山ちゃんの食べもの考

 

 

その326
 



食は生命なり
「生命なきは食にあらず」とも云われますが、
人は多くの生命を頂く事で生かされている。
植物の生命も動物の生命も微生物の生命も、
土の生命も水の生命も空気の生命も、
すべての生命がつながって生かされている。
そんな「共生」の世界で生かされている。
「人は何を食べるのかによって決まる」とも云う。
肉体的な健康、長寿のみならず、
知性、思想、性格までをも決すると。
その食べ物の作り方、その食べ物の商いほう、
その食べ物の選び方、買い方、食べ方は、
その人の生き方、その考え方そのものであると。

                                   
(山ちゃん)
『食は生命なり』 【169】
 
安全な「食物」を安心して食べよう!
食べてはいけない
の基礎知識
食の危機・偽装表示を見抜く
石堂徹生 著  主婦の友社
より その5
 
■ ハクサイ
 
● ハクサイが無登録農薬に汚染
冬の“座持ち野菜”。
 
おひたしなどにもいいのかもしれないが、白菜はやはり漬物、つまり白菜漬けだし、なんと、煎っても鍋物には欠かせない。
寄せ鍋にはズワイガニだ、クルマエビだ、帆立貝だと力んでみても、白菜のない寄せ鍋なんて、考えられないじゃないか。
日頃、存在感は薄いが、ここぞというときに、どっしりと構えて動じないふうの理想的な父親像のようなものか、白菜は。
その白菜が無登録農薬に“汚染”されていた。
 
2002年9月初め、無登録農薬の”摘発旋風”の吹き荒れる中、新たに土壌殺菌剤・PCNB(ペンタクロロニトロベンゼン)が、茨城、群馬、長野、石川の4県でハクサイやキャベツ栽培などに使われていたことがわかった。
いずれも、すでに社長が逮捕されている東京の輸入販売会社・西日本物産から各県内の農薬販売業者が仕入れ、それぞれ農家に販売するというパターンだ。
 
石川県の場合、金沢市内の農薬販売業者が同市など3市2町の18農家などに売った。
PCNBが使われたハクサイなどがすでに同7月中旬までに収穫され、主に県内に出荷され、発覚したときに市場には出回っていなかった。
しっかりと消費者が食べるなり、漬物などに加工されてしまったわけだ。
 
群馬県では、県内4業者が1999年から2002年まで農家に販売されてハクサイなどに使われ、茨城県でも110戸のハクサイ農家などに販売されていた。
 
長野県では、29戸の農家が使っていた。
 
 
● 農水省「ダイオキシンの作物移行なく安全」と強調
PCNBは有機塩素系の殺菌剤で、1956年に登録され、2002年には失効(登録取り消し)となり、製造・販売が禁止された。
その約半世紀物間、ハクサイやキャベツの根こぶ病などのほか、レタス、キュウリ、ジャガイモなどの病虫害退治に使われてきた。
「農薬毒性の事典・改訂版」(三省堂)などによれば、PCNBはもともと毒性が強い。
 
PCNBを加えたエサを食べたマウスに、肝臓がんやリンパ腫ができた。
また妊娠中のマウスにPCNBを与えたら、腎臓に奇形のある子どもが生まれた。
この発ガン性と催奇形性は、PCNBを製造するときにできるヘキサクロロベンゼンという不純物が原因だった。
 
失効したのは1997年、環境庁がPCNBの中からダイオキシンを見つけたことがきっかけだ。
その危険な物質が入っている農薬を、農家が買って使っていた。
 
2002年4月、農水省は改めてPCNB中のダイオキシンについて分析し、「検査基準」を上回るダイオキシンを確認している。
「検査基準」というのは農薬中のダイオキシンの基準。
例え作物への残留があった場合でも、人への健康への影響を未然に防ぐことが可能で、かつ環境への影響を十分に低くすることが可能な水準をさす。
 
しかし、ダイオキシンの含有量が「検査基準」を上回ってPCNBは主にハクサイ、キャベツなどアブラナ科野菜の土壌処理殺菌剤として使われたため、ダイオキシンがハクサイなど作物につくことはな褐ら、と考えているという。
 
つまりハクサイの場合、PCNBを直接、ハクサイにかけるわけではない。
ハクサイを畑に植える前、畑の土壌に混ぜて使う、
また、ふつうの作物が土壌中の成分を吸収するとき、水に溶けた状態で吸収する。
ところがダイオキシンはきわめて水に溶けにくく、白菜に吸収されることはほとんどない。
だから安全だと、農水省は強調する。
しかしダイオキシンが「検査基準」を上回っていても、本当に大丈夫なのか。
 
 
● 特効薬・PCNBが必要な理由
実はPCNBについてダイオキシンうんぬんと騒ぐ前から、産地に広い範囲での環境汚染、ひいては人体汚染が問題になっていた。
しかも、それは戦後日本の野菜供給と表裏に関係のあった。
それだけに、一刀両断にコトの良し悪しを決めるというわけにはいかない。
 
PCNBの国内での使用量が増え始めるのは1970年前後からで、それはちょうど1969年からスタートした「野菜の指定産地制」が本格化する時期と重なり合う。
 
「野菜の産地指定制」とは、都市やその周辺で消費量が多い野菜を「指定野菜」とするとともに、一定以上の土地の面積があるなどの条件を満たす生産地を「野菜指定産地」とし、野菜が極端に下がった場合、交付金がもらえる仕組みだ。
 
「指定野菜」はハクサイのほか、キャベツ、キュウリ、サトイモ、ダイコン、ニンジン、ネギ、ホウレンソウなどで14品目程度だ。
産地数は毎年変わるが、全国で1200地域ぐらいある。
PNCBが失効するまで、長野、群馬、茨城、埼玉、新潟など各県ではPNCBの使用量が多かった。
これらの県は、いずれも大都市圏への野菜の供給基地だ。
 
なぜ野菜の供給基地でPCNBの使用量が多いのか。
それは連作障害によって、根こぶ病などが発生するため、それを退治しようとして大量にPCNBを使うからだ。
 
アブラナ科のハクサイのほか、キャベツやカリフラワー、ブロッコリーなどは連作、つまり毎年、同じ野菜を連続して作り続けると、育ちが悪くなったり、病気や害虫にやられやすくなる。
それを連作障害という。
連作障害は土から伝染する病気や根をダメにする害虫などによることが多い。
 
ハクサイなどアブラナ科野菜は根こぶ病によって連作障害が起きやすい。
根こぶ病はカビの一種の根こぶ病菌が原因で、菌(休眠胞子)が増えると根がコブのようになるため、根から土壌中の養分や水分の吸収が悪くなり、ハクサイなどの生育をじゃまする。
 
しかも、菌の胞子は土壌中で7~8年も生き続けるから、数年程度、耕作を休んだり、輪作といって他のアブラナ科以外の野菜を栽培しても、その後、また白菜を植えれば根こぶ病にかかる。
 
しかも、この胞子は鍬などの農具や土壌、種子などについて伝染して他に広がっていくから始末が悪い。
 
 
● 休耕・減食の細く長くの提案
決定的な解決法がなく、PNCBがいわば特効薬として使われていた。
しかし、ハクサイの一大生産地の長野県の菅野平高原や、全国有数のキャベツ産地の群馬県嬬恋村などではかつてのPCNBの大量使用による土壌や河川、大気の汚染が大問題になり、PCNBの使用量は減った。
 
しかし、PCNBなしでは根こぶ病は抑え切れない。
そのため今回、ダイオキシン問題でたとえ登録が失効しても、農家など生産関係者は”ヤミ販売”されたPCNBを買い、使わざるを得なかった面があることは否定できない。
PCNBを使わなければ、ハクサイ生産が難しいという苦しい現実があるようだ。
一体、どうすればいいのか。
 
しかし、ダイオキシンまで登場したのでは、いくら特効薬だからといってPCNBを使い続けるわけには行かない。
国産がダメなら外国産をというのもおかしい。
外国でも根こぶ病問題は同じで、未解決だ。
 
根こぶ病に多少でも抵抗する性質がある品種にしたり、太陽熱を利用する土壌消毒に切り替えるなどの方法を併用しながら、基本的には休耕を考えてみてはどうか。
 
根こぶ病はムリをしている証拠だ。
ムリをせず、白菜の大量供給をやめること。
つまり、消費者も涙を飲んでハクサイ漬けや鍋物に使う回数を減らす。
2回に1回は他の野菜を使う。
国産ハクサイを長きわたってに食べ続けるために、楽しみは細く長くの精神だ。
これまでさんざん、飽食してきた。
減食という選択肢があってもいいのではないか。
でも、やはり、それはムリか・・・・・・
 
 
 
■ カボチャ
 
● 南の国から冬至カボチャ
食欲は地球をまたぐ。
小さい頃冬至カボチャを食べるのが楽しみだった。
夏のカボチャを冬至までとっておき、小豆と一緒にたっぷりのざらめ砂糖を入れて煮る。家中にその甘ったるい匂いだ立ち込め、幸せな気分になれた。
 
それが、いつの間にか、カボチャを取っておく習慣が消え、ある年に突然、思い出して食べたが、昔のそれとは違っていた。
昔は冬至カボチャが御馳走だったが、その後、甘いものになれ、つい小馬鹿にするようになっていた。
味覚の思い上がりだ。
 
それに、そのカボチャが南の国のトンガ産だと効いて、トンガってどこ?
なんて頭に世界地図を広げようとしているうちに、食欲もしぼんだ。
 
日本人は冬至のカボチャを食べたくて、トンガ産を輸入したのか。
それともトンガから夏のカボチャを輸入してみたら、日本人がごく当たりまえの顔をして冬にもカボチャを食べるようになったのか。
旬とおさらばした日本人。
食欲はあっさりと地球をまたぐ。
 
 
● トンガはジリ貧、ニュージランドがトップに
カボチャはもともと世界的だ。
原産地の一つがメキシコで、日本には16世紀にポルトガル人によって伝えられた。
なんでもそのカボチャがカンボジアを経由してきたため、その名称がカンボジア転じてカボチャになったという。
 
12月から翌年3月までが夏というニュージランドやトンガから、日本がカボチャを輸入するようになったのは1980年代後半。
なんでも日本の自動車を輸出し、帰りの船が空っぽなのはもったいないと、現地の人にカボチャの栽培を指導して作らせ、それを摘んで帰ったのが最初だとか。
 
ひところ、そのカボチャとしてトンガ産も勢いがあったが、連作障害といって、毎年作っていて病虫害が発生しやすくなったり、生育が悪くなって収穫量が減ってしまった。
また輸出するとき、サイズが大小のものを一緒にするなどきめ細かさにかける。それやこれやで、トンガはジリ貧状態になった。
 
一方、トンガに近いニュージランドには広い土地がある。
カボチャを栽培し、一気に勝負に出て、日本向け輸出量でトンガにグーンと差をつけた。
 
さらに原産地のメキシコも日本にターゲットを絞り、売込みをかけた。
いまや日本のカボチャ輸入量は、トップのニュージランドについでメキシコが2番手だ。3位がトンガで4位にアメリカが来た。
 
 
● 外国産が4割にも
現在、カボチャの国内の年間消費量34~35万トンのうち6割(20万トン)が国産で、残り4割が外国産だ。
国産のうち北海道が半数を占め、次に鹿児島、茨城、千葉、岡山各県産と続く。
外国産の輸入量(14~15万トン)は1990年代半ばからほぼ横ばいで、うちニュージランド産が6割、メキシコ産が3割、残りがトンガ産などだ。
 
ただ他の作物と違い、カボチャの場合、国産だとか外国産だとか、それも各道県、各国が一部を除き、時期によってほぼきれいに“すみわけ”しているのがポイントだ。
 
1月がメキシコ産、2~5月がニュージランド産、5月半ば~7月半ばが鹿児島県産、6月が茨城県産、7~8月が石川、岡山県産、8月半ば~10月が北海道産、11が石川産とトンガ産、12月が鹿児島県産とトンガ産、アメリカ産、うち国産と外国産が競合するのは11~12月の2ヶ月間だけだ。
それにしても、冬至カボチャを含め、4割も外国産だなんて、何かシャクではないか。
 
 
● 日本カボチャから西洋カボチャへ
外国産に依存しているのは、単に栽培に適した季節の違いというだけではない。
品種が違うのだ。
 
カボチャは大別して3種類あるが、うちズッキーニーなどペポカボチャ(肉質がひも状になるそうめんカボチャ)という種類は日本での消費量は少ない。
問題は他の2種の日本カボチャ(東洋種)と西洋カボチャ(西洋種)だ。
16世紀にポルトガル人が伝えたのが日本カボチャで、やや高温多湿を好むことから日本の気候に適し、各地に広まった。
日本カボチャは皮の表面に溝やコブがあり、肉質はやわらかく粘り気がある。
甘味が少なく、やや水っぽい。
 
一方、静養カボチャは明治時代になってから日本に入ってきた。
冷涼乾燥を好み、日本では北海道が主産地になる。
西洋カボチャは皮の表面がつるんとしていて溝などはない。
肉質は粉っぽく、ほくほくしていて甘味が強い。
栗カボチャというのはこれだ。
 
以前は日本カボチャが大半だった。
しかし、1980年代後半に入ると、人気は西洋カボチャに移り、今や西洋カボチャが主流だ。
 
 
● “冬至カボチャの本家”敗退
そうだったのか。これでなぞが解けた。
ニュージランド産が輸入され始めた頃は、ニュージランド産にしろ、トンガ産にしろ、外国産のカボチャは西洋カボチャだった。
ニュージランドもトンガも日本向けの振興山地だが、気候的には適地といえる。
 
そこから冬にホクホクの栗カボチャが入ってきて、日本人はこれはうまいと飛びついた。
日本カボチャは肉質と相性からいって、日本式に醤油と砂糖で煮るとうまい。
小豆と煮る冬至カボチャにもピッタリだ。
 
しかし、ほくほくの西洋カボチャに負けた。
西洋カボチャはスープなどさまざまな料理に使われる。
使い勝手がいい。食の多様化という時代に流れにあっている。
 
それにもう一つ、重要なことがある。
緑黄色野菜の目安にもなる栄養素のカロチンが、ゆでたときに西洋カボチャのほうが日本カボチャより約5倍も多いのだ。
 
アア、これはもうだめか。自己矛盾だ。
「食べてはいけない」と思いつつ、これが冬至カボチャよ、と差し出されれば、ついほくほくの外国産西洋カボチャに手が伸びてしまう。
 
 
● “カボチャ+十字軍”で危機救う
戦いは日本カボチャか西洋カボチャかではない。
ややこしいが、国産西洋カボチャか外国産西洋カボチャかだ。
味や食感はともかく、カボチャは長期保存が効くといっても、表面にカビがはえることもあり、外国産は防カビ剤など農薬を使っていることが多いから、食べるなら国産がいい。
 
ただ、国産の今後はどうなるか。
この10年ほどの輸入量は横ばいで、とりあえずはバランスが取れていると考えざるを得ない。
しかし、国産の生産力に不安材料がある。
農家の高齢化だ。
農魚従事者の平均年齢が1960年には40歳を少し超えた程度だった。
それが最近では60歳を超えている。
サラリーマンなら定年組みが農家の主力になっている。
 
60代になれば力仕事はきつい。
かぼちゃだけではなく大根、白菜、キャベツ、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモなど”重量野菜”の持ち運びは応える。
カボチャも1つ、2つならいいが、5つ、6つとなると、考えただけでため息が出る。
 
外国産と一番、競合しているのが鹿児島県産だ。
鹿児島県でも農家の高齢化によって、カボチャ生産をやめる農家が増え、10年前に比べて生産量が半分以下に減っている。
これは危険だ。
 
“カボチャ十字軍”でも結成しようか。
消費者は冬至カボチャに鹿児島県産を食べ、スポーツ選手など体力のある若者は12月になったら、鹿児島に駆けつけ、カボチャ収穫のボランティアをする。
お土産はおいしい黒豚だ。オリンピックはダメでも、団体種目にカボチャ収穫レースを加えてもいいんじゃないか・・・・・・
 
 
 
■ ブロッコリー、シュンギク、レタス
 
● 精神錯乱起こす“毒菜”
ブロッコリーに春菊、レタスといえば、最近年中出回っているが、本来は”冬春物の3姉妹“で、食卓に欠かせない。
食べる機会が多いだけに安心して食べたいのだが、そうはいかないようだ。
 
まずブロッコリーでは2002年1月、厚生労働省の検査で、中国産から有機リン系の殺虫剤・メタミドホスが1.3ppmと、残留基準地(1.0ppm)を超えて検出された。
メタミドホスの残留基準値は決められているが、実は日本では農薬としては登録されていないために販売できない。
また、諸外国でも使用を禁止している例が多い。
 
というのもメタミドホスは毒性が強く、中毒の症状として頭痛やめまい、嘔吐などのほか、重症になれば言語障害や精神錯乱などを起こす。
 
ところが中国では年間7万トンと、一国で全世界の半分以上が生産されているというから、驚く。
 
香港では農薬まみれの「中国野菜」は”毒菜(ドッチョイ)”と呼ばれ、恐怖の対象になっている。
香港に住む一家三人が大手スーパーで買ったブロッコリーを食べて急性中毒を起こしたという。
まさに“毒菜”のブロッコリーといっていい。
 
最近、日本では外国産の中で量的に中国産は4分の1程度と比重が高くなっているだけに、注意が必要だ。
 
 
● 残留基準の7倍も
“毒菜”ブロッコリーにビックリしていたら、次はシュンギクだった。
 
同8月末、厚生労働省が中国産冷凍シュンギクから同じ有機リン系の殺虫剤クロルピリホスが、なんと残留基準値(0.01ppm)の7倍もの0.07ppmを検出したと発表した。
 
さらに同9月中旬、同様に中国産冷凍シュンギクから今度は残留基準地の5倍の0.05ppmが検出された。
クロルピリホスは変異原性といって、遺伝子に突然変異を起こす可能性が指摘されるとともに、また環境ホルモンの疑いももたれている。
中国産シュンギクもまた“毒菜”だった。
 
 
● 国産にも“毒菜”あり
そしてレタスだが、これは中国産の話ではない。
レタスはしゃれた野菜というか、キャベツなど類似の野菜にくらべて、葉がペラペラとしていてあまり実体が感じられず、歯ごたえもなく、空腹の時代には評価されなかった。
日本で農林水産症の統計に乗るようになったのは1963年以降である。
 
その後、食の洋風化にともなって日本人にも親しまれ、いまやサラダなどに欠かせなくなった。
 
農家にとってもレタスは比較的栽培しやすい上、キャベツのように重くなくて扱いやすい。
値段もそこそこにいい。
 
だから輸入量はまだ少ない。
輸入量が2001年に前年の倍近く、約9000トンに急増したといっても、国内生産量55万4000トンのうち2%に過ぎない。
しかも大半がアメリカ産で、中国産はごくわずか。
中国産“毒菜”レタスの本格的な登場はまだ先だ。
 
問題は国産だ。
1933年から97年までの東京都衛生研究所の調査では毎年、メソミルという殺虫剤の残留が確認されている。
それも無農薬、減農薬と表示されているレタスからも検出された。
 
メソミルはかつて茶畑でこれを散布していた農家の主婦が中毒死したことがあるし、ハトやスズメも死ぬ。
 
その後、あまりデータがなく、日本の農家も農薬に注意するようになってきたかと思っていたら、2002年8月初め、長野県下諏訪町のジャスコ諏訪店で売られていたグリーンリーフレタスから、今度はプロシミドンという殺菌剤が検出された。
それも残留基準地(5ppm)の3倍近い14ppmもあった。
それは信濃朝日農協(同朝日村)から出荷されたものだった。
 
 
● キッチンで農薬を取り除く
こうなると中国産はもちろんだが、たとえ一部の例外かもしれないが、国産にも注意が必要なようだ。
何ということか。
 
こうなれば、キッチンでのささやかな自衛手段に頼るしかないか。
 
まずレタスの場合、農薬が残留している危険性が高いのは一番外側にある外葉だから、もったいなくてもこれをはがして捨てる。
さらに葉を一枚ずつボールの中の水をくぐらせ、破れないように静かに手でこする。
塩水につけると、より安心だ。
 
シュンギクの場合、水を張ったボウルに2~3分浸したあと、流水でよくふり洗いをする。さらに湯で1分間ゆで、よく絞ればほぼ完璧だ。
ブロッコリーの場合もシュンギク同様、水によく浸したあと、流水でしっかり洗い、1分間ゆでてから調理する。
 

 

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池田 優

 

 

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