山ちゃんの食べもの考

 

 

その29
 

 「“手作り”の表示のあるハムやソーセージに、たくさんの亜硝酸塩が使われていた!発ガン物質を作り、アレルギーの犯人だぞ。喘息の人は今すぐ行動しよう。疑惑の発色剤」、『危ないコンビに食』で山田博士氏は第3の危険物に化学合成添加物・亜硝酸塩をあげている。ほとんどのハム・ソーセージには当たり前のように使われている亜硝酸塩は、発ガン物質を作るなど多くの問題がある厄介な物質です。吐き気、動悸、血圧降下、虚脱、昏睡、呼吸麻痺などの急性中毒、遺伝子損傷、変異原性、染色体異常などの毒性が指摘されているのです。硝酸等については『山ちゃんの食べもの考その18』で取り上げてあるので参照してほしい。

 山田氏によると「全米アレルギー感染症研究所が出している警告に、しおれレタスや干しブドウの変色を防ぐために、ビタミン剤などと一緒に添加される化学物質に亜硝酸ナトリウムがある。この亜硝酸ナトリウムのかかった野菜や果物を知らずに食べていると、アレルギー体質を持つ人の中には、重症の気管支喘息を発症するものがでてくる」。またある医師の証言として「亜硝酸ナトリウムはアレルゲンの一種です。これが入ってくると、アレルギー患者の体内には、ある種のアレルゲンに対して特異的に結合するレアゲン(抗体)という物質が形成されます。そこに、新たなアレルゲンが体外から入ってくると、肥満細胞表面に固着したレアゲンとアレルゲンとが結合反応を起こします。その肥満細胞を刺激して、ヒスタミンやロイコトリエンなどの、喘息症状を引き起こすさまざまな化学伝達物質を放出させるんですね。……血管が拡張したり、白血病が異常を起こしたり、筋肉が収縮したりして、気管支と気管支粘膜に病気が出てしまう……」と。

 

 さらに「山ちゃんの食べもの考その18192021で述べたように高濃度の硝酸塩を含む野菜は危険です。健康によいと思って食べた野菜の硝酸塩が、口の中では秒単位で亜硝酸塩に変化するといいます。幼い子どもたちに危ないハムやソーセージを食べさせ、季節外れの施設栽培野菜などを平気で与えていたのでは大変です。産地や生産者、栽培方法などを確認して、できるだけ信頼のできる旬の野菜を選んでください。「亭主を早死にさせる法」で説明したように、美しく安いだけで畜肉ハムやソーセージ、魚肉加工食品など、高濃度に硝酸塩を含有する野菜を選んでいたのでは身の破滅です。

 ハムやソーセージを光沢のある美しいピンク色に見せるために使われるこの亜硝酸塩は、アミン類を含むものを一緒に食べると、胃の中にガンを発生させるニトロソミアンという物質を作り出すのでしたね。アミン類は、たんぱく質の成分でアミノ酸の一種あって、魚介類や焼き魚、干し魚に含まれる物質ですから、亜硝酸塩を添加した食べものを避けることが大事なのです。『危ないコンビに食』には亜硝酸を使った食品が実名入りの詳しいデータが記載されていますからぜひご覧下さい」

 山田氏は「亜硝酸塩は、血管を拡張したり、血液中のヘモグロビンの鉄を酸化させたり、血液の酸素運搬能力を低下させたり、血球を壊してそれが血漿中や尿に出て尿細管を閉じたりさせる」とも述べています。

 

 8月28日付の『日本農業新聞』に掲載された「2000年の食料輸入」によると、第一位は「くず肉を含む豚肉」で32億5300ドル(3800億円弱)、デンマークやアメリカ、カナダなどから輸入されています。6ヶ月間位の短期肥育のものが多いでしょう。結着剤や発色剤、保存料、化学調味料、増量剤などを使って7日〜10日間で製品に仕上げられるといいます。

 一般的に豚肉を使ったハムやソーセージは、その大部分がチルドや冷凍で輸入される原料によって製造されているといわれます。それらには主にどんな添加物が使われるのでしょう。

リン酸塩;腎臓や尿細管に要害をもたらし、カルシウムの低下を招くといわれるリン酸塩が結着剤として使われます。

アミノ酸等;旨味を出すために例のアミノ酸等が使われます。

エリソルビン酸Na;脂質等の変質を防ぐための酸化防止剤で、遺伝毒性や変異原性、染色体異常を起こすなどの疑いがある。

ソルビン酸K;色を美しく保ち防腐効果を高めるための保存料で発ガン性や変異原性の心配。

コチニール;肉のピンク色を引き立てる着色料で、サボテンに付く寄生虫から作られ、遺伝毒性が指摘されている。

亜硝酸Na;肉色を美しく発色させ防腐効果を高める発色剤。毒性については何度も述べた。

 そこで大手企業の畜肉製品についてその表示ラベルを見て見ましょう

【N社のウインナー】 お口に皮が残らないので、小さいお子様のお弁当にもぴったりです。

品  名   ウインナ―ソ−セージ

原材料名 ; 畜肉(豚肉、牛肉)、鶏肉、結着材料(でん粉、植物性たん白)、糖類(水あめ、ぶどう糖)、食塩、香辛料、ビーフエキス、ポークエキス、リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸等)、保存料(ソルビン酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、フマル酸、発色剤(亜硝酸Na)

 

【I社のソーセージ】焼いておいしいミニステーキ

品  名   ポークソーセージ(ボロニア・スライス)

原材料名 ; 豚肉、結着材料(でん粉、植物性たん白、卵たん白)、食塩、糖類(水あめ、砂糖)、香辛料、脱脂粉乳、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、保存料(ソルビン酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)

 

【I社のロースハム】 うすぎりホワイトロース

品  名   ロースハム(スライス)

原材料名 ; 豚ロース肉、糖類(乳糖、砂糖)、卵たん白、食塩、植物性たん白、リン酸(Na)、調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、コチニール色素、香辛料

 

 次に紹介するのは神奈川県平塚市にあるかなり良心的な製品を作っているメーカー「F社」のものです。原料となる豚肉は自社生産からはじめ、使用する添加物も最小限に抑えようとしています。

【F社のロースハム】

 「直営牧場で作った良質なお肉をフレッシュなまま加工した美味しいハム・ソーセージです。自然塩使用。ロースハム、2週間以上熟成させた最高級のハムです。肉の美味しさが楽しめる一品です。合成保存料・着色料は使用しておりません」

品  名   ロースハム(スライス)

原材料名 ; 豚肉、食塩、香辛料、リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(硝酸K、亜硝酸Na)

 

株式会社 湖南ぴゅあ   神奈川県平塚市岡崎1624  

電話 0463-58-7767 ファックス 0463-58-7768

 湖南ぴゅあのハム・ソーセージには5つの大きな特徴があります。

 @ 自家生産のフレッシュな豚肉が原料

 健康な良い豚肉生産のため、あえて生産効率の低い中ヨークシャ種を選び、有用微生物が生きるオガクズの床土で、雑穀中心の飼料を与え、7ヶ月間の長期飼育をする。食べものは何よりも第一に、その元となる主原料が氏素性のわかる信頼できるものであり、健康に安全に作られた新鮮なものであることが大切だ。

 A 化学合成添加物や増量剤は一切使わない

 ハム・ソーセージは添加物なしでは作れないといいます。しかしそれは生産効率を高めた粗悪な原材料を使い、経済優先の大量生産大量販売システムの企業側の論理です。湖南ぴゅあは発色剤、保存料、結着剤、酸化防止剤、化学調味料などの化学合成添加物や増量剤(乳たん白、大豆たん白、でん粉)などは一切使っていません。

 B 調味料などの副素材も無添加の本物

 ハム・ソーセージ作りに使う塩やしょう油、みりん、酢、砂糖、チキンブイヨン、スパイス、ハチミツなども、化学合成添加物などを使用しない厳選されたものを使用しています。

 C 長時間かけてじっくり熟成

 原料となる肉は海塩、てんさい糖、本みりん、天然醸造しょうゆ、香辛料で作った調味液に2週間以上漬け込み(大量生産のものは3日間位)、じっくり熟成させることで豚肉本来の旨味を引き出しています。

 D 炭と桜のチップで直火式くん蒸

 煉瓦を積み上げた直火式のくん煙室で、炭と桜のチップで12時間以上スモーク(大量生産のものは2時間位)、自然な遠赤外線効果で豊かな風味のハムに仕上げます。

 

湖南ぴゅあのいくつかの製品をご案内しましょう。

【ロースハム】原材料名;ぴゅあポーク・ロース肉、海塩、てんさい糖、本みりん、天然醸造しょう油、生姜

 

【ベーコン】原材料名;ぴゅあポーク・バラ肉、海塩、てんさい糖、本みりん、天然醸造しょう油、生姜

 

【ウインナ―ソーセージ】原材料名;ぴゅあポーク各部位切り落とし、脂肪、牛乳、チキンブイヨン、海塩、てんさい糖、本みりん、玉ねぎ/ケーシング…羊腸

 

 山田博士氏は『危ないコンビニ食』で酸化防止剤のBHAとBHTを“危険物”の第4に取り上げている。「一度、発ガン性ありとのことで禁止されそうになったBHA、アメリカではGRASリスト(安全リスト)からはずされたBHT、いずれもいわくつきの酸化防止剤だ」

 名古屋大学の研究グループがBHA(ブチルヒドロシキアニソール)に発ガン物質があることを明らかにしました。これを受けて厚生省は、BHAを食品添加物の指定からはずす措置を取ったのです。「加工食品の酸化防止剤BHA、発ガン性の疑いで全面禁止へ」と新聞報道されたのですが、欧米の国々から「待った!」がかかりました。BHAには強力な酸化防止作用があり、欧米では多量に使われており、BHAを使った食品を日本に輸出できなくなるなどということもあり、外国の圧力に屈して使用禁止を撤回したといういわく因縁つきの添加物です。

 そこでバーム油およびバーム核原料油に限って使用を認めるということになったのです。バーム油およびバーム核原料油は加工食品用の原材料であって一般消費者が直接購入するものではありません。従って私たちは添加物表示としてBHAの表記を目にすることはありません。BHAが添加されたバーム油を使って食品を製造しても、キャリーオーバーといって製造者が直接添加したものでない限り、原材料に使われていたものは表示する必要はないことになっています(これは大変疑問に思うところで、ある食品を作るために多量の添加物を使った安価で粗悪なしょう油を用いても、価格が5倍もする無添加の本醸造しょう油を使っても、原材料名にはしょう油と表示されるだけです)。従って原材料にバーム油と表示されていたらBHAが使用されているものと考えるべきでしょう。バーム油は菓子類やインスタント食品など多くの食品に使われています。

 

 BHT(ブチルヒドロシキトルエン)はBHA同様、食品の油脂成分が酸化して変質することを防ぐための酸化防止剤です。使用食品は油脂やバター、魚介冷凍品、クジラ冷凍品、魚介乾燥品、魚介塩蔵品、ガム、乾燥うらごし芋の食品に限られて認められています。

 遺伝毒性が認められ、発ガン性の疑いももたれていながら、価格が安く強力な酸化防止効果があるので最も多く使われている酸化防止剤だということです。

動物実験では血中のコレステロールの上昇やヘモグロビンの減少、肝臓や腎臓に異変・障害、無眼症などの結果が報告されています。

 このBHTの大きな問題点は、脂肪組織に蓄積する傾向があるので、食事内容に油分が多くなるほど危険性が増す可能性があることです。また他の物質や添加物と一緒になって相乗的に毒性が増すものであること。さらには魚介類の冷凍品や乾燥品、塩蔵品はバラ売りされたり簡易包装で表示されないことが多いことです。

山田博士氏によると「BHAはイギリスではH―LD病の原因として医者たちが問題視している」「カップめんの容器や哺乳瓶、プラスチック製水筒にもBHTが使われていて、それらが溶け出していることがわかった」と述べている。

 


 

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生命の農と食を考える
L A F 健農健食研究所 ラフ
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池田 優

 

 

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