山ちゃんの食べもの考

 

 

その315
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【161】
朝食抜きで、高血圧、糖尿病、
肝炎、腎炎、アトピー、リュウマチが
ぞくぞく治っている!
「奇跡が起こる
半日断食」
甲田光雄 著  マキノ出版 刊
より その11
 
第4章 半日断食で病気が治った
奇跡が起きた20人
・・・の3
 
●アトピー性皮膚炎
全身が赤むけになり外出のできなかった
8年来のしっしんが消失
川村名子さん・38歳・新潟県・新潟大学脳研究所・非常勤職員
 
◆ ひどいしっしんをなんとかしたかった
25歳のときのかかったマイコプラズマ肺炎の後、連鎖的に起こる肺炎に悩まされるようになりました。
初めは気管支ぜんそく、次に花粉症、死して8年前にアトピー性皮膚炎が発症したのです。
肺炎の治療のために、強い薬を使ったのがきっかけになったようです。
 
それ以来8年間、3年前に知人から甲田先生の本をもらって断食療法を知るまで、ひどいアレルギーに悩まされてきたのです。
ぜんそくのほうは特にひどい発作というものではなく、疲れると少し呼吸が苦しく、ぜいぜいする程度で済みました。
しかし、アトピーのしっしんは言葉にできないほどすさまじいものでした。
 
体中の皮膚がかさかさに乾燥し、昼夜を問わず激しいかゆみが襲います。
とても我慢できるものではありませんでした。
かいたらもっと悪化する、かいてはいけないと思っていても耐えられずついついかきむしってしまうため、全身の皮膚が真っ赤にむけてしまいます。
 
また、あるときは体中から膿が出て、タオルがまっ黄色になるほどでした。
体温調節がうまくいかないのか、四六時中、寒かったり暑かったりして、気分が落ち着くこともありませんでした。
 
大変疲れやすくもなり、気力体力とも落ちていきました。
握力も2分の1くらいに低下し、ついには物をしっかりつかむこともできなくなるほどでした。もちろん家から1歩も外に出ることもできません。
 
その当時服用していた薬の副作用で、急性肝炎、出血性膀胱炎にもなりました。
ステロイド入りの塗り薬も初めのうちはよかったのですが、使っているうちにだんだん効かなくなってきて、徐々にステロイドの強い内服薬に切り替えられてしまいました。
 
このままでは薬漬けになってしまうと怖くなり、食事療法で体質を変えられないものかと、独学で玄米菜食を2年ほど続けました。
これはある程度の効果がありなんとか日常生活が送れ、1人で外出ができる程度にまで回復することができました。
 
しかし、社会復帰できるまでには至りませんでした。
体のだるさも残り、少し無理するとしっしんが悪化するという状態でした。
 
◆ 劇的な変化が現れた
甲田先生の本を読んだのは、なんとか元気な自分に戻り、大学での研究生活を再開したいと思っていた時期です。
 
断食療法なんて現代栄養学からは外れているし、ほんとうにだいじょうぶなのかと心配だったのですが、私の体に思い切った体質改善が必要なのだと決心して甲田先生の診察を受けました。
 
そして3ヶ月間入院することになり、初めて断食を経験することになったのです。
約2週間かけて徐々に食事を減らし、すまし汁と黒砂糖(40g)をとりながらの断食で、3日程度の短いものでしたが、体には劇的な影響がありました。
 
断食後のおかゆ食の最中に、体じゅうの毒を吹き出すかのようにアトピーの症状が悪化したのです。
黄色い汁を伴うしっしんが体中に吹き出て、38~40度の高熱が10日間ほど続きました。
 
これは先生のお話によると「症状即療法」といい、病気が改善に向かう兆候なのだそうです。
熱が下がった後も、失神などの症状は3週間ほど続きましたが、先生がついていてくれましたので不安はありませんでした、
その後徐々にしっしんも治り、結果的にには入院時よりも体調もよくなり、無事退院できました。
 
◆ 疲れやすさが解消し集中力もアップ
甲田医院を退院してから、ふだんは朝食をとらない半日断食を毎日続けています。
そして1ヶ月に一度、すまし汁と水分しかtおらない3日間断食をしています。
このすまし汁断食は3日間で行なうこともありますし1週間ごとに1日断食をする場合もあります。
 
そうした断食療法を続けた今では、ひざの裏にあせも程度のしっしんがあるだけで、ひどいしっしんもセキも出なくなりました。
体調もよくなり、体力もついてきたようです。
以前のように疲れやすいということもありません。
体が軽く感じられて元気に動くことができます。
大学での研究も再開することができましたし、1日がかりで山登りができるようにもなりました。
 
断食療法をやってみるとわかるのですが、断食は続けるほどつらくなるというものではありません。
空腹感があるのは初めの1~2日だけで、その後は食べたいという気持ちがあまり起こりません。
 
特に断食中は、体がかゆくなったり強い眠気に教われたりすることがありますが、これも初めのうちです。
3日目くらいからは睡眠時間が短くなって、気分もすっきりしてきます。
頭もさえて集中力も発揮できるようです。
 
長期断食のため入院していた時は、1日1冊のペースで本を読むことができました。
最初甲田医院を訪れたときには、本を1時間読むだけでもぐったりしていたのに、ずいぶん変わるものです。
 
私は断食のおかげで体質を改善することができましたが、これも甲田先生の正しい指導のもとで続けていたからだと思います。
断食は確かな効果が得られるものですが、それだけに自己流で行なうのは危険です。
断食にチャレンジする人は甲田先生のやり方をよく守り、きちんとした知識を持って実行することをお勧めします。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
以前は、アトピー性皮膚炎の人が青汁(葉野菜の汁)を飲むと、悪化するという説がありました。
これはもちろん誤解なのですが、現在では、浜松医科大学の瀧川雅治教授が青汁の有効性をアトピー性皮膚炎の学会で発表されるなど、現代医学の場でも青汁の効果が認められてきています。
 
川村さんは、脳研究所にお勤めというお仕事の関係上、現代医学の知識を持っておられます。
現代医学の知識があるということは、合わせて現代医学の限界を知っているということです。
 
川村さんは現在も青汁と玄米の粉による生菜食を続けていらっしゃいます。
それは体調を崩さないためという理由とともに、自分の体を通じて生野菜の研究をし、現在普及しているカロリーを中心とした栄養学とは違う「新しい栄養学」を追求したいという信念を持っておられるのです。
 
 
 
●アトピー性皮膚炎
3ヶ月で症状がきれいに消え、
ぜんそくも出なくなった
小堂智恵子さん・77歳・福井県・主婦
 
◆ テレビ局に問い合わせた
私は平成10年の春から、ひどい寝汗をかくようになりました。
寝巻きがぐっしょり濡れるほどの汗です。
その年の暮れには、背中や腰、おなかにしっしんが現れました。
夜中は特にかゆみが強く、夜はほとんど眠れなくなってしまいました。
 
医師の診断はアトピー性皮膚炎。
医院を変えては皮膚科通いをしましたが、どこへ行ってもステロイド軟膏をもらうだけです。
最初の3、4回は塗るとよくなるのですが、それ以上は効きません。
医師にいうと「もっと強いのにしましょう」というばかり。
皮膚科通いをやめました。
 
そんな折、テレビで九州の医師が「持病を食事療法で治した」と話しておられるのを見たのです。
私はテレビ局に問い合わせて九州の医師に連絡し、それが甲田療法であることを知りました。
 
昨年11月に甲田光雄先生にお会いでき、「治りますよ」の一言に安心感を得ました。
食事内容は次のとおりです。
 
●午前中=水酸化マグネシウム20m?、5種類以上の野菜をミキサーでかき混ぜたもの1合(180m?)
●昼と夕の食事=玄米ご飯半合、豆腐半丁、コンブ粉小さじ1杯、ねりごま適量
そのほか、塩10g、柿の葉茶と水を合わせて日に7合(1.2?)飲み、栄養補助食品のスピルリナ20粒を食べるというものでした。
 
すると便通がよくなり、日に軟便が4~5回も出たのです。
発疹とかゆみも日増しにへり、3か月たつとまったくでなくなりました。
身長148cmで48kgあった体重は35kgにまで落ち、周囲の人はやせすぎと心配するのですが、私はとても身軽で会長でした。
 
◆ 最初はつらいが続けると慣れてくる
私はアトピー性皮膚炎のほかに、以前からぜんそくの気があり、冬になると冷たい風がつらいので、風邪の予防のためにマスクをして外出していました。
 
それがこの食事法を始めてから風邪を1度も引かず、喘息もまったく出ていません。
やせているので寒さは感じるのですが、この冬はマスクをするのも忘れてしまっていました。
それどころか、デパートなどの暖房の利いたところから外に出て、冷たい外気がのどに入ってくると、なんともいえず気持ちがいいのです。
 
甲田式食事法は、最初はつらいですが、続けると慣れてくるものです。
今では、幸田先生の「継続は力なり」を座右の銘にしています。
甲田療法に会わなければ治っていなかったでしょう。
甲田先生に感謝しています。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
気管支ぜんそく、花粉症、アトピー性皮膚炎など、大きな社会問題になっているアレルギー病が起こる原因は大きく2つに分けられます。
 
1つは外部環境の汚染です。
花粉、ダニ、カビ、排気ガスなどの粉塵、ブドウ状球菌のような細菌類など、アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が体内に侵入するためアレルギーが発病します。
対策としては、アレルギーを引き起こす物質を根絶すればいいわけですが、できるだけ少なくするという環境浄化はできても、完全に根絶するのは無理な話です。
 
もう1つの原因は、内部環境の汚染です。
内部環境とは、体の内部、つまり腸内の環境のことです。
過食や飽食によって腸内に大量の宿便が渋滞し、それが腐敗・異常発酵する過程で有毒物を産生するため、さまざまなアレルギー病が発病し、症状を悪化させる原因になっています。
 
宿便が「万病のもと」であることはすでに述べていますが、アレルギー病もまさに宿便がもたらした病気といえます。
 
 
 
●花粉症
花粉症のグジュグジュの鼻水が改善し
体の動きも気分もよくなった
梶川典子さん(仮名)・36歳・東京都・主婦
 
◆ きれいな食生活だと気分もよくなる
私が花粉症になってしまったのは、ここ2~3年のことです。
2月末ぐらいになると花がグジュグジュし始め、ピークのころには鼻水がどんどん出てきます。
今年からは目のかゆみも加わるようになり、年々悪化してくるようで不安でした。
 
ふだんから健康には気をつかっており、春先の花粉症以外はまったくの健康体でしたので、「どうにかしてこの花粉症を治したい」と思っていました。
しかし花粉症はそう簡単に治るものではありません。
 
そこでふと目にとまったのが、「ゆびほか」2001年3月号の半日断食の記事です。
そこには多くの人の半日断食の体験談が載っており、その中に花粉症などのアレルギー症状が消えたというものがあったのです。
甲田光雄先生の解説では、半日断食で、アレルギーを引き起こす物質が体内に入らないようにブロックできるとのことでした。
 
これはいいかもしれない、試してみようということで、3月の初めくらいから半日断食に挑戦することにしたのです。
半日断食のやり方は、「ゆびほか」に載っていた記事になるべく従うようにしました。
 
●朝食(午前中)=柿の葉茶600mリットル
●昼食=玄米ご飯1杯、前夜の残りのおかず(野菜のみ)、豆腐半丁
●夕食=玄米ご飯1杯、豆腐半丁、青汁(生野菜ジュース)、野菜や海藻、小魚等
 
1日の食事はこれだけでしたが、食べないのは午前中だけなので空腹感はそれほどありませんでした。
 
私は、お菓子でもなんでも、いったん食べ始めるとどんどん食べてしまうのですが、食べなければ食べないで苦痛ではありません。
それどころか、このようにきれいな食生活を送っていると、気分がすがすがしくなってくるような、なんともいえない満足感を感じるようになりました。
また、半日断食を始めて食べるものが少なくなってから、今までいかに大量のお菓子を買っていたのかと驚きました。
 
◆ 2日目にして体調が変わった
体調の変化は、半日断食2日目にしてすぐに現れました。
 
まずは、ゆるい便が大量に出てきました。
それはそれは気持ちのいいくらいすっきり出て、おなかが軽くなったように感じたほどでした。
その後の便通はやや量が少なめで出にくい感じもしましたが、便秘というほどではありませんでした。
 
また、尿の量もふえ、トイレに行く回数が倍くらいになりました。
すると、体内の余分な水分が排出されたためか、花粉症の鼻水もだんだんおさまってきた感じがします。
最初は気のせいとも思ったのですが、半日断食を続けるうちに鼻の調子はどんどんよくなっていきました。
 
私は補中益気湯という漢方薬を飲んでいたのですが、朝食を食べずにこの薬を飲むと、断食との相乗効果で非常に効きがよくなるようです。
おかげで今年の花粉症の後半の季節はとてもらくに過ごせました。
 
それに、私は3~4回はスポーツクラブのプールで泳いでいるのですが、半日断食をして玄米を食べた日はとても体が軽く、気持ちよく泳げます。
白米を食べて泳ぐとエネルギッシュにバリバリ泳ぐという感じなのに対し、玄米のときはスイスイと軽く泳げる感じなのです。
 
ところが、体調の改善は目覚しいものがあったのですが、私は2週間がたったところで半日断食をとりあえず中止するようになりました。
 
私は身長が169cmあり、体重が56kgがベストの状態です。
しかし半日断食をしてみると、2~3日で1kgほど体重が落ちたのです。
まぁ1kgくらい、と思われるでしょうが、私はやせやすく太りにくい体質で、おまけに体重の減少がすぐ顔に出てしまうのです。
ほほがほっそりというよりはげっそりして、目は落ちくぼんでしまいます。
 
1週間を超えると、おなかもぺちゃんこになって、体が薄くなった感じです。
洋服もぶかぶかになり、いよいよ家族に「半日断食をやめたら?」といわれてしまいました。
 
今では、食べ過ぎてしまった日の翌日は朝食を抜くなど、自分なりに半日断食を生活に取り入れています。
私としては、半日断食をすると非常に体調がいいし、気分もすっきりするのでぜひ続けたいと思っています。
でも、体重が落ちるというのが私にとっては唯一の難点なのです。
 
体重が少ない人や、減らしたくない人が上手に半日断食を行える方法はないでしょうか。
ぜひ甲田先生に教えていただきたいと思います。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
半日断食をはじめとした少食療法を行なうと、どうしても体重は落ちます。
ただ、ある一定のところで体重の減少は止まります。
その後は腸の働きが活発になり、量は少なくても食物の栄養はすべて吸収できるため、同じ食事内容をしていても体重は増えていきます。
 
梶川さんのように体重を落としたくない場合は、1日断食を数十回くり返して、断食に体が慣れてきたら半日断食に入るという方法があります。
 
まず、月に1日だけすまし汁断食を行ないます。
すまし汁は、コンブとシイタケでだしを取ったすまし汁540m?、しょうゆ10m?と黒砂糖30gで味付けをして作ります。
 
昼と夜にこのすまし汁を飲み、後は水と下記のはたなどの水分だけで過ごします。
月に1日だけですから、体重にもそれほどの変化はないはずです。
ちなみに断食をしないほかに日は1日3食とります。
 
これを、最初は月に1回、数ヶ月して体が慣れたら月に2回とふやしていきます。
すると、最終的には週に1回行なっても体重に変化がなくなります。
 
それから半日断食を取り入れれば、体重を落とさずに半日断食を行なえるようになります。
それまでは半日断食をお休みということになります。
半日断食までの準備に1~2年かかることになりますが、気長に続けるのが最良のコツといえるでしょう。
 
 
 
●リュウマチ
20kgやせ、激痛で包丁もよく
使えなかったリュウマチが回復
近藤美知子さん・53歳・大阪府・主婦
 
◆ 痛くてボタンがとめられない
ある日、首の後ろが痛み出し、首が回らなくなってしまいました。
今から14年前のことです。
 
人間ドックに入って検査したところ、血液検査でリュウマチの反応がでました。
ただそのときは首の症状だけだったので、そんなことはないだろうと素人判断し、なんの治療も受けずにほうっておいたのです。
ところがしばらくすると、痛みが肩や腰に広がり、腕も上がらなくなってきたので、鍼灸やマッサージに通い始めました。
 
しかし、半年たってもよくなる気配はなく、だんだん症状は悪化してきました。
手首や足首が痛くなり、関節にも痛みが出るようになったのです。
 
そこで、再び病院で検査したところ、やはりリュウマチの反応が出たのです。
このころにはもうかなり進行していたようで、体を少しでも動かすと痛みが走ります。
服のボタンを留めたり、靴下を履くのも一苦労でした。
包丁でダイコンなどを切るにしてもまな板に伝わる振動で手が痛いといったありさまです。
 
リュウマチは手術すれば治るという簡単な病気ではなく、病院でもらう痛め止めの薬を飲むくらいしか手はありませんでした。
そんな時、ある温熱療法を紹介してくれた人がいました。
これは、患部を温め、血液循環をよくして炎症をやわらげるものでした。
やってみると確かに痛みはずっと軽くなるのですが、リュウマチそのものが治るわけではありません。
 
何かもっと良い治療法はないものかと思っていたところ、息子が動いてくれました。
書店で甲田光雄先生が書かれた断食療法の本を見つけて、診察の予約をとってくれたのです。
当時の私は、断食でリュウマチが治るのか半身半疑っだったのですが、息子も心配してくれているし、とにかく出かけてみることにしました。
今から7年ほど前のことです。
 
◆ 今は階段の上り下りもらくにできる
さて、私は月に1回
先生に診察を受け、先生の指導のもと、家で断食療法を行なうことになりました。
 
ふだんの日は、木綿豆腐200gに黒のねりゴマ10gをつけたものと根菜類200gの煮物をおかずにし、玄米を主食にした食事を昼と夜に食べます。
朝食はとらない半日断食です。
あとは昼食と夕食のときに、5種類の青野菜とニンジン、少量の水、味つけにレモンとリンゴ、焼塩を少々入れて作った生野菜ジュース(青汁)を飲みます。
量は1回に1合(約180mリットル)。
昼は食事の1時間前に、夜は食事の直前に飲んでいます。
 
そして1週間に1回、1日断食を行ないます。
断食といっても何も口にしないというわけではありません。
1日に2回、昼と夜にすまし汁を食事代わりに飲みます。
1日断食中は、そのほかに水と柿の葉のお茶を1日に合計1?飲みます。
1日断食をする日は、これ以外のものはいっさい口にしません。
 
とにかく、この痛みを何とかしたい、リュウマチを治したいという一心で断食療法に望みました。
 
半日断食や1日断食を続けるうちに、痛みが徐々に薄れてきました。
それだけでもうれしかったのですが、断食に思いがけない副産物がついてきたのです。
 
断食を始める前には58kgあった体重が、1ヵ月後には49kgに、さらに4ヵ月後には37kgになりました。
5ヶ月でなんと21kgの減量に成功したのです。
 
私の身長は154cmですから、この体重にしても、それほどやせたいというわけではありません。
このころには、もう痛みのずいぶんやわらぎ、断食の効果が実感できるようになりました。
体重に関して言えば、今は42kgをキープしています。
断食を始める前にくらべ、体が軽くなったのがはっきりします。
 
平成9年の1月には、初めて5日間断食に挑戦しました。
これは、5日間すまし汁で過ごし、その後2日間を3分がゆ、さらに2日間を5分がゆにするというものです。
この5日間断食のときは、日がたつにつれて自分もびっくりするほど体の痛みが取れて、手足に力が入り、今では苦痛でたまらなかった階段もらくに上り下りできるようのなったのです。
 
痛みがひいた今も、朝食をとらない1日断食を続けています。
こうして元気になったのは、食事を守ったこともありますが、先生のご指示があった裸療法、温冷よく、金魚運動、毛管運動、合掌合昔せき運動と、すべてを実行したことで、元気になれたと思っています。
 
たまに無性にパンやカステラなどを欲しくなって食べてしまうこともありますが、そうするとまた痛みがぶり返してしまいます。
痛みが出ると食事を守ります。
すると痛みが取れ、らくになるのです。
 
甲田療法をはじめて7年が過ぎた今、足のつけ根の裏が張って歩きにくかったのがすっかりよくなり、冷え性も肩のこりも治り、足の爪もきれいに生え変わり、リュウマチの痛みはすっかり消え、信じられないほど元気になりました。
こんなにも元気にしていただき、先生に心より感謝しております。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
断食と温冷浴(第5章を参照)の組み合わせがリュウマチには効果があります。
近藤さんは、断食療法の効果が非常によく現れた方でした。
 
腕も上がらず、ひざや足の関節が腫れ上がり、一歩歩くのもやっとという具合で、足を引きずりながら来院されたことを思い出します。
それが今では階段の上り下りもらくにできるようになっているのです。
先日も、「こんなことをしてもぜんぜん痛くないんです」と私の前でつま先立ちをしてみせてくれました。
また、また、ご主人といっしょにご旅行されたりと、リュウマチが治ったことで近藤さんの生活は大きく変わったのです。
 
リュウマチは一般的には治りにくい病気という認識がありますが、私の所では多くのリュウマチの患者さんが近藤さんのように回復しておられます。
 
 
 
●潰瘍性大腸炎
下痢と下血をくり返し極限まで
やせ細った体が回復し徹夜も平気
亀井裕之さん・31歳・大阪府・イラストレーター
 
◆ 治療法なしといわれ、目の前が真っ暗に
大学2回生のころから、くり返し下痢と下血が起きるようになりました。
診断の結果潰瘍性大腸炎ということがわかり、地元の総合病院に入院しました。
診断のときに「難病です、一生治りません」といわれ、目の前が真っ暗になったことを覚えています。
 
徹夜のマージャン、アルコールの一気飲み、肉中心の食事など、生活の乱れに加え、対人関係のストレスや進路の悩みなどが体に影響を及ぼした気がします。
 
この病気は、直腸から上のほうに無数の潰瘍が連続的に広がっていきます。
原因自体が現代医学では特定できず、治療法も確立していない難病です。
いったん治っても再発をくり返すために社会生活を送ることが難しく、長期にわたる場合は大腸ガンを併発するケースもあります。
私の場合、ひどいときは1日に下痢と下血が7~8回くり返しありました。
 
ステロイド剤を中心とした入院治療でいったんはよくなったのですが、退院後半年ほどして、もうだいじょうぶだろうと、友人と居酒屋で酒を飲んだら、次の日に下血が再発しました。
びっくりしてまた病院へ行き、薬を増やしてもらいました。
しかし、今度はなかなか症状が改善しないのです。
 
ステロイド剤主体の治療に、不安もありました。
できるものなら自然療法で治せないものかと捜していたところ、母の知人に甲田光雄先生を紹介していただきました。
今から9年前のことです。
甲田医院では、私と同じ潰瘍性大腸炎で治った人がいるということで、一度見てもらおうと医院を訪れたのです。
 
◆ 今では酒も徹夜もだいじょうぶ
初めてお会いしたときの「治る、必ずよくなる!」という先生の励ましがとてもうれしかったことを覚えています。
 
先生から指導されたのが、朝食は抜いて代わりに生野菜ジュース(青汁)を飲み、昼と夜は玄米と豆腐を食べる半日断食です。
調味料や栄養補給として、少量の根コンブや黒ごまのペーストなどもつきました。
玄米は細かく粉にしたものをクリーム(ノリ)状に炊いて食べるように処方されました。
 
食品添加物などを完全に排除し、青汁や玄米といったビタミンやミネラルの豊富なものを取ることによって、胃腸を休めながら大腸の炎症を取っていき。朝食を抜く半日断食で、食べ物が腸管を通らない時間を作って炎症を取っていく。
これだったらよくなるかもしれないと思いました。
 
食事療法と合わせて、西式健康法の各種体操も併用しました。
背骨の狂いを正す体操や温冷浴といった皮膚を鍛える入浴法などを実行したのです。
精神的には、甲田先生が書かれた本を読み、非常に勇気付けられました。
 
私は身長180cmで、体重が60kg弱と、もともとやせているほうでした。
しかし、それまでの肉食中心の食事を菜食に変えたので、体重はどんどん落ち続け、半日断食を始めてからは、一時は41kgまで落ち込みました。
 
最初の3年間は、体力よりも、胃腸を休めて炎症をとり、体質を改善することに重点が置かれました。
初めは1日に玄米を1.5合(生玄米約270g)で、3年過ぎころから徐々に玄米の量が2合、3合とふえていきました。
朝はとらずに生野菜ジュースだけで昼と夜に玄米を食べます。
こうして正しい食事を続けていくうちに、胃腸の吸収力も上がり、体重は62kgと、病気になる前よりもしっかりするようになりました。
 
昔からいくら食べても太れず、そのために肉や乳製品をたくさん食べていたのですが、食べるものよりも胃腸を整えることのほうが大切であることがよくわかりました。
 
私は体が弱かったので、結局4年間も自宅療養が続きました。甲田先生から「あなたの場合は、もともとからだが弱く、気長に構えるように」といわれていたので、地道に養生を続けたのです。
 
そうやって体重も62kgまでふえたところで入院し、本格的な断食を体験しました。
初めは1週間水だけの本格断食です。
すまし汁だけの断食もありましが、これは便通がよくなりすぎるため、潰瘍性大腸炎の場合はかえってマイナスになります。
便通がつきすぎると腸の壁が刺激されて、治りが遅れるそうなのです。
 
かねてからの希望だった入院断食は、「これで直るんだ!」と気合で乗り越えました。
下痢も下血もほとんど起こらなくなり、心身ともにすっきりしました。
断食の最後の日には、今までの人生で感じたことのないような爽快感を味わいました。
 
しかし、この入院を経て、体重が再び50kgにまで下がり、体力も落ちていたので、自宅でまた養生しながら体重を増やして、再入院。
このような形でけっきょく3回入院し、体質を改善しました。
 
もともと食べる量はそれほど多くなかったのですが、脂っこいものや肉が好きだったので、玄米と豆腐だけという食事は涙が出るほどつらかったです。
それでもやるしかないと思って続けました。
今振り返ると、われながらよくがんばったと思います。
 
しかし、全てが順調に行った訳ではなく、断食後に揺り返しがあったこともあります。
特に2回目の退院後は、甘いものがやたら食べたくて、チョコレート、パフェなどあらゆる甘いものを食べあさりました。
思いっきり食べては吐くという摂食障害に陥ったこともあります。
 
このときは、甲田先生の励ましが支えになりました。
先生ご自身も断食療法に挫折したときがあるため、私の気持ちや挫折感をよく理解してくださったのです。
お互いの信頼関係を強めつつ、こうした危機も乗り越えることができました。
 
今も、朝は生野菜ジュースだけ。
昼と夜は玄米菜食中心の食生活を送り、体調も非常に快調です。
ここ1~2年は下痢も下血もありません。
酒を大量に飲んでも単なる2日酔いですみます。
以前からは考えられないことです。
 
現在の仕事はイラストレーターです。
徹夜仕事をすることもありますが、疲れもほとんど感じません。
また、自身の経験を生かし、甲田医院の患者をサポートする団体で、潰瘍性大腸炎の方の世話をさせていただいています。
このように充実した毎日が遅れるのは、甲田先生のおかげです。
養生生活を温かく見守ってくれた両親を初め私を支えてくださった多くの方に、この場を借りて感謝の言葉を申し上げたい気持ちです。
ありがとうございました。
 
● 甲田光雄医師からのアドバイス
潰瘍盛大腸炎とは、はっきりした原因も治療法も確立しておらず、現代医学でも難病とされている病気です。
しかし、この病気も断食療法で治すことができます。
 
亀井さんの場合、それまでの大食いや肉食のせいで、胃腸の吸収が悪く、栄養分を正しく摂取できなくなっていました。
そのため、少食でも太れる体になることを目標に、自宅での半日療法を続けてもらいました。
 
潰瘍性大腸炎になると、すぐに下血してしまうため、青汁(葉野菜の汁)は控えめに飲みます。
亀井さんは、クリーム状にした玄米をとりながら、腸の炎症をとり、胃腸の吸収をよくしていったのです。
また、この病気では下痢や下血とともに体から塩分が失われてしまうため、塩分の補給に気をつける必要があります。
 
亀井さんの場合は長期の断食ができるようになるまでに時間がかかりましたが、潰瘍性大腸炎は、断食ができるようになればトントン拍子によくなります。
いわば断食は、最後の切り札ともいうべき存在なのです。

 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

FAX :076-223-2005
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池田 優

 

 

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