油で煮詰めて作ったのが佃煮のはじまりである。
 
ちなみに、格好のカルシウム補給源である「シラス」とは、イワシやサバの稚魚を湯通しして乾燥させたもので魚の名前でない。
 
 
◆ スズキ (鱸)  効能:脂溶性ビタミンの補給
 
スズキ科。旬は夏。
「古事記に」も登場する神代の昔からの高級魚。
体表面が銀色の光沢を放ち「魚の貴公子」とも呼ばれる。
スズキの「スズ」は[清]で[清々しい」との意。
成長とともに名前の変わる[出生魚」である。
関東では25cmくらいまでのものを「セイゴ」。
30~60cmくらいを「フッコ」、それ以上を「スズキ」と呼ぶ。
関西ではとくに大きいものを「大太郎」と呼ぶ。
 
夏、スズキが川を遡るころが旬で、「夏のスズキは絵に描いてでも食え」とか「タイもかなわぬスズキのあらい」などといわれる。
これは夏場のスズキのあらいがいかにおいしいかを表したものである。
10月ころから川を下り、冬に海で産卵するために味が落ちたものは、「枯れススキ」と呼ばれる。
 
スズキは白身の魚だが、脂のたまりやすい肉質のため、ビタミンAが100g中180IU、ビタミンDが290IUと脂溶性ビタミンの含有量が多いのが特徴。
味は淡白だが、特有の甘みがあり、和食、洋食のどちらにもよく使われる魚である。
 
 
 
◆ タイ (鯛)
効能:栄養食品、強肝、強壮・強精、乳汁分泌促進、冷え性
 
タイ科。旬は冬から春。マダイ、キダイ、チダイ、クロダイの総称で、代表はマダイ。
「百魚の王」と称され、日本では大昔から食べられていたようだ。
九州から北海道の南部まで分布しており、中でも瀬戸内海のサクラダイは有名。
 
タイは高タンパクであるが、低脂肪で消化吸収が良いので、高齢者や病人、生活習慣病を持つ人の栄養源として最適である。
味が淡白なわりに旨みがあるのは、エキス分としてグルタミン酸やイノシンさんを含み、アミノ酸のバランスがよいため。
高度不飽和脂肪酸が少なく、イノシン酸が分解されにくいので、古くなっても味が落ちない。
ここから「腐っても鯛」といわれるのかもしれない。
 
また、タウリンが豊富に含まれており、胆石生成の抑制、強肝作用、血中コレステロール低下、強心作用、アルコール解毒作用、血圧正常化、精力増進、ガンの転移防止に役立つ。
タイ頭で作るうしお汁は、昔から産後の乳の出をよくするとして、知られているが、ビタミンB2やゼラチン質の補給、冷え性の改善にも効果がある。
 
タイには鉄、カルシウム、亜鉛などミネラルが少ないので、ミネラルをたくさん含む小松菜や豆腐などと一緒に食べるとよいだろう。
 
 
◆ タラ (鱈)
効能:ボケ防止、強壮・強精、保温、利尿、二日酔い
 
タラ科。旬は冬。
タラは大変な大食漢で、エビやタコをはじめ100種類以上もの小動物を手当たり次第、時には自分の子供まで食べる。
そのため「大口魚」、「呑魚」ともいわれる。「鱈腹食べる」もここから来ている。
一般にタラとはマダラを指すが、北海道や北陸ではスケトウダラのこと。
 
タラは脂肪が極端に少なく、低カロリーであっさりした味である。
このため肥満や生活習慣病を病んでいる人の蛋白源としては最適。
脂肪中にはDHAが多く含まれ、健脳・ボケ予防が期待できる。
タラの肝臓には、多量のビタミンA・Dが含まれており、肝油として乳幼児や成長期の子供の格好の栄養食品となっている。
スケトウダラの卵巣の「タラコ」、マダラの精巣の「シラコ」は高コレステロール食品とされているが、血中コレステロールを低下させるタウリンも多く含まれているので、抗脂血症の人も心配なく食べてよいだろう。
 
また、漢方の「相似の理論」からすると、タラコとシラコは強壮・強精食品である。
新しいタラの身はほんのりと紅色をしており、体を温める作用がある。
その上利尿を促して二日酔いにも効くので、寒くてアルコール過飲になりがちな冬の料理に適している。
 
 
◆ ドジョウ (泥鰌)
効能:強壮・強精、乳汁分泌促進
 
ドジョウ科、旬は夏。
本州、四国、九州の河川、湖、水田、沼などに生息する。
土の中に棲んでいるため「土生」や「泥生」が語源ともいわれている。
ドジョウが一般の料理屋で出されるようになったのは江戸時代になってから。
 
卵とゴボウが入った柳川鍋は、栄養満点の鶏卵と強精効果のあるゴボウが入り滋精強壮作用に優れている。
日本橋の「柳川」という料理屋ではじめて作られたのでこの名がある。
「本草綱目]では、「体を温め、生気を益し、酒をさまし、痔を治し、さらに強精ある」とあり、「魚鑑」には、「血をととのえ、腎臓を益す」とある。
昔から強壮食品としてウナギと並ぶほど重用されてきた。
また産婦が食べると母乳の出をよくするともいわれている。
神経痛などにドジョウの皮を貼る民間療法もあるようだ。
 
ドジョウは冬眠するので、冬から春にかけて食べても栄養にはならない。
夏の産卵期の前あたりが栄養もありおいしい。
脂質の含有量は少なく、タンパク質、ビタミンA・B1・B2・Dが多く含まれている。
カルシウムはウナギに比べても抜群に多く含まれ、鉄も豊富である。
「土用ドジョウ」は夏の保健食品として重宝で庶民の食べものだったが、今やウナギよりも高価である。
 
 
◆ トビウオ (飛魚)
効能:安産、乳汁分泌促進、生殖機能促進、若返り
トビウオ科。旬は夏。
トビウオは日本の近海に約20種ほど生息しているが、食用となるのはホントビウオをはじめ、数種である。
体調は35cmほどで胃はなく、腸も短く、内臓も軽くて体重が少ないので飛べる。
別名「つばめ魚とも呼ばれる。
温かい海を好み、春になると北上して岸の近くで産卵して沖に戻る。
そしてまた夏に産卵する。
 
昔はトビウオを食べると安産に効があり、母乳の出もよくなるとされた。
骨が多く、カルシウムは多く含まれることを考えると、トビウオを妊婦が食べると本当に安産や催乳に効果があったのかもしれない。
トビウオは脂肪が少なく蛋白なので、生食にはあまり向かず塩焼きや揚げ物にして食べるとおいしい。
 
特筆すべきことは、飛魚には「生殖機能を高め血行をよくする若返りの効果あり」とされるビタミンEの40倍もの効力があるとされるセレンというミネラルが多く含まれているということである。
 
 
◆ ニシン (鯡・鰊)
効能:胃腸の働きをよくする
ニシン科。旬は春。
卵が多いので「妊娠魚」、または「二身=身を二つに割いて料理する」ことに語源があるとの説がある。
二つに割いた背側は「身欠き」として食用にし、腹側は肥料として活用されていた。
親潮などの寒流に育ち、春になると北海道に姿を現すため、「春告魚」と呼ばれることもある。
以前は大量に捕れた魚だったが、今は北海道でもあまり捕れなくなり、ほとんどロシアからの輸入に頼っている。
 
イワシの仲間なので、イワシ同様に鮮度が落ちやすい。
小骨が多いので嫌う人もいるが、数の子を嫌う人は少ないようだ。
ニシンのことをアイヌ語で「カド」といい、「カドのコ」がなまって「カズノコ」になった。
ニシンが海藻に卵を産みつけたものが「子持ちコンブ」である。
 
「本朝食鑑」によると、「陽を助け、陰を補い、腹中を温め、気を健やかにする」とあり、胃腸の働きをよくし、気力・体力をつける効能があることがわかる。
昔は房総、上陸、奥羽などの海浜や、利根川の河口でも捕れたという。
 
ニシンは生でも、燻製でも、酢漬けでも食べられるが、塩、ニシン、コンブ、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどを入れて煮込んだ三平汁は有名。
 
 
◆ ハゼ (鯊)  効能:強壮・強精、カルシウム補給
ハゼ科。旬は晩秋から冬。
種類が多く世界に約600種、日本には約300種が生息する。
マハゼが代表的で、ほかにはトビハゼ、ムツゴロウなどがいる。
体調は約20cmになる。
名前の語源は、姿が「玉茎(ハゼ)に似ている」からという説や、「すばやく馳せる」かろという説がある。
 
味噌汁やフライ、天ぷら、佃煮として食べられる白身魚である。
甘露煮煮すると骨ごと食べられるので、カルシウムのよい補給源となる。
古くから強壮食品として珍重されてきた。
ハゼの卵は塩辛にもされる。
 
 
◆ ハモ (鱧)  効能:夏バテ予防
ハモ科。旬は夏。
首を切っても食いついたりするため[食む」という説や、中国語の「ハイマン=海鰻」からきているという説がある。
体調は1メートル以上にもなる。
形相が悪いことから、「鱧も一期、海老も一期」ということわざがある。
これはハモもエビも同じ海で過ごすのに体型、形相がまったく違う。
人間も同じで身分の上下、貧富の差はあっても死ぬことだけは平等であるという意。
 
関東以北ではほとんど捕れないので関東人には人気がないが、関西ではタイに匹敵する魚である。
「祭りハモ」という言葉もあるくらいで、大阪や京都の祭り料理には欠かせない。
京都の祇園際は「ハモ祭り」といわれるほど、ハモチリ、ハモノオトシ、ハモ寿司などにして食べられる。
 
「ハモは梅雨の水を飲んで旨くなる」といわれるように、旬は梅雨時期から初秋まで。
近縁のウナギは下半分がおいしいとされ、反対にハモは上半分のほうがおいしいというのが通説である。
 
柔らかい白身の肉は脂質が多く美味だが小骨が多く、骨切りする必要がある。
ウナギやアナゴ同様にビタミンAの含有量が抜群に多く、夏バテ予防には最適である。
 
 
◆ ヒラメ (鮃)  効能:滋養、骨粗しょう症
ヒラメ科。旬は晩秋から冬。
ヒラメは漢字で「鮃」、「平目」、「比目魚」と書くように、平たい魚という意味がある。
樺太から東シナ海までの日本各地、朝鮮半島や中国沿岸の砂地に広く分布している。
 
俗に「左ヒラメ、右カレイ」といわれるように、黒皮(目のある側)を上に向けた時の目の位置が左右の目とも左側に集まっているのがヒラメである。
そのほか、ヒラメはカレイに比べて口が大きく鋭い歯を持っている。
また、値段もかなり効果。
 
ヒラメは味がよく、タイと並んで高級魚の代名詞となっている。
また、消化がよく低脂肪で高タンパク、低カロリーで、ビタミンB1・B2も豊富に含まれているので高齢者や病人、胃腸の弱い人などの栄養補給に良い。
そのほか、カルシウムの吸収をよくしてくれるビタミンDも含まれるので骨歯の強化、骨粗しょう症の予防・改善にも効果がある。
縁側の肉はコラーゲンが含まれるので美肌効果が抜群である。
 
冬場は海底を徘徊してエサの小魚を捕るので、身がしまり脂がのっておいしくなり、「寒ビラメ」と称され、フグに似た味がする。
産卵期は3月から4月までで浅瀬に上がってくるが、脂が落ち味が悪いため、この期のヒラメは「猫またぎ」ともいわれる。
 
 
◆ フグ (鰒、河豚)  効能:胃腸の働きをよくする
フグ科。旬は冬。
その名の語源は、怒るとお腹が「フク」れることからきているという説や、ヒョウタンを表す「フクベ」からきているという説がある。
漢字で「鰒」と書くのは「腹」が膨れる魚という意味で、「河豚」とは中国のフグが河に棲み、ブーブーと鳴いていたからこの字が当てられた。
 
フグは卵巣や肝臓、皮膚や目にテドロドトキシンという猛毒を含有している。
味が一番良いといわれるトラフグの肝臓1gの中に500匹のマウスを殺す毒が含まれる。
このため「テッポウ」という異名をもつ。
これは「中(あた)ると必ず死ぬ」という意味である。
フグの毒にあたると口や手足の痺れから始まり、嘔吐が生じ、全身が麻痺し、呼吸困難、意識不明、最後は死へと至る。
菜種のころ、産卵期の3月ごろのフグの毒性は一番強い。
俗に[菜種フグは食うな]といわれる所以である。
 
フグの肉は脂の少ない白身で、グルタミン酸、イノシン酸が多く含まれており、淡白な旨みがある。
しかもタウリンが多く含まれ、血栓や高脂血症の予防・改善、胆石の予防、肝臓や心臓の強化、糖尿病の予防、筋肉疲労の除去・・・・・・などの効果がある。
肉の部分よりももっとおいしいのがシラコ(卵巣)である。
 
 
◆ フナ (鮒)
効能:カルシウム補給、ビタミンD補給
コイ科。旬は冬から初夏。
体型がズングリと丸みを帯びたマルブナと、厚みのないヒラブナに大別される。
一般にヒラブナはヘラとかヘラブナと呼ばれる。
琵琶湖特産のゲンゴロウブナは大型のヒラブナで、秋にはヒレが紅色を帯びるので「紅葉ブナ」とも呼ばれる。
ゲンゴロウブナを使った「フナ鮨」は有名。
 
金魚の先祖であり春になり水がぬるむと大きな河より、小川やその支流に移動してくる。
これは「のっ込みブナ」と呼ばれる。
このころの子持ちブナが一番おいしく、秋になって大きな川に戻ってくる「落ちブナ」はあまり味がよくない。
 
フナはカルシウムとビタミンDが豊富に含まれている。
愛知県の熱田神宮や佐賀県鹿島市の「えびす祭り」にはフナが用いられる。
大き目のフナは洗いに、小さなフナは佃煮、甘露煮、昆布巻き、味噌汁にされる。
 
 
◆ ブリ (鰤)  効能:滋養強壮、抗血栓、ボケ防止
 
アジ科、旬は冬。
体長130cm、体長15kgにもなる。
北海道から沖縄までの各地の沿岸で捕れる回遊魚。
3~4月ごろ、本州の中部以南で産卵し、ふ化すると北上。
秋になると南下する。
 
栄養を蓄えている産卵前の冬がもっとも味が良い。
ブリは「出生魚」で、関東では15cm以下を「モジャコ」、20cm級を[ワカシ」、40cm級を「イナダ」、60cm級を「ワラサ」、90cm以上を「ブリ」という。
関西では「ツバス」・「ハマチ」、「メジロ」、「ブリ」と変わる。
養殖のブリは成長が早いため、ハマチと総称されている。
 
年越しの行事に出される「年取魚」は、関東や東北では新巻鮭が一般的だが、関西や北陸ではブリが一般的である。
一般に太平洋沿岸より日本海のブリのほうが美味で、富山県の氷見港のブリは「能登ブリ」といわれ有名。
 
ブリは動脈硬化や血栓予防のEPA、健脳・ボケ予防効果のあるDHAが多く含まれている。
グツグツ長く煮ると柔らかくなり、頭も骨も食べられる滋養強壮食品となり、昔から珍重されてきた。
 
 
◆ ホッケ (魚花)
効能:滋養強壮、抗血栓、ボケ防止
 
アイナメ科。旬は冬から春。
漢字では「魚篇に花」と書くが、花のような魚ではなく不恰好な魚である。
もともと「魚花」はホッケを指すのではなく、船上からホッケの幼魚の大群を見ると「花」のようだったというのが、名前の由来らしい。
 
15cmくらいの幼魚は「アオボッケ」、25cmくらいのものは「ハルボッケ」、それ以上の大きさのものは「ネボッケ」と呼ばれる。
ネボッケは沖合いの岩の多いところで生息し、9、10月の産卵期に岸によってくる。
このころのホッケは「彼岸ボッケ」と呼ばれる。
 
刺身、塩焼きをはじめなんでも食べられるが、鮮度の落ちが早いため、干物や冷凍すり身用の加工品の原料にされることが多い。
ニシンの卵を食べるため、昔は敵視されたこともあったが、戦後の食糧難の時代の日本人の貴重なタンパク源となった。
 
ホッケとアイナメは同族でよく似ている。
ホッケは北海道近海で多く生息し、アイナメは本州以南に多い。
見分け方は、背ビレが1つにつながっているのがホッケで、2つに分かれているのはアイナメである
 
 
◆ マグロ (鮪)   効能:抗血栓
 
サバ科。
マグロには、キハダやホンマグロ、メバチ、ビンナガなどがいる。
マグロは海洋性大回遊魚で、太平洋、大西洋、インド洋など世界の海を回遊している。
昔、日本では「下衆の魚」とされており、欧米でも赤身のマグロは敬遠されていた。
しかし、今日では国際的に市民権を獲得ししつある。
 
マグロの値打ちはトロの良し悪しで決まる。
トロは背の赤身に比べて50倍もの脂が含まれている。
ビタミンAやB群も含まれているが、特質すべきは不飽和脂肪酸のEPAの含有量が非常に多いことである。
EPAは体に吸収されるとプロスタダランディンという物質に変化し、血液中の中性脂肪の低下、善玉コレステロールの増加、血管拡張、血小板の凝集抑制などの働きをする。
それによって動脈硬化を予防し、高血圧を改善し、脳血栓、心筋梗塞の予防などに役立つ。
 
デンマークの医師が、イヌイットが肉を主食としているにもかかわらず、欧米人に多く見られる脳梗塞や心筋梗塞が皆無であることに着目し、研究を進めた。
その結果、イヌイットの血液中にEPAの含有量が多いことがわかり、それは、EPAが多く含まれている青背の魚やアザラシの肉を主食にしていることにあると結論づけた。
 
 
◆ メバル (眼張) 効能:ビタミンC補給
 
カサゴ科。旬は晩春から夏。
目が大きいので「眼張る」という。「メマル」との別名もある。
北海道から九州まで、岸辺に近い岩場に生息している。
赤、白、黒と棲む場所で体色が異なっており、黒いものはクロメバル、赤っぽいのはアカメバルと呼ばれる。
 
大衆釣り魚としてもっとも人気があるものの一つである。
天気がくずれてくる前には釣れないで、凪の日にはよくつれるので、「メバル凪」という言葉もある。
メバルは魚類の中ではビタミンCが多く、さっぱりとした味である。
20cm前後のものが一番よい。
煮つけ、塩焼き、から揚げ、ちり鍋などにして食べられる。
 
 
◆ ワカサギ (公魚)
効能:生殖機能促進、ガン予防
 
キュウリウオ科。旬は2~4月。
江戸時代に宍道湖(しんじこ)のワカサギが将軍に献納されたので、「公魚」という漢字が使われる。
諏訪湖、山中湖などのワカサギ漁が有名であるため、淡水魚と思われがちだが、サケと同様、川で産卵し海に戻る魚である。
ただし、そのまま湖に棲みつくものもいる。
 
ワカサギには、生殖機能を若々しく保ち、発ガン制御作用もあるとして注目されているセレンというミネラルが多く含まれている。
天ぷら、あめ煮、マリネなどにされるが、から揚げにすると骨ごと食べられるので、カルシウムやリンのよい補給源となる。
 

 

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池田 優

 

 

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