山ちゃんの食べもの考

 

 

その298
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【154】
朝食抜きで、高血圧、糖尿病、
肝炎、腎炎、アトピー、リュウマチが
ぞくぞく治っている!
「奇跡が起こる
半日断食」
甲田光雄 著  マキノ出版 刊
より その4
 
 
第2章 半日断食のすごい効果の2
 
●半日断食の病気治療の効果
 
半日断食が単なるダイエット法でないことは、この章の冒頭で述べました。
断食は、単にやせるだけでなく、体にとって本来望むべき方向に体質を改善させてくれるのです。
 
断食によって改善効果がある症状・病気はさまざまです。
肩こり、腰痛、冷え性といった平凡な病気から、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギーや、高血圧や高脂血症、動脈硬化や、それらを基盤に発症する脳卒中や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、糖尿病、ガンなどの生活習慣病から、肝炎、腎炎、更には全身性エリテマトーデスなどの難病にも威力を発揮します。
 
以下に、個々の病気に対する半日断食の効果について説明しましょう。
 
 
●アレルギーの病気
 
アトピー性皮膚塩、花粉症、気管支喘息などのアレルギーも、半日断食が効果的です。
 
アレルギーのうち、特にアトピー性皮膚炎はこの20年余りの間で目に見えて増加してきました。
なかには大変難治性のものもあって、社会問題化しています。
 
アレルギーの発生にも、宿便が関係しています。
その理由は、腸内に渋滞した宿便が異常発酵(腐敗)する過程で、有毒物質が発生し、それとともに悪玉菌やカビなどもふえていきます。
そして、それらが腸の粘膜を傷つけ、炎症を引き起こします。
 
こういう状態のとき、食物とともに外部から取り込まれたアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)が腸まで達すると、傷ついた腸の粘膜からそれがどんどん体内へ侵入してしまいます。
この結果、アトピー性皮膚炎や花粉症、気管支喘息などのアレルギーが引き起こされます。
 
半日断食をすると、宿便が排泄され、腸壁の傷やただれが治り、アレルギーを引き起こす物質が体内に入ってきても、血中に入ることなくブロックされます。
アレルゲンが侵入しても、びくともしない腸になるのです。
それによって、アレルギーの症状が改善したり、出にくくなったりするのです。
 
これが、アレルギーの戸締り治療論です。
外界には、アレルゲンとなる犯人が、浜の真砂の如く、おびただしい数に登ることでしょう。
それをみな、調べつくすことは困難ですし、たとえ見つけたとしても、体内に入るのを防ぐことは困難です。
入ってきてもびくともしない体をつくることこそ、根治治療への道なのです。
 
実際、朝食を抜いただけでアトピー性皮膚炎や花粉症の症状がずいぶん軽くなったという人は、たくさんおられます。
また、アトピー性皮膚炎であったことがわからなくなるないくらい、きれいに肌にもどる人が非常に多いのです。
 
動物性脂肪や動物性タンパク質は、特に腸内異常発酵のもとですから、アレルギー疾患のある人は極力控えねばなりません。
半日断食を実行し、動物性食品を控えるようにするのが、改善・予防のコツです。
また、青汁と温冷浴が非常に効果的です。
 
●アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎には、半日断食と青汁(生野菜ジュース)の併用が特に効果的です。
さらに、温冷浴(詳しくは後述)を併用するともっとも効果的です。
 
浜松医科大学の瀧川雅浩教授が青汁の有効性をアトピー性皮膚炎の学会で発表するなど、現代医学の現場でも青汁の効果が認められてきています。
ちなみに、滝川教授の発表にないようは、アトピー性皮膚炎の患者23人に1日合計2合(360ml)の青汁を飲ませたところ、著効・有効を含め19名の症状が改善したものです。
 
ところで、乳幼児のアトピー性皮膚炎は、胎便を排泄していないことが大きな原因の一つです。
胎便は、生後2~3日後に出る、暗緑色や黒褐色の粘っこい便で、母体にいるときに飲み込んだ羊水や腸の粘膜から作られたものです。
いわば、胎児のときにたまった宿便といえます。
産後に、この胎便を完全に排泄しているかいないかで、子どものその後の成長過程に大きな差が出ます。
 
●花粉症
花粉症やアレルギー性鼻炎の人は、半日断食と行かないまでも、食事の量を減らすだけで、容易に解消します。
半日断食をきちんと実行すれば、効果は確実で、翌年からは花粉の飛ぶ季節になっても症状に悩まされることはありません。
 
●気管支ぜんそく
私はこれまで数多くの気管支ぜんそくの患者さんを指導、治療してきましたが、患者さんに共通しているのは、大食家であるということです。
 
過食が気管支ぜんそくの発症の引き金になることは、比較的よく知られています。
ですから、発作が起きそうなときは、食事を減らすか、あるいは重湯のようなものだけを2~3日食べるようにします。
そうすると、発作が起こらなかったり、起きても症状が軽かったりするでしょう。
 
気管支喘息は、断食療法がもっとも得意とする病気の一つです。
根治させるためには、半日断食をして少食にし、生菜食を併用します。
虚弱な体質が土台から改善されることによって、ぜんそくは治癒します。
また温冷浴や裸療法(できれば全裸になって全身を外気にさらし、皮膚呼吸を盛んにする療法)も免疫を強化するので役立ちます。
 
 
●抗脂血・脂肪肝
 
高脂血症は、血中に中性脂肪やコレステロールなどの脂質が過剰にある状態です。
また、脂肪肝は、肝臓に脂肪がたくさんたまり過ぎた状態です。
いずれも主な原因は食べ過ぎで、これらは肥満に伴って起こる2大症状ともいえるし、高脂血症の人は、脂肪肝を伴っているケースが多いといわれます。
高脂血症は動脈硬化を引き起こす重大な危険因子ですから、高脂血症を改善して動脈硬化の進行を防ぐことは重要です。
 
高脂血症や脂肪肝は、本断食を行なうことによって、いとも簡単に改善できますが、本断食を行なうまでもありません。
半日断食で十分です。
 
本断食を開始すると、そのとたんに血液中の中性脂肪がへってきて、3~4日で血液中の中性脂肪は正常になります。
血中の中性脂肪が全部使われて底をつくと、こんどは肝臓の脂肪が使われます。
こういうしくみで変化していき、1週間も断食を続けると、脂肪肝も一挙に改善します。
 
半日断食の場合、即効性では本断食に劣りますが、きちんと実行すれば大半の人が1か月程度で改善します。
 
 
●高血圧・動脈硬化
 
高血圧は動脈硬化を進行させる要因の一つです。
また動脈硬化が進むと必然的に血圧が高くなりますから、両者はお互いに悪い影響をおよぼします。
そして、両者がそろうことで、心臓病(狭心症や心筋梗塞など)や脳卒中を発症する危険はぐんと高くなります。
 
この両方の問題を一挙に解決する方法が、実は半日断食なのです。
 
血圧が高ければ降圧剤を飲んで下げるのが、現代医学の常識とされています。
しかし、本当はその必要はありません。
それどころか逆に、薬で血圧を下げることは、降圧剤の種類によっては危険を伴うことになります。
血圧が高くなるのは、一面においてその人に必要なことなのです。
 
では、なぜ血圧が高くなることがあるのでしょうか。
 
体の中で一番血液を必要とするところは脳です。
手足が必要とする血液の量を1とすると、脳に行く血液は20倍が必要です。
仮に、手をしばって血液を30分ぐらい止めておいても、しばっているのを解けば手は生き返ります。
しかし、脳の血液を30分止めたら、脳は元には戻りません。
せいぜい3~6分が限度です。
 
動脈硬化が進み、血管が狭くなり、血液の流れが悪い状態では、脳に血液不足が生じます。
すると、脳は危機を察して血圧を上げて血流量を増やします。
脳は血流不足を解決するため、わざと血圧を上げているのです。
 
それを降圧剤でむりやり下げたら、脳への血流がへり、流れがよどんで血栓(血液の塊)ができやすくなって、血管が詰まりやすくなり、脳梗塞の危険が高まります。
ですから、血圧が上がるのは、体の防衛手段として、なくてはならないことなのです。
 
そこで、薬を使わないで高血圧や動脈硬化を治す方法はないかというと、半日断食です。
 
自己融解の項で述べましたが、血液が高くなる根本原因は、動脈硬化によって血管の中が狭くなっているからです。
これは肉、脂、糖分などのとり過ぎで、アテロームという脂肪の塊が血管の内壁にこびりついているためです。
通りの悪いところに血液を送ろうとするわけですから、結果的に血圧を上げてしまうためです。
 
半日断食をすると、アテロームは解けてなくなります。
血管は広くなり、血液の流れがよくなりますから、脳は血圧を上げる必要はなくなり、血圧が下がるわけです。
また、体の各細胞が飢えるために、栄養を吸収しようと血液を吸引する力が増します。
その結果、血液循環がよくなります。
血液循環は心臓の力だけでなく、細胞が引っ張るということがあって成り立っているのです。
 
だから、半日断食をして食事の量を減らすことによって、高血圧を改善するのはむつかしくはありません。
血圧と少食の関係には次のようなデータがあります。
 
1日320キロカロリーの食事を2週間続けたら、高血圧患者の9割が正常になった。
1日800キロカロリーの食事を3週間続けたら、高血圧患者の6割が正常になった。
これらは現代医学でも認められているデータです。
 
半日断食のうえに、青汁(生野菜ジュース)を飲み、玄米菜食にすると、なお効果的です。
ドロドロだった血液が、数週間でサラサラの血液に改善できます。
 
 
●脳卒中・心臓病
 
脳梗塞や脳出血などの脳卒中が起こる主な原因は動脈硬化です。
しかし、その背景に宿便が関与していることは、現代医学では見逃されている点です。
 
私の治療経験からはっきりいえることですが、脳卒中や心臓病などの血管障害が原因で起こる病気も、宿便がからんでいることが実に多いのです。
脳卒中を起こして、右半身マヒになる人は、体の左側の下行結腸という部分に宿便が渋滞しており、その影響で左側の脳血管に障害が起こる場合が多いと考えられます。
 
反対に左半身にマヒが起こる人は、右側の上行結腸という部分に宿便があり、右側の脳血管に障害が起こる場合が多いのです。
 
断食をして宿便を排泄すると、脳卒中などの血行障害による病気が改善し、脳卒中による麻痺が回復してくる人はたくさんいます。
狭心症や心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)の場合も同じです。
 
なぜ、断食によってこれらの循環器系の病気が改善するのか、その仕組みはまだ明らかになっていません。
一つの道筋としては、自己融解によって冠状動脈の動脈硬化が改善するためと考えられます。
 
脳卒中や心臓病の予防や改善に、半日断食をおすすめします。
青汁(生野菜ジュース)も血液をきれいにするので役立ちます。
できれば、玄米菜食にするとよいでしょう。
 
●不整脈・動悸
 
不整脈や動悸は、心臓や循環器系に問題があると起こります。
自律神経のバランスが崩れた自律神経失調によって起こる機能的な場合もあります。
 
不整脈や動悸がある人が半日断食を行なうと、さらに症状がひどくなることがあります。
そのため、治療はまず、主食を玄米クリーム(玄米を粉にして炊いたもの)に、玄米菜食を行ないます。
体質が改善してきたら、半日断食に切り替えます。
 
半日断食を行なって、めまい、不整脈や動悸が出る場合も、同じように、まずは、玄米クリーム中心の玄米菜食から行なうようにしましょう。
 
 
●糖尿病
 
現代の国民病といわれれほど、糖尿病が増加してきました。
遺伝的な体質も関係しますが、主な原因は食べ過ぎと運動不足です。
肥満は糖尿病の予備軍とされていますが、その理由を説明しましょう。
 
太って体内に脂肪組織が増えると、ブドウ糖の細胞内とり込みを促進し、血糖値を減少させるインスリンの効き具合が悪くなります。
つまり、インスリンの感受性が低下するのです。
 
そこで、インスリンを分泌する膵臓は、細胞の脂肪とり込みをよくするため、どんどんインスリンを出します。
しかし、それが負担となって、膵臓はやがてインスリンを枯らしてしまうのです。
これが糖尿病の発病の仕組みです。
 
糖尿病の怖さは、血液中の糖分が増えるために動脈硬化が進行し、それが驚くほど早いことです。
すると、糖尿病性網膜症(目の微小な血管がおかされる病気)、糖尿病性腎症、脳梗塞、心筋梗塞、手足壊疽などのさまざまな合併症を引き起こすことになりますが、すべてが動脈硬化のなれの果てなのです。
 
半日断食を実行すると、糖尿病で高かった血糖値が速やかに改善してきます。
また、青汁がてきめんに効きます。
さらに、生のタマネギを合わせることで、大きな効果が期待できます。
ほかに、食事とは別に、入浴時に温冷浴を取り入れることも大変効果的です。
 
動脈硬化が進行し、合併症が出ている場合も、半日断食とこれらの療法をあわせて行なうことによって、進行が食い止められるばかりか、合併症が改善することも少なくありません。
 
ただ、すでに血糖値を下げる薬を服用していたり、インスリンを注射していたりする人が半日断食や青汁中心の食生活を行なうと、急激に血糖値が下がり、低血糖になりやすくなり、めまいや疲労感を感じることがあります。
そういった人は、毎日血糖値を計り、投与するインスリンを減らすなど、低血糖状態を防ぐ手段を講じる必要があります。
 
また、空腹時の血糖値が異常に高く、300mg/dl以上もあるような人の場合は、自分ひとりで半日断食を行なってはいけません。
必ず専門家の指導のもとで行ってください。
 
なお、糖尿病対策としての主食は、白米よりも玄米、炊いた玄米飯よりも生の玄米粉を選ぶとよいでしょう。
生玄米粉がもっとも血糖値の上昇を抑えることが、甲田医院での実験でも証明されています。
 
 
●ウイルス性肝炎
 
現代医学では難治とされ、そしてこわいのがウイルス性の肝炎です。
肝炎はウイルスの種類によって、「A型」「B型」「C型」に大別されます。
 
これらのうち、A型は慢性化しませんが、B型、C型は慢性化し、長い間感染していると、将来、肝硬変、肝臓ガンになる可能性が非常に高くなります。
健常者が肝臓ガンになる確率を1とした場合、B型慢性肝炎の人は80倍、C型慢性肝炎の人は900倍にもなります。
ですから、日本で推定240万人といわれているC型肝炎ウイルスの保持者は、戦々恐々となっているわけです。
 
現代医学におけるC型肝炎の治療はインターフェロンの投与が主流になってきています。
しかし、ウイルスのタイプによって適用になる人は限られているうえ、もし適用者で受けられたとしても、有効例は30%程度と低いのです。
しかも、失敗するとかえってウイルスがふてしまうという副作用があるため、患者さんは非常なリスクを負うことになります。
 
慢性のウイルス性肝炎の治療にぜひ実行していただきたいのが半日断食の実践です。
その食事療法の基本は、疲弊しきって機能が低下した肝臓を休ませることです。
 
半日断食が基本で、肝炎の場合は併せて生菜食という食事療法をします。
生菜食とは、生野菜が中心で、火を通した食物はいっさい口にしない特殊な食事療法です。
 
これを続けると、今まで疲労しきっていた肝臓を休めることができます。
また、失われた肝臓の免疫力(ウイルスを体外へ追い出す働き)がぐんと上がってきます。
 
肝臓には、もともとクッパー細胞という、ウイルスを攻撃する細胞があります。
半日断食と生野菜のビタミンC、E、β-カロチンなどで免疫能力が上がったクッパー細胞は、肝細胞の中にいるウイルスを攻撃します。
すると、ウイルスが入った細胞ごと破壊され、肝臓からウイルスが追い出されます。
 
このとき、壊れた細胞から特有の物質が出て血液中を流れます。
これが、GOT、GPTという肝機能検査の数値に表れます。
したがって、半日断食を始めると、肝機能数値はいったん悪くなりますが、これはウイルスを含んだ細胞を壊してどんどん追い出していく証拠なのです。
 
このように、いったん肝機能の数値が上がりますが、その後は次第に下がってきます。
できれば、半日断食を毎日続けながら、1週間以上の間隔をとって本断食を行なうと、また肝機能が少し上がり、その後以前よりもさらに数値が下がります。
半日断食と本断食を何度もくり返すと、もはや肝機能値は下がったままになります。
数ヶ月から数年と時間はかかりますが、こうして慢性肝炎は安定します。
肝硬変に進行している場合でも、驚くべき効果があります。
 
ただし、本断食は医師の指導のもとでなければ行なうことはできません。
一人で行う場合は、半日断食と一日断食を併用する方法が最善でしょう。
 
 
●肝機能低下(鈍重肝臓)
ウイルス性肝炎はなくても、食べ過ぎによって肝臓の機能が低下している人が今日、非常にたくさんおられます。
これは鈍重肝臓という病気です。
この病気は、現代医学では認めていません。
 
肝機能が低下している人が断食療法を行なうと、断食前は肝臓の機能値であるGOT、GPTが正常値だったのに、断食中に異常に上昇するという現象が時々起こります。
これは断食によって、肝機能に異常があったということがはっきりと表に出されるからです。
 
鈍重肝臓は、いわば肝臓の働きが低下している状態で、大食家に多く見られます。大食で肝臓に負担をかけすぎ、それを長期にわたって続けた結果、肝臓がへとへとになっているというのが鈍重肝臓の姿です。
 
また、大食でなくても、胃腸が弱かったり、運動不足、ストレスの多い生活などによって宿便をため込んでいる人は、鈍重肝臓になっている場合が多いです。
飲酒もそれに加担します。
 
典型的な造重肝臓のケースを次に挙げてみましょう。
 
疲れやすくて根気が全然ない。
肩や首がこって仕事に集中できなくてすぐ嫌になってしまう。
書物を読んでも頭に入らないし、また、すぐ忘れてしまう。
人の名前や電話番号などもぱっと出てこない。
したがって、記憶力にはまったく自信がない。
最近はそのため仕事がはかどらず、いつもイライラして、ときどき癇癪球が爆発し、子どもたちにも当り散らすことが多くなった。
しかしその跡で、あそこまで起こらなければよかったのにと後悔することしきり。
そして、何ごとも悲観的になってきて、とりこし苦労ばかりします。
そのくせ、昼食とか夕食には人一倍たくさん食べ、その後は決まったように横になって一服するか、軽いうたた寝をしないとやっていけない。
そして、食後は腹部膨満干が強くなり、ゲップやガスが多く出る割に、便があまり思うように出てくれません。
 
つまり、よく食べる割に便の量が少ないのです。
これはすなわち、宿便として腸内に滞留しているのです。
要するに、胃腸の処理能力を超えて毎日食べているために、宿便が停滞し、胃腸の蠕動運動も鈍ってきています。
 
肝臓も、毎日過剰の栄養を処理するのにフル回転を続けていますが、いつまでもそれが続くわけがありません。
次第に疲れがひどくなり、そのため、右の下肋部に鈍い痛みを感じるようになります。
特に脂肪分が多い濃厚な料理をいっぱい食べた後に、その病状がはっきり現れます。
 
こうして肝臓が疲れてくると、体温の調節もうまく行なえなくなってきますから、暑さにも寒さにも耐えられない、暑がり、寒がり、いちばんの情けない体になってしまいます。
しかし、外見は以外にどっしりとした立派な体格の人が多く、どこが悪いのやら赤ら顔で、他人はその人の苦しい症状の実感を感じ取ることが難しいくらいです。
 
以上、鈍重肝臓の症状の概略を説明しました。
本人は、自分の体のどこか狂っている、悪いに違いないと思いながら、不吉な予感におびえています。
しかし、現代医学の検査をしても異常が発見されるとは限らないし、原因がわからないままでいます。
この鈍重肝臓の人が多く、日本人の半数以上がすでにこの病気になっている、といってもよいのではないでしょうか。
 
この鈍重肝臓の症状で悩む人の中から、最近、現代医学で注目を浴びは閉めている「非アルコール性脂肪肝炎(NASU)」という病人が出てくるわけです。
 
肝炎といえば、従来はウイルス肝炎とかアルコール性肝炎、あるいは薬物障害性肝炎などが考えられていたものです。
ところが、そのような原因とはまったく違った肝炎が意外とたくさんあることがわかってきたのです。
 
歴史的には、まず1979にドクター・アドラー先生が、アルコール歴がまったくないのに肝生検(肝細胞を取って行なう検査)でアルコール性肝障害にきわめてよく似た病気のあることを、学会へ報告したのが始まりです。
 
その後、ルートヴイッヒ博士らは同じような病状を表す患者さん20名の学会報告を行い、この病気をNASHと呼ぶようにしようじゃないかと提案しております。
 
この非アルコール性脂肪性肝炎が日本でも最近、注目を浴びるようになって来ました。
病人の多くは、肥満、糖尿病など、過剰な栄養をとり続けて鈍重肝臓になっている者から出ているものと見て間違いありません。
 
この鈍重肝臓を治すには、断食をするか、また腹7分の少食を守るかのほかありません。
半日断食を行なうと、肝臓の偽労が取れ、宿便が排泄されることにとって、改善してきます。
また、肝臓の強化のためには青汁(生野菜ジュース)が役立ちます。
できれば、半日断食と生菜食を併用すると良いでしょう。
 

 

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生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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