山ちゃんの食べもの考

 

 

その84
 



 簡便・安価を謳う加工食品氾濫時代にあって、私達の食生活はどんなに気をつけていても、危険な食品添加物から完全に逃れることができません。一般消費者にとっては、まことに難しく判別のつき難い食品添加物や、複雑難解な加工食品のからくりであります。しかし、家族の安心で健康な食生活を守っていくためには、可能な限り危険な化学物質や化学薬品を使用しない食べものを選ぶと同時に、良い食品とはどのようなものなのか、健康長寿にはどんな食品をどのように食べることが大切なのかの、食と健康への関心を高めて自らの原則を持つことだと思います。
 危険な食品添加物とそれを多用する加工食品の過剰摂取に警告を発し続けている、同志社大学教授・医学博士の西岡一氏は『あなたの食卓の危険度』(農文協)の中で、少なくともこれだけは――と、「食の10箇条」を以下のように述べています。

@食べものに関心を持とう

無関心では話にならない。関心を持っていると「食」の本性、あるべき姿が見えてきます。そして現代の加工食品時代が、虚構の上につくれれたものであることがわかってきます、そして、自然に食品添加物の取り入れ方が少なくなります。


A食品添加物ワースト10を目の敵に

ワースト10の食品添加物は、いずれも発ガン性などの毒性が知られ、外国では禁止されている例もあるものです。少なくとも、これだけの食品添加物の名前をよく頭に入れましょう。これだけを避けるだけで、大分違ってきます。
(1) OPP 輸入のレモン、オレンジ、グレープフルーツに使われている防カビ剤
(2) BHA 食用油脂、バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品、チューインガムなどに使われている酸化防止剤
(3) 臭素酸カリウム 小麦粉、魚肉練り製品、イーストフード、かまぼこ、魚肉ハムなどに使われている小麦粉改良剤、品質改良剤。これは、発ガン性が確認されており、危険度の高い物質ですが、「製造用剤」と呼ばれ、「最終食品の完成前に分解または除去すること」が前提で使用が認められ、使用表示は免除されます。
(4) 過酸化水素 かまぼこ、ちく和、はんぺんなどの水産練り製品に保存と漂白の目敵で、ゆでめんに保存の目的で、カズノコ、スキミ、寒天、くんせい用イカなどの漂白に使われていましたが、発がん性の疑いが濃く、いったん使用が禁止となりました。ところが、カズノコの漂白剤として再び認められたものです。
(5) 亜硝酸ナトリウム
(塩)
食肉ハム・ソーセージ、ベーコン、コンビーフ、魚肉ハム、イクラ、スジコなどに使われる発色剤。
(6) タール系色素 食品の着色のために使われる着色料で、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号などがある。
(7) サッカリン、
サッカリンカリウム
チューインガム、漬物、粉末ジュース、清涼飲料、乳酸菌飲料、魚介加工品、酢、しょうゆ、ソース、つくだ煮などに使われる合成甘味料。
(8) ソルビン酸、
ソルビン酸カリウム
魚肉練り製品、鯨肉食品、ウニ・タコ・イカのくん製品、魚介乾製品、フラワーペースト、煮豆、あん類、つくだ煮、みそ、漬け物類、ジャム、ケチャップ、干しスモモ、甘酒、発酵酢、乳酸菌飲料などの保存料として使われている。
(9) PG
(プロピレン
グリゴール)
加工食品に「しっとり感」をもたせるための軟化剤で、生麺類、つまみ用のイカやタコのくん製、ジャム、たらこ、ケーキ、もち、チーズ、ギョーザの皮、包装肉、豆腐などに使われる。
(10) デヒドロ酢酸 チーズ、バター、マーガリンなどに使われる防腐剤で、外国では一切許可されず、日本にだけ使われていましたが、染色体異常などの疑いで1991年に使用禁止となりました。


B加工食品のばっかり食はやめよう

 私たちは、次から次と繰り出される簡便な加工食品の虜になっています。ましてや、幼少から人工的に作られた甘味や旨味に浸ってしまった子ども達や若い人達の味覚は、その魔力から逃れられなくなってしまっているのです。たまに食べたとしてもまず急性毒性などの心配はありませんから、ときには食べることがあってもいいでしょう。しかし、加工食品主体の食生活に傾くことは禁物です。


C目新しい食品には疑惑の目を

 まともな食べものに、目新しく、安く、便利で、美味しく、長持ちするという、そんな食べものはそうそうあるわけではありません。そのような商品には必ず仕掛けがあります。原材料のはどのようなものが使われているのか、どのような作られ方をしているのか、食品添加物はどのようになっているのか。確かな物を見分ける目を育てないと危ないとしか言いようがありません。


D表示を見る習慣を

 加工食品には原材料の表示があり、使用された食品添加物も表示されています。残念ながら、その食品が出来上がるまでに使われた添加物が全て詳しく表示されるわけではありませんし、表示されているものも理解しにくいものが多いのです。しかし重要なものは表示されているはずですから、加工食品を買うときには必ず食品添加物の表示をみて、危険度の高い添加物が使われていないかどうかをチェックしたいものです。


E旬のものに福あり

 現代農法の発展によって栽培方法も変わり、輸入食品の増加などで、食べものから季節感が失われてきました。そこには化学肥料や農薬の多用、エネルギーの無駄使いが伴います。さらに美味しさも栄養も旬のものと異なることは当然です。昔の諺に「旬のものに福あり」という言葉がありますが、「身土不二」の原則からいっても、できるだけ地元に出来る季節のものを、家庭で料理して食べることが、一番安全であり、健康のいいということです。


Fいつでも野菜を食べよう

 加工食品の氾濫に反比例して、現代人の野菜摂取量が大きく減少し、食の偏りからビタミンやミネラル不足となり、いろいろな現代病を引き起こす要因ともなっています。健康長寿村の人々は地元で出来る新鮮な野菜をたくさん食べてきました。いろいろな季節の生きた野菜を食べることで、バランスのとれた栄養が体調を整え、生命力を活性化してくれます。


Gバランスある食を心がけよう

 できるだけ自然なもので、地元で摂れるもの、季節のもの、昔から食べられてきたものを中心に、好き嫌いなく何でもいただくことでしょう。精製度の高い食品や加工度の高い加工食品、簡便で安価な食品に偏ることや、好きだからといって一部の食べものに偏ることがもっともバランスを欠くことになるわけです。


H時間をかけてよく噛む習慣を

 スローフードという言葉がはやっていますが、良い食べものを選び、ゆっくり時間をかけて楽しく語らい合い、よく噛んで味わいながら食事を楽しみたいものです。よく噛むことで消化吸収が促進されると同時に、唾液に含まれる殺菌効果が働いて、食品に含まれる有毒物質を浄化してくれます。さらに噛むことは、脳の働きを活性化してくれるといいます。


I天の恵みに感謝して

 その人が健康になれるかなれないかは、本来食べものとは何かを知って、この生命を育んでくれている天の恵みに感謝できるか否かにかかっているといえます。かけがえのない生命を養うための物である食べものは、食べる人の健康な生命を願って、汗と努力と愛をこめて作られたものであります。そのはずであるべき食べものが、大きな工場で、危険が疑われる添加物を多用して大量生産される加工食品となりました。天の恵みとは程遠いものとなり、感謝の対象たり得なくなっているのです。
 「食は命なり」です。私たちの生命を生かす食べものの第一関門が「口」であります。この手でこの口に何を運ぶか、ほんの一瞬の口先だけの欲望のままに任せるのではなく、天の恵みに感謝してわが全生命の喜ぶものをいただきましょう。




 

ごらんいただいたことを大変ありがたく感謝します。

 


  
  

生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
L ife A griculture F oods

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池田 優

 

 

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