山ちゃんの食べもの考

 

 

その311
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【159】
朝食抜きで、高血圧、糖尿病、
肝炎、腎炎、アトピー、リュウマチが
ぞくぞく治っている!
「奇跡が起こる
半日断食」
甲田光雄 著  マキノ出版 刊
より その9
 
第4章 半日断食で病気が治った
奇跡が起きた20人
・・・の1
 
●高血圧
200mmあった血圧が薬を使わず
120mmになり耳鳴りも軽減
佐々木清和さん・60歳・京都府・自営業
 
◆ 「心配ない、だいじょうぶ」
私は平成11年12月に脳内出血を起こして入院しました。
脳の真ん中が出血箇所なので手術ができず、血が完全に止まる3月末まで入院生活を続けることになりました。
退院後は頭が抑えつけられるような感じで、四六時中、低温の耳鳴りが両耳ともに響いていました。
 
4月末に甲田先生のもとを訪れると 「心配ない。食事療法をするとだいじょうぶ」との言葉をいただきました。
血圧降下剤も不要とのことで、その日から薬を飲むのをやめました。
食事療法は翌日からスタートしました。
私の処方は以下のとおりです。
 
●午前中=柿の葉茶と水をあわせて1?、水酸化マグネシウム20m?
●昼と夜の食事=5種類の野菜をミキサーにかけたものを絞った汁1合(180ml)、ニンジンのしぼり汁1合(180ml)、ハチミツ30g、豆腐300g、玄米を粉ひきもできるミキサーなどで粉にしたもの120mlを水でペースト状にしたもの
なお、塩分の味つけは減塩しょうゆを少々使います。
 
この食事を始めると、倒れる前は67kg、甲田医院を訪れたときは65kgあった体重が見る見る落ち、夏には42kgまで落ちてしまいました(私の身長は162cm)。
体はしんどく、夏だというのに汗も出ず、寒いほどなのです。
 
最初は体重の落ち方があまりにも激しいので不安になり、通院のたびに不安な気持ちを質問にして先生に浴びせました。
しかし、私より症状の重い脳卒中の後遺症があった方や、原因不明の病気の方がすっかり治って、元気に仕事や学校に復帰している姿を通院時に見ました。
また、治ったという喜びの話をたくさん聞きました。
それが励みになり、その方たちを見習い、先生を信じてこの療法を続けていこうと思いました。
 
◆ 跳んでも走っても平気
甲田医院を訪れた後は、血圧硬化剤は一度も飲んでいません。
180~200mmHgもあった最大血圧が、今は高くても120mmHgで落ち行いています。
耳鳴りはまだ残っていますが、以前のように低く響くものではなく、高いトーンでピーというものに変わりました。
 
体重が軽いとしんどいこともありますが、太っていたときのほうがずっと動きが重いのです。
今はランニングもはじめていて、跳んでも走っても平気です。
 
私がこのような食事療法を続けられたのは、自分より重い症状の方がどんどん治っているのを、この目で見ているからです。
そして、この療法と甲田先生を信じたことです。
そして自分を信じる。
自分にはこの療法ができる。
この療法で治ると信じる。
やると決めたら全うする。
心の底から真剣に信じてやる。
これは何ごとでも同じだと思います。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
血圧が高ければ薬を飲んで下げる、これが常識とされています。
しかし、ほんとうはその必要はありません。
反対に、薬で血圧を下げることは、薬によって危険を伴うこともあるのです。
血圧が高くなるというのは、一面においてその人に必要なことなのです。
なぜ血圧が高くなることが必要なのか、その理由については第2章の「高血圧」の項を参照してください。
詳しく解説しています。
 
そこで、薬を使わないで高血圧を治す方法はというと、断食です。
第2章ですでに述べましたが、血圧が高くなる根本原因は、動脈硬化によって血管が狭くなっているからです。
これは肉や脂、糖分などのとり過ぎでアテロームという脂肪の塊が血管の内壁にこびりついているからです。
通りの悪いところに血液を送ろうとするのですから、結果的に血圧が上がってしまうのです。
 
断食をすれば、アテロームは溶けてなくなります。
血管は広くなり血液の流れがよくなりますので、脳は血圧を下げる必要がなくなり、血圧が下がるというわけです。
具体的には「半日断食をして少食を守る」ことです。
玄米と生野菜を中心とした生菜食を基本とすると、ドロドロだった血液が、数週間でサラサラの血液に改善できます。
 
また半日断食をすると、体の各部分の個々の細胞が飢えるために、栄養を吸収しようと血液を吸引する力が増します。
その結果、血液環境もよくなり、血液環境は心臓のポンプの力だけでなく、細胞が引っ張るということがあって成り立っているのです。
 
血圧が高い人は半日断食を試してみてください。
 
 
 
●高血圧
10kgやせ、高かった血圧が下がって
降圧剤が不要になった
坂井純子さん(仮名)・70歳・山形県・農業
 
◆ 太りすぎで疲れやすく、ひざ痛もあった
私は身長が154cmで体重が62kgありました。
これだけ体重があると、畑で作業をしても疲れますし、ひざや腰にも負担がかかって少し痛みます。
これは少し太りすぎだと自分でも日々思っていました。
 
また、血圧も最大血圧が169mmHg、最小血圧が110mmHgくらいあったので、病院で降圧剤(血圧を下げる薬)を処方されていました。
さらに便秘がちで、3~4日お通じがないこともしばしばでした。
緩下剤(おだやかに便通をつける薬)である水酸化マグネシウムを飲むと、驚くほどの量の便がゴボッと出て気持ちがよいのですが、なかなか自力ではすっきりしたお通じがありません。
 
そんな時、「ゆびほか」で半日断食の記事を読んだのです。
2001年の初頭だったでしょうか。
なるほど、これなら自分でも納得できるし、実行できそうだと思いました。
そこでさっそく2月の初めから、朝食をとらない半日断食を始めることにしたのです。
 
半日断食の食事内容は、以下のようなものでした。
●朝食(午前中)=柿の葉茶と水(1?ほど)
●昼食=玄米がゆを茶わん半分、豆腐半丁、白ゴマ大さじ1杯、青汁(コマツナ、キャベツ、ニンジン、セロリ、チンゲンサイをジューサーで絞ったジュース)、柿の葉と水
●夕食=玄米がゆ茶わん半分、豆腐半丁、白ゴマ大さじ1杯、コブ茶、シラス干しか小魚、若芽かジャガイモのみそ汁、青汁、柿の葉茶と水
 
◆ 自家製の野菜をたっぷり使った青汁
青汁に使う野菜は、ほとんどがうちの畑で作っているものです。
とれたての新鮮な野菜を、中くらいのボールに1杯分、たっぷりと使うので、とてもおいしい青汁ができます。
玄米がゆは、朝に1日分をまとめて作ります。
玄米2合に対し水5合ぐらいの割合で、圧力釜で一気に炊き上げると、ふっくらおいしくできあがります。
 
私は以前から野菜や魚中心の食事でしたので、半日断食の食生活もそれほどつらくありませんでした。
午前中は少しおなかがすきますが、我慢できないほどではありません。
 
さて、半日断食の効果は、本当にすばら しいものでした。
半日断食を始めてほどなく、あれよあれよというまに体重が落ち始め、最終的には3ヶ月で10kgもやせることができたのです。
体重が10kgへると、体調もかなり違いが出てきます。
米俵1袋を背負っていたのがなくなったのですから、当然といえば当然です。
まず、畑仕事をしていても疲れにくくなりましたし、ひざの痛みもなくなりました、
この間は隣の秋田県までワラビを採りに行き、かなり山歩きをしたのですが、ほとんど疲れませんでした。
 
また、降圧剤を飲むほどだった血圧も、今でも最大血圧が140mmHg、最小血圧が80mmHgと正常の範囲に入りました。
これも半日断食による減量のおかげです。
便秘をすることもあまりなくなって、薬も飲まなくても毎日快適なお通じがくるようになりました。
 
最近は体重も適正値になってきたので、朝も、玄米がゆ、ワカメのみそ汁、豆腐、お浸し、チーズ程度のメニューを少量食べるようにしています。
昼食と夕食は、基本的には半日断食時の夕食と同じメニューで、夜には週に1~2回ほど、お肉もときどき食べるようになりました。
 
それでも体重は増えることなく、52~53kgを保っています。
おかげさまで非常に健康です。
ただし、間食をしてしまうと体重が少しふえてしまいます。
そういう時は、翌日は朝食抜きにして半日断食をしています。
 
太っているということは、いろいろな体の不調の原因になるんですね。
やせて体調がよくなったおかげで、つくづく肥満のこわさを実感するようになりました。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
坂井さんは3ヶ月で10kgの減量に成功されていますが、半日断食を行なうと、これくらいのペースで体重がへる人は珍しくありません。
朝食を抜くだけでもじゅうぶんな減量効果が現れるという高齢です。
 
坂井さんの場合は、家で採れた野菜で作った青汁、玄米がゆを初め、食事内容もすばらしいものです。
そのメニューをきちんと実行した結果、高血圧や便秘の解消、疲れにくさなど、いろいろな効果が現れやすくなったと考えられます。
 
ただし、最近は朝食をとられるようになったとのこと。
また、感触もたまにはしているということが、多少懸念されます。
このまま間食や朝食を続けてしまうと、今は問題がなくても、せっかく改善できた体質、生活習慣が元に戻ってしまう恐れがあります。
 
少食の基本は、愛と慈悲です。
私たちは物を食べるとき、尊いいのちをいただいているわけです。
自身の健康という観点からだけではなく、少食によってもたらされるいのちの尊さに気づき、間食はしない、朝食もできるだけとらないという愛と慈悲を実行してください。
 
 
 
●糖尿病
27kgやセ、末期の糖尿病と合併症が
奇跡的に回復し大学病院の医師も仰天
馬場義二さん・59歳・大阪府・会社役員
 
◆ 深刻な糖尿病であやうく失明に
私はずっと昔から、慢性肝硬変を患っていました。
さらに、今から17年前には、医師から糖尿病との診断を受けたのです。
17年前当時は、身長が169cmなのに体重が80kgもあるという深刻な肥満でした。
医師の指導により食事のカロリー制限をし、半年で体重を13kg落とし、そのときはことなきを得ました。
 
5年前に、再び糖尿病と診断されました。
しかし、以前にも経験があることで「また摂生すればいい」と軽い気持ちでいたのです。
しかし、私は職業柄、つきあいのためにどうしてもお酒や高カロリーの食事を頻繁にとってしまいます。
当たり前ですが、今回はいっこうに血糖値が下がりません。
一度は60kgまで落とした体重も、74.5kgまで戻っていました。
 
とうとう3年前からは、薬を常に飲まなくてはならない状態にまで糖尿病が進行してしまったのです。
1992年2月には糖尿病による目からの出血も起こし、あやうく失明の手前まで行きました。
 
あわてて大阪大学医学部付属病院へ検査にいったところ、尿の中にタンパク質が多く含まれているといわれました。
糖尿病だけでなく、腎臓もかなり弱ってしまっていたのです。
 
その日から、すぐに入院です。
私の病名は糖尿病性腎症でした。
腎不全による人工透析(腎臓の代わりに人工的に血液を浄化する治療)の可能性が限りなく高い、末期の第3期症状でした。
今すぐ人工透析をしないまでも、90%の確率で透析をすることになるだろうといわれました。
 
第3期症状まで病状が進んだ患者が回復した例は、これまで阪大病院では1件しかないとのことです。
精神的ショックから、2~3日は眠れませんでした。
 
糖尿病ですから、血糖値を下げるための投薬と、食事は低カロリー食が治療となります。
しかし腎臓も弱っているので、あまり栄養の摂取量が少ないと今度は腎臓がだめになってしまいます。
そうとはいえ、たんぱく質はとれないわけですから、両方の臓器に都合の良い、とても手間のかかる治療を受けなければなりませんでした。
 
1ヶ月ほどの入院で、私はいったん退院することを許されました。
しかし、大学病院と違い、家庭で同様の療法を続けるというのはかなり困難です。
だからといってほうっておけば、間違いなく透析を受けなければならないことになってしまいます。
そんな悩みを抱えているときに、私が勤める会社の社長から甲田光雄先生を紹介されました。
 
◆ 甲田先生の言葉に救われた
緊張した面もちでさっそく甲田医院を訪れると、甲田先生に「間違いなく治る」と即座にいわれました。
今でもよく覚えておりますが、ふさぎ込んで暗くなった心に、この言葉は光をもたらしてくれました。
それから甲田先生の指導のもと、自宅で断食を続けながら阪大病院に通い、1月に1回の検査を受けることになったのです。
 
まず甲田先生から私が教えられたのが、生菜食断食でした。
生菜食断食とは、緑色野菜と根菜類、玄米の粉しかとらない食事です。
玄米の粉100gとホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイなどの青野菜250gをミキサーにかけて作る青汁と、だいこん100gとニンジン120g、ヤマイモ30gをそれぞれすりおろしたものしかとりません。
朝食抜き、このメニューを1日に2回とります。
それに加え、私は腎臓が悪かったのでカロリーを上げるために約半丁分にあたる豆腐200gもとりました。
「食事もとらずに体力も落ちてしまい、ほんとうに治るのか?」と最初は最初は断食に疑念もありました。
それまでおいしいものを好きなだけ食べていた私ですから、1日2食は大変しんどいものでした。
 
しかし、このときの私には、人工透析を遠ざけるのはもこの方方法しか残されていないのです。
よいことだけを考えるようにして、自分を励まし続けました。
 
生菜食を始めて2ヵ月半ほどたったころ、月例の阪大病院へ検査にいきました。
すると、わたしの200mg/dl前後あった血糖値が、100mg/dlを切っているのです。いったん薬をやめても良いと医師にいわれ、私はたいへんに驚きました。
また周囲の人たちが元気になったというので、何の気なしに鏡をのぞくと、腎臓をわずらってからさえなかった顔色が改善し、顔の血色がとてもよくなっているのです。
 
◆ 旅に出てもまったく疲れない
引き続き生野菜断食を家庭で続け、6月5日から甲田医院に入院しました。
ここで、家庭ではできない、本格的な断食に取り組むことになったのです。
私は腎臓を患っていたので、水分以外はとらない本断食は先生に止められていました。
そして、青汁断食というものを行なうことになりました。
 
入院当初は生菜食断食と同じ内容でしたが、入院3日でまず豆腐を抜きました。
やがて青汁の玄米粉も徐々に量を減らしていき、最終的には玄米を完全に抜いた青汁と、ダイコン、ニンジン、ヤマイモの根菜類を混ぜたものだけになるのです。
 
さらには根菜類もとらず、青汁のみを1日2回飲む青汁断食へ移行していきました。
この青汁断食を退院する8月15日までの間に3日間と4日間、各1回ずつ行なったのです。
その結果、血糖値は前述したように100mg/1dlを切り、血圧も最大110~120mmHg、最少70mmHgと、正常値よりも下がるようになりました。
体重も最高48kgまで落ちました。
74.5kgあった体重がが26.6kgも減ったのですから、体も軽く爽快で、以前の私とは見違えるほどにスリムな体つきになりました。
 
9月に阪大病院で検査を受けたところ、現在では糖尿病性腎症の進行具合は完全に第2期症状になっているので、もう透析の可能性はないと診断されたのです。
今でも生菜食断食を続けております。
体重は53kgまで戻りましたが、まだまだ体は軽く、先日も家族と旅行に行きましたが、まったく疲れを感じませんでした。
 
医食同源とよくいいますが、断食が薬よりもはるかに効果があることを、今回のことで身をもって実感しました。
何ごとにもあきらめない精神で、これからも断食を続けていこうと思います。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
馬場さんはとても深刻な状態でした。
病院からは人工透析の覚悟をするよういわれたそうです。
しかし、青汁断食のおかげで奇跡的な回復を果たしました。
 
入院当初は重症の糖尿病のためインスリン(血糖値を下げるホルモン)がほとんど出ませんでした。
あめ玉をなめただけで、血糖値が一気に300mm/dlまで上がっていました。
ところが、青汁断食を始めてからは、インスリンが出るようになったのです。
今ではまんじゅうを食べても、血糖値はほとんど上がらないそうです。
これは普通にインスリンが出ている証拠です。
 
尿のなかにもたんぱくがたくさん出ていて、牛乳のように濁っていました。
これも最近の検査ではほとんど出ていません。
現代医学では考えられない好成績といえます。
 
馬場さんはあと2年断食を続ければ、糖尿病や腎臓病、さらには高血圧も完全に治るという見通しが出てきました。
今では希望に燃えて断食を続けられています。
 
 
 
●糖尿病
寝たきりでしょうゆ差しを持てぬほど
弱りきった糖尿病の体が回復し歯科診療に復帰
栗原幸紘さん・60歳・熊本県・歯科医
 
◆ 生き地獄の毎日だった
右ひざに突然、夜も眠れないほどの激痛が走ったのは、1994年のことです。
 
原因がよくわからぬまま、痛みをとるための対処療法(症状をとるための治療)を続けていましたが、半年ほどたつと、今度はまったく左目を動かすことができなくなってしまいました。
 
また、顔がこわばって表情が変えられなくなり、まるで鬼の面のような恐ろしげな顔つきになってしまったのです。
視力もだんだん落ちてきて、とうとう運転中に道路が2重に見えるようになってしまいました。
 
そこであわてて病院で詳しく診てもらったところ、ようやく自分が糖尿病にかかっており、これまでの症状も重度の合併症によるものだということがわかったのです。
とうじの血糖値は500mg/dlを超え、2ヶ月の入院を要しました。
 
退院してからも2年間は万年床の生活で、歯科医の仕事もできなくなりました。
ちなみに、このころの私の体型は、身長が163cmで、体重は34kgしかありませんでした。
足腰がすっかり弱って、出歩くときはつえが手放せません。
駅のホームで走ってくる高校生とすれ違ったときなどは、風圧でよろめいてしまったほどでした。
やがて体中の筋肉に力が入らなくなり、卓上のしょうゆ瓶を持てないほど症状が悪化していきました。
 
まさに、生き地獄とはあのようなことを指すのでしょう。
体力も気力もなくなって、何度も死にたいと思いました。
明朝はきっと命がないだろうと覚悟して眠る夜もありました。
 
甲田光雄先生の療法を知ったのは、そうしたどん底のときでした。
私は歯科医師という立場上、ずっと現代医学を信じて糖尿病の治療を受けてきましたが、悪化するばかりでちっともよくなりませんでした。
それならばと、最初は半信半疑でしたが、甲田先生の療法に賭けてみようと思ったのです。
 
◆ つえなしで歩けるようになった
初めて幸田先生にお会いしたときに「1日2食にしなさい」といわれ、養生法が書かれた紙を渡されました。
いわゆる半日断食です。
 
それからはその養生法どおりに食生活を営むこととなりました。
まず朝食は食べずに、その代わりに生野菜が5種類以上入った生野菜ジュース(青汁)を作って1.5合(約270ml)飲みます。
同じものを夕食の前にも飲みます。
 
主食は玄米で、1合(約180ml)を昼と夜に分けて食べます。
おかずはコンブの粉や豆腐など、ほんとうに質素なものです。
間食や夜食はもちろん禁止されていますが、水と柿の葉茶をあわせて1日6合(約1080ml)くらい飲んでいました。
そのほかにも温冷浴や簡単な体操などの指導がありましたが、やはり療法の根幹は食事指導でした。
 
1日に2度の質素な食事を始めてみると、これまで自分がいかに栄養過多だったかがわかります。
半日断食は私の内蔵をじっくり休ませ、細胞を活性化していくようでした。
玄米の米をかみしめるたびに、体の奥底から自然の治癒力が沸いてくるのを感じました。
 
断食療法をすると、「好転反応」といって症状が一時悪くなることがあります。
私の場合も少しの間、具合が悪化しました。
 
しかし、その後はいつの間にかひざの痛みも取れ、つえをつかなくても歩けるようになったのです。
ほんとうにいつの間にかという感じで、気がついたらつえなしで歩いていたのです。
このときの喜びははかりしれないほど深いものでした。
 
◆ あまりの効果に目を見張るほど
34kgしかなかった体重も、少しずつ増えていきました。
半日断食を始めとする食事療法をすると、普通は体重がへるようですが、私の場合は半日断食を続けることで少しずつ体調がよくなり、適正体重に近づいていったようです。
今は50kgの体重を維持しています。
 
半日断食を始めてからは、ビタミン剤と下剤を飲むだけで、薬はいっさいやめていたのですが、現代医療の世話になっていたときとは比べものにならないほど活力がついていくのがわかりました。
 
今では、少しずつですが仕事にも復帰しています。
歯科医は体力がいる仕事ですし、細かい作業ですので神経も使いますが、不思議と疲労感はありません。
もちろん患者さんの口が2重に見えることなんてありません。
朝の目覚めもさわやかで、今では毎日ラジオ体操を続けています。
去年の夏に、体操でジャンプができたときは体力の回復を心の底から実感しました。
半日断食のはかりしれない効果に目を見張るばかりです。
 
今でも半日断食は続けています。
病んでいた期間が長いほど治療にも時間がかかるといいますから、じっくり腰をすえて取り組んでいきたいと思います。
 
この療法を成功させるコツは、自分の病気は治る、絶対によくなるんだと信じきることです。
90%では足りません。
100%信じきることが大切なのです。
そうすれば、きっと私のように健康を取り戻すことができるはずです。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
私は今まで、数多くの糖尿病やその合併症に苦しむ患者さんをみてきましたが、栗原さんほどひどい症状の方を見たことがありませんでした。
栗原さんが最初にいらしたときの状態は、すでに末期状態といっていいものでした。
血糖値は500mg/dlを超え、1人で起き上がることもできず、体重も34kgまで落ち込んでいました。
当時はご本人も死を覚悟なさっておられましたが、正直いって「これはもうだめか」。
私もそう思ったのです。
 
その栗原さんがラジオ体操をし、ジャンプできるようになったというのです。
この回復振りは奇跡的です。
断食療法と青汁(葉野菜の汁)の威力をすでにわかっている私でさえ、改めてその威力を思い知った気がしました。
先日、旅行をかねて私のところのお見えになった栗原さんは、順調に体重も増え、血色もよく、当初とは別人のようにお元気でした。
 
栗原さんは、長期の断食ができるだけの体力がなかったという理由もありますが、特に長期の断食はしておられません。
朝食をとらない半日断食と、青汁中心の食生活で症状がここまで改善されたのです。
 
糖尿病には、青汁がてきめんに効きます。
また、生のタマネギを合わせてとることで、さらに大きな効果を期待することができます。
栗原さんには、1日3合(540ml)の青汁を飲み、昼に30g、夜に30gの生タマネギを食べるように指示しました。
また、食事とは別に、入浴時に温冷浴をすることも大変効果的です。
 
 
 
●高脂血症
8kgやせ、どうしても下がらなかった
中性脂肪が正常になった
海野和夫さん・61歳・福島県・短期大学教授
 
◆ 肉類、酒、甘いものを減らしたが無効
職場の成人病検診で、肝臓の機能が落ちていることや高脂血症(血液中の脂肪が多すぎる病気)になっていることがわかったのは20年前、私が42歳のときでした。
当時、肝機能の状態を示すGOT、GPTのいずれも60~70、中性脂肪(体内の最もありふれたタイプの脂肪)は260mg/dl、総コレステロールは230mg/dlもあったのです(正常値は、GOT、GPTが35以下、中性脂肪が50~150mg/dl、総コレステロールが150~220mg/dl)。
 
この数値を聞いたとき、正直いって戸惑いました。
それまで暴飲暴食もせず、また適度な運動もしていたからです。
にもかかわらず、不摂生の代名詞のような症状を抱えてしまったのですから。
 
早く手を打たなくてはいけないと思いました。
肝機能の低下は、いずれ肝硬変(肝臓が機能不全になる病気)になるかも知れず、また高脂血症は動脈硬化の危険因子で、心筋梗塞(心臓や筋肉に血液を送る血管が詰まる病気)や脳卒中など命にかかわる重大な病気の引き金になるからです。
 
そう思って肝臓病の専門医に診察してもらったところ、症状は心配していたほどではないため、1年間食事療法に取り組んで、肝機能をほぼ正常値に戻すことができました。
しかし、中性脂肪はなぜかへらなかったのです。
 
そうこうしているうちに、右の腎臓に石があることがわかりました。
そのため今度は泌尿器科の医師を尋ね、処方されるままに石を溶かす薬を飲み始めました。
しかし、5年間飲み続けても石は溶けず、肝機能がまた落ちてきたのです。
 
そこで再度、肝臓病の専門医を訪ねたところ、原因は石を溶かす薬の害と指摘され、また肝臓の治療が始まりました。
肝機能はすぐ改善しましたが、やはり中性脂肪はなかなか下がりません。
先生はその点に着目し、原因はたぶん脂肪肝(肝臓に脂肪がたまる病気)になっているためだから、いっそう気をつけて食事療法をするようにといわれました。
 
私もその言葉を肝に銘じてがんばりました。
甲田光雄先生に断食療法をしていただくまでGOT、GPTの値が50前後、中性脂肪はあいかわらず220~270mg/dlの間で上下していたのです。
 
◆ 体内の脂肪が激減した
幸田先生は、冷え性の家内が先にお世話になっていました。
家内の知人に膠原病(原因不明の発熱、皮膚の発疹、関節の痛みなどをともなう難病)で困っている人がいまして、現代医学では治らないと宣告され、途方にくれたあげくにたどり着いたのが甲田先生でした。
その人が、入院して断食療法したら症状が軽くなったと家内に知らせてきたのです。
 
家内はさっそく診ていただけることになり、10日間入院して見違えるほど元気になって帰ってきました。
その経験から、私にも甲田先生に診てもらうように勧めたのです。
 
甲田先生には、家内が見ていただいたのと同じ年の平成8年に診察していただきました。
「必ずよくなりますよ」という先生の温かい励ましに勇気を得て、老後をすこやかに過ごすために、ぜったいよくなるぞと自分にいい聞かせました。
 
そして、翌年の平成9年に入院することができ、3日間のすまし汁断食を体験させていただいたのです。
断食に入る前に、玄米の5分がゆ茶わん1杯と豆腐半丁を、朝10時と午後の4時に食べました。
そして、さらに5分がゆを3分がゆに変えて、やはり同じメニューを数日食べて徐々に体を慣らしてからすまし汁断食を行ないました。
 
すまし汁断食は、朝は何も食べず、すまし汁を昼と夜の2回、それぞれ3合(540ml)ずつ飲みます。
ほかには水やお茶を、1日2?とるを目安にして飲むだけです。
すまし汁断食を始める前は、空腹感に悩まされるかなと不安でしたが、思ったほどでなかったのは驚きでしたが、もっと驚いたのは中性脂肪の値が激減したことです。
たった3日間のすまし汁断食で、直前には240㎎/dlあった中性脂肪値が90mg/dl 台に下がったのです。
 
そこで私は、退職したのを期に断食をさらに体験してもっとよくなりたいと思い、平成10年に再度入院させていただきました。
そして1週間の間隔を置いて3日間、5日間、3日間のすまし汁断食を体験しました。
 
その結果、2回目の5日間の断食が終わった段階で、中性脂肪が80mg/dlまで下がり、成果はゆるぎないものになったのです。
またGOTもGPTも20以下になり、すっかり落ちつきました。
その上、いつの間にか長年悩んでいた水虫が治ったのも驚きです。
 
今は自宅で、朝も昼も何も食べず、夕方に、青汁とニンジン汁を1合(180ml)ずつのみ、豆腐半丁と玄米粉120gを食べる生活を毎日続けています。
断食を始める前に60kgだった体重が52kg(身長166?m)に減り、毎日元気に過ごしています。
甲田先生の真摯さにおこたえするためにも引き続き努力していこうと思います。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
最初300mg/dlあった海野さんの中性脂肪は、断食を始めたとたん、80mg/dlまでへりました。
中性脂肪を手っとり早くへらすのは断食が最適です。
3~4日断食すれば解決します。
 
脂肪肝の治療も、実に簡単です。
断食をすると、まず血液中の中性脂肪が減ります。
それが底をつくと、今度は肝臓の脂肪が使われるというしくみです。
1週間も断食すれば脂肪肝も一挙に解決します。
 
海野さんの毎日の食事内容は、夕食に生野菜と生玄米粉120g、それに豆腐半丁(200g)を食べるだけです。
朝食も昼食も食べません。
そして1週間に1度、1日断食をしておられます。
海野さんにお会いするたびに顔のつやがよくなっているのがわかります。
スタミナも断食する前の3倍あるといわれます。
 

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
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池田 優

 

 

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